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閃いた
「めるって言うの」
そう語る彼女は髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜながら
どうしよう だの親父に勘当される だの
ブツクサ考えている様子だった。
「...えっとつまり私は生きている?」
仮に生きていたとして、あれだけの薬を飲んでいたのなら重篤なもんだろうが
寒気を感じる以外は身体はぴんぴんしている
いや、人魚だとか馬鹿げた幻想が見えるあたり頭はおかしくなっているのかもしれない
「あ、ひらめいた」
めるは手を打ちグルリとこちらに視線を移し
私の肩を掴む
「えっと、助けてあげたお礼にさ!
匿ってよしばらく!
ギャンブルで借金かさんじゃってさ
タコ野郎に深海に売られそうなんだわ
アンタ助けるのに家宝盗んでヤバいし
ね!ちょっとでいいからさ!」