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外伝 第2次レイテ沖海戦5

 ハルゼーが神経を狂わせていたころ日本艦隊は動き出した。

 戦艦大和が堂々たる姿で海を進んでいく。その前方には巡洋艦の摩耶。斜め後方に鳥海と高雄が後を追っている。そして左横には新鋭駆逐艦の寒風と時波が付いている。また右横には満潮 朝霜 清風 雪風そしてその前方に矢矧がついている。清風は上層構造物が破壊されたが、水線下に被害が無いため速力の衰えは無い。

 他の空母部隊は遠方に金剛と共に置かれている。常に空中に6機が敵の襲撃避けのため飛んでいる。


 

 またこの群とは別に空母信濃と長門そして駆逐艦2隻の軍団があった。烈風を従えているこのマンモス空母は南側にいた。そして敵を求め北上していった。



 その頃、レーダで日本艦隊と思わしき部隊を見つけたアメリカ機動部隊は爆撃部隊がほぼ全滅状態だ。雷撃部隊も損害が多い。また日本艦隊の襲来を予期していなかったため魚雷の数は非常に少ない。

 つまりは戦闘機しかいない。その戦闘機も最初の4分の1以上が撃墜されパイロットの負傷や機体が使用不可まで損傷したのを除けば、半分が失われている計算となる。


 

 しょうがない戦艦部隊で終わらせるか。「空母はもう駄目だ。南方に退避させろ」ハルゼーは何と戦艦に乗り移った。空母は南方に動き出した。信濃や長門が北上しているのも知らずに。しかし軽空母のモンテーレだけは戦闘機を搭載し残った。


 烈風21型は11型と違うのは航続距離だけではない。爆弾が搭載できるのだ。また速力が向上しているなどのものがある。そのため今回は爆弾を投下することも十分可能だ。



 「敵部隊発見、距離4万 巡洋艦3隻 戦艦1隻 駆逐艦5隻」米軍はやや正確に日本艦隊の陣容を捉えていた。潜水艦がいたのだ。「空母はいないのか。聞き返せ」ハルゼーが言ったとおり、報告したが空母はいないとの事だった。「恐らく後方にいるのでしょう」参謀長がそういった。


 

 アメリカの各戦艦は3時の方向に主砲を向け待ち構えていた。そして大和の方も確認していた。

 「敵のマストを発見 距離3万5000メートル」いよいよ戦艦の砲撃戦が始まる。


 そのころ南方では、空母信濃の彩雲が北方に向け発進された。すると「我、敵艦隊を発見 空母4隻

駆逐艦6隻の模様」空母が向かってきている。何故だ?しかし疑問よりも喜びのほうが上だった。


 こちらは駆逐艦3隻と3隻少ないし、空母は4倍だ。しかしこちらは戦艦がいる。おまけに世界のビッグ7のうちの一隻だ。

 信濃から烈風が青々した空に舞い上がった。爆弾装備が12機その他24機だ。そして後方から戦艦が迫る。


 

 そしてまた話はハルゼー艦隊に戻る。戦艦3隻 巡洋艦4隻 駆逐艦10隻 軽空母1隻の陣容である。

 「距離3万です」「よし来た!日本艦隊を沈めてやれ」レーダー射撃が開始された。

  日本艦隊も撃ち始めた。大和が46サンチ主砲を咆哮させた。そして矢矧を先頭として満潮 朝霜 清風 雪風が続く。清風は主砲が発射できないまでに破壊されている。が、水雷にそんなものは関係が無い。アメリカの巡洋艦がいかせまいと発砲してきた。しかしこの距離では届くはずが無く悲しく水柱をあげるだけだった。矢矧の水雷戦隊は距離2万8000メートルで発射した。もちろんあたるなど考えていない。何故ならこの距離で打つには魚雷速力を遅くする必要があるのだ。

