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第5話 突貫

【前回迄のあらすじ】 


『オジカ事務用品』に勤める平凡な青年『(たいら) 盆人(はちひと)』は、偶然、異世界の無敵の軍『衛鬼兵団』の司令官『ユイ』と出会い、この世界での『暫定司令官』に任命される。


 憧れの鷹音ようおんさんの会社で行われている『七夕まつり』の『短冊のクローン』から鷹音さんに彼氏が居ない事を知った盆人は、いよいよ鷹音さんが勤める敵地『㈱アティロム』に突貫する決意をする!

 今、鷹音(ようおん)さんには付き合っている彼氏がいない。それが(わか)っただけでも大収穫だ。長瀬とユイたちには、感謝しかない。


 ……さて次は、どうするか? この前の長瀬とユイの盛り上がり方で、趣味が合うのが恋愛への近道なのは学習した。 ……とは言え、彼女の趣味など知る由もない。


 趣味を調べる方法、何か無いだろうか? 


 ふと、ユイに目をやると、テレビを観ている。 ……何を観ているかと思えば、テレビショッピングだ。 小洒落た服を着たモデルさんが様々なポーズをして、商品をアピールしている。


 ……俺の視線を感じたのか、ユイが振り返り、目が合った。


 「……前々から疑問に思っていたのだが、この次元の者は、何故(なにゆえ)、奇妙な鉱物を装着しているんだ?」


 ……鉱物? ピアスとかネックレスの事か。


「俺は付けたこと無いから理由は解らないけど、確かに結構付けてる人、いるな」


 ……太古の壁画とかでも、装飾品を付けてる絵画が残ってるくらいだから、もう、人間の遺伝子に組み込まれてるのかも……なんて事をユイに言いながら、ふと、鷹音(ようおん)さんはどんなアクセサリーを付けてるのかな~……と思いを巡らせ……


 そうだ! 彼女が身に着けているアクセサリーから、何かヒントが得られないかな?

例えば、楽器のアクセサリーなら音楽が好き……とか、イルカのアクセサリーなら、水族館が好き……とか。 制服を着ていても、アクセサリーは身につけているだろう。


 後は、アティロムに行く為の口実だ。 この前はご用聞きついでにパンフを持って行けたが、今回はそれも無い。


 そうだ! 忘れてたけど、短冊に願いを書いて持って行く事になってたっけ。 


 なんて書こう?


『すてきな かのじょが できますように たいら はちひと』 ……いやあ! これはやり過ぎだろうな……


 『せかい へいわ』 ……(わる)かぁ無いけど、ちょっと漠然としてるかぁ……。


 そうだ! ……俺は、(ひらめ)いた言葉を短冊に書き込んだ。


 よし! 戦闘準備完了! ワレ、就寝ス!


 『明日は鷹音(ようおん)さんに会えますように……と本当の願いが叶う事を願いつつ、眠りについた。




 翌日、上司の許可を貰い、アティロムに向かった。


 ……ガラス張りになっているアティロムの正面玄関から目を凝らすと、受付に鷹音(ようおん)さんの姿を見付けた!


 やった〜! ……と、目立たぬようにガッツポーズを決める。


 やはり彼女が居ると、アティロムの玄関ロビーが華やいで見える! あ、七夕祭りの効果もあるか……。


 回転扉を通り、彼女目掛けて突入を図るも、俺の眼前に、巨大なBー29スーパーフォートレスが立ち塞がった。……じゃ無い、広報部長が立ち塞がった。 


 ……マジで思考が衛鬼兵団(えいきへいだん)に感化されてるなあ……。


「や~あ、へイボン君! この前はありがとう! お陰で七夕祭りは大盛況だよ~」


 うわっデカい声! あなたは参謀長か!


「まあ、ゆっくりして行ってくれ給え。 わっはっは。」……と、豪快な笑いを残し、去って行った。



 七夕飾りの周りには、小振りな屋台とヨーヨー釣りや射的などがあり、子供達が楽しんでいる。


 それを横目に、この前、手の中で消滅してしまった鷹音(ようおん)さんの短冊のオリジナルを探していると、誰かに優しく肩をつつかれた。


 振り返ると……


 ……! う、う、う、う、嘘ぉ〜〜〜!


 よ、よ、鷹音(ようおん)さんだああぁ!

【次回予告】


 鷹音ようおんさんに肩をつつかれ、過去最大級の接近遭遇を果たした盆人!


 果たして、彼の運命は!?


 次回 第4章『第5種接近遭遇』

    第1話 最高軍事機密 をお楽しみに!


【作者より】

 お読み頂き、心より感謝申し上げます。


 ブックマークやご感想を頂けますと、本当に励みになります。 


 何卒宜しくお願い申し上げます。

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