表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/27

第1話 衛鬼兵団・傭兵・親衛分隊『混成部隊』創設

 異世界の無敵の軍『衛鬼兵団(えいきへいだん)』は、その強さから、(つか)える(あるじ)に逆らう者を根絶(こんぜつ)し、皮肉にも不必要となって放逐されてしまった。


 彼等かれらは戦い続けないと消滅してしまう……という過酷な運命を背負っていた。


『オジカ事務用品』に勤める平凡な青年『(たいら) 盆人(はちひと)』は、偶然、衛鬼兵団の司令官『ユイ』と出会い、この世界での『暫定司令官』に任命される


 「何か願いは無いか?」と言うユイに、盆人は憧れの女性『鷹音ようおん 野華ひろか』と恋人になる事を望むが、衛鬼兵団は『愛』の何たるかを知らない。 咄嗟の機転で兵団に『愛』を理解させた(何となくではあるが……)に、盆人は協力を求める。


 戦う事しか能のない兵団を有効利用(?)し、更に後輩の『長瀬』の協力も得て、お食事会に呼ばれる迄に急接近!


 ……果たして盆人の片想いの行方は? また、戦い続けなくては消滅してしまうという『衛鬼兵団』の運命は!?

 我々『衛鬼兵団』と『傭兵』の『混成部隊』は、『㈱アティロム、鷹音ようおん野華ひろか親衛隊』から、『親衛分隊2名』落合さんと藤岡さんを加え、総勢6名に増員された。


 ちなみに『親衛分隊』2名には、俺が鷹音ようおんさんを好きな事は伏せてある。 ……鷹音ようおんさんと同じ職場の2人に、変に気を遣わせない為だ。



 今日は、記念すべき、あの! 鷹音ようおんさんの手料理をご馳走になる日だ。


 2〜3日眠れなかったので、少々ぼーっとしていたが、今日は緊張からかシャキッとしている。


 広い藤岡さんのマンションが、お食事会の会場だ。


 現地集合で、俺たち『旧・混成部隊』4名は10分前に集結したが、アティロムの皆さんは、実に1時間前には集合して、既に仕込みをしてくれていた。

 

 藤岡さんがドアを開けて迎えてくれた。


 「お邪魔しま〜す」と玄関に足を踏み入れた瞬間、猛烈に食欲をそそる良〜い香りが、俺たちの鼻腔に総攻撃を仕掛て来た!


 我々『旧・混成部隊』は、基本的に脳では無く胃袋で考えるので、敵本土上陸前げんかんの時点で戦意を失い、降伏した。 そして、ジュネーヴ条約によって手厚く保護される捕虜よろしく、かしこまって着席して、配膳を待ったのである。



 ……思い返せば、あの夏祭りの時、落合さんによる『鷹音ようおんさんは、お料理上手』という、『神情報漏洩(リーク)』から、実に1か月以上、待ちに待ちに待ちに待った今日という記念すべき日!


 …………!


 き、来た! ついに来たぁ〜!

 

 鷹音ようおんさんの! 手作り! オムライス! ……母親が作ってくれた、はじっこがバリバリで、破れ傘のような卵焼きに、ケチャップで適当てきとーに象形文字がえがかれた物と同じ『しゅ』に属するとは到底思えない、異世界の饗膳! ……が『親兵分隊』落合さんと藤岡さんの手で、サラダとオニオングラタンスープと共に運ばれて来た。


 俺とユイの前には、この究極のメニューが2人前ずつ置かれた。 ……はなはだ遺憾ではあるが、我々衛鬼兵団(えいきへいだん)の現・首脳2名は、事もあろうに『大食らい』のレッテルを貼られていた。


 ……まあ、これは、前章の第5話『超弩級砲雷命中!』をお読みになれば、お判り頂けるように、完全かんっぜんにユイの責任なわけだが。



 俺たちの前に置かれた4人前のオムライスを見て、長瀬と青木さんは肩を震わせ、顔を伏せて笑っている。


 更に、そんな『長瀬分隊』を見て、アティロムの面々も笑顔を見せてくれた。


 ……全くもって、お恥ずかしい……。 


 ……でも……嬉しい!

 目前に並んだ、ご馳走の数々に喜びが止まらない盆人とユイ……そしてオジカ分隊の長瀬と青木さん。


 そんな彼等の前に、いよいよヒロイン、鷹音さんが登場する!


 次回 第2話 一刀両断 にご期待下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