 巡洋艦は有利なポジションで迎え撃ったのだが、この魚雷のせえで二つにされてしまった。

 日本艦隊は一直線に突入。両側にいるのは全て敵だ。矢矧が15センチ砲を放った。計六門の主砲はアメリカ巡洋艦に直撃弾をだすにはいたらなかったもののあからさまに行動を妨害していた。


 そして距離2万をきった。そして両側に魚雷を各艦はなった瞬間だった。刹那。満潮が爆発した。何かが放たれたのだ。直撃したのは砲弾。口径は15センチだから巡洋艦の主砲だ。満潮はそこで停止した。

 しかし水雷戦隊は挫けず逆に恨みを返すように巡洋艦部隊を襲った。片側に2隻ともう片側に2隻と駆逐艦が数隻いる。矢矧は2隻のほうに進み、半円の状態で囲み発射した。距離は1万メートルにも満たなかった。20本以上の魚雷が放たれた。どうなるかは皆さんごお分かりだろう。巡洋艦は2隻とも交わしきれず海の底へと向かっていった。沈没時間は10分以下。ちょうどその時に大和がワシントンに直撃弾を出した。

 

 

 

また舞台を変えて南方の戦い。

 空母信濃から発艦した烈風12機は空母ワスプに襲い掛かった。駆逐艦6隻からものすごい弾幕が放たれた。しかし命中率が3倍に増えただけであり烈風は防弾装甲をしている。撃墜は難しい。それでも2機が爆発しながら落ちていった。また制空用の烈風も高射砲により1機撃墜。しかしワスプに10機の機体が現れて爆弾を投下してきた。使用されているのは50キロ爆弾だ。案の定この程度では特に損害を受けない。爆弾は3発命中した。この爆弾は焼夷弾を改造したものであり甲板は炎に包まれた。が、艦載機はもう無い。爆弾の投下が終了すると20ミリ機銃を打ち込み帰還した。損失は10機にも及んだ。さらに使用不可の機体は4機だ。


 長門がここでワスプを発見した。距離は3万をきっている。速力30ノットを超える空母に対し長門は追いつくわけが無いのだがあきらず射撃を開始した。41サンチ砲が8門咆哮。空気を切り裂く音が米空母に向かっていった。一方の米機動部隊はワスプが炎上しているのをやや気にかけつつ東側に向きを変えていた。それを読んでいた長門の射撃は見事命中した。2発がワスプから見たら至近弾だったがその内の1発はあくまでもワスプから見て至近弾であり至近にいた駆逐艦に当たった。

 一発で轟沈した。さらにワスプは1発が命中した。甲版を突き破った長門の砲弾は格納庫にとび入るなり爆発した。轟!!閃光がアメリカ艦隊を覆った。艦載機はまともにないが爆弾が少々余っていたらしく大爆発を起こした。

 さらに日本駆逐艦が向かっていった。



 ハルゼー戦艦艦隊


 戦艦ワシントンは艦橋やマストを破壊され射撃などできる状況ではなかった。ワシントンが射撃不能と見るや大和はアラバマを砲撃しだした。大和は2発の命中弾を受けているのだが木製盤がめくれあがるだけだった。

 水雷戦隊は米駆逐艦を相手に敢闘していた。さらに戦艦マサーチュセッツにも雷撃を加え大和への射撃を可能な限り妨害していた。


 矢矧が魚雷を8本発射し、そしてすばやく第2発目。目標は先頭の駆逐艦だ。酸素魚雷は80キロ超え速度で、駆逐艦の艦首に魚雷が1発命中した。さらに14本が他の艦を動かす。そしてここで矢矧の船長が考えていたことが実現された。実はじりじりワシントンに接近していたのだ。そして4本が命中した。そしてただ4本命中したのでなく、2本が5秒ずれて直撃したのだ。ワシントンはのた打ち回って沈んでいった。ワシントンの船長ハワード・H・J・ベンソンは第1次レイテ沖海戦で大和に止めをさせず、そして本海戦で命をなくした。


 海戦は日本側に傾いていった。


  



 次回最終回です。

 

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