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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
レイテ沖海戦
20/102

只一の過去

 俺はこの時あの日のことを思い出していた。

 午後になるとまた攻撃が来るだろう。今の内に飯を食っておこう。明日はどうせ突入だ。死ぬときは死ぬし死なないときは死なないんだ。なるようにしかならないのならうまい飯を食っていたほうがいい。 

 竹浜と空を見上げながら食っていた。「敵機がびばいふぉらを見げるとひぃぶんいいよ」と飯を口の中にためこみ、リスのように頬をふくらませつつ口を押さえ言った。一応翻訳しておこう「敵機がいない空を見てると気分いいよ」

「あの日のことを思い出すな」と俺は無意識とまではいかないが、実感が無いようにに言った。「ばの日ぼごとって?」(あの日の事って?)俺が答えようとすると竹浜がなにかに納得したような感じで目を輝かせ(輝いては無かったかもしれない)「ああ、お前がここに配属されたときのことか」と飯を喉に流し込んでしっかりとした声で言った。

 俺が配備されたのはなんと1943年9月1日なのだ。何故この日に配属されたのか?

 少し時計の針を戻させてもらおう。…

 1943年 8月5日  米潜水艦タニーという潜水艦がこの日大惨事を起こしてくれる。ちなみにコードネームは以下のとおり。(USS Tunny, SS/SSG/APSS/LPSS-282)これが武蔵を雷撃した。

 17時45分、魚雷1本が並走するように武蔵の左舷艦首部に命中。艦後部にいた者は魚雷命中に気付かず、武蔵は24ノットに増速して退避した。この時武蔵はトラック島にいた。ちょうど演習中だったのだろう。浸水2630t、戦死者7名、負傷者11人の被害を出して8月15日に呉に到着した。4式弾があればよけれたのだろう。

 そしてこれにより 9月1日 呉で対空戦闘の為の改装工事完了。25mm三連機銃18基増設がなされた。

 ここで俺は弾薬補給係に任命された。海軍学校予科練の中では優等生だった俺はこれに任命されたとき、喜んだ。なにしろ武蔵に乗れるのだ。海軍学校の予科練の中では優等生。これはもちろん優等生=弾薬補給に向いているという意味合いだ。ちなみに俺は福岡生まれだ。

 水兵になろうと思い訓練を重ね、呉の予科練に移ることになった。1941年に配属された。

 ここで始めてあったのが山辺という先輩にあたる人だ。この人は部下から尊敬されているまあ優しい人だ。そしてこの山辺を尊敬していたうちの1人が竹浜だ。俺とほぼ同じほどの成績を持っていたがお互い興味を示さず、同じ配属にされても「あ、…よろしく」みたいな感じだった。これで仲介(?)に当たったのが山辺さんだ。何の会話したのか忘れたが3日くらいで友人となった。

 まあ1ヶ月してから周りからも親友のような目で見られた。いや別に悪くない。山辺さんは半月ほどで病気をわずらったらしく悲しく見送ることになった。それから山辺さんの情報は無い。

 10月17日 マーシャル方面に進行などしてそれから作戦をこなしてきた。


 「それからいろいろあったよな」と竹浜。「ああ特にマリアナのときは大変だったな。まあ先の戦闘も大変だけどな」「もうすぐ敵機が来るよ。あと10秒くらいで、向こうの空に」と竹浜がなんともいえないような、やる気の無いような声で言った。ちょうど10秒後「敵機だ!!」艦橋からの報告だ。マジかよ。「只一俺生きて帰ったら予言者になろうと思う」「いいと思う。大もうけできるぞ」そんな会話をしながら仕事に就いた。

 

一二二三 死神は武蔵を見ながら微笑んでいた。

 毎回どうも。今回の話は作品に直接関係無いけど。竹浜とどうやって出会い友人になったのかを書くために山辺さんなどの人物を出しそこらへんをすっきりさせておこうと思いまして。

 次回もよろしくです。

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