幼馴染は死にたい2
またまた夜の更新です、どうもすいません!
今回まじで短めなので許してクレメンス......
寒いなんて言わないで〜
揺られるがままに終点駅に着いた。雨の間を縫うようにして潮風が迫っては髪をなでていく。ぽつりぽつりと浮かぶ灯りは雨にかき消されようとする夜。街頭におびき寄せられる蛾のように、はたまたハリガネムシに乗っ取られた蟷螂のように海へ一歩、また一歩と歩んでいく。
駅から海辺への緩やかな下り坂を過去の幻影、ないしは走馬灯の前借を見ながら下っていく。晶に荷物を押し付けて海へと競ったあの朝、弁当を忘れて食事処を探し回ったあの昼、遊び疲れて晶におぶられて帰ったあの夕方。全ては薄れゆく過去の産物でしか無く、ただ虚しさだけが広がっては、波の様に引いていく。
堤防の階段を降りて行く。去年の夏の面影は最早無く、そこにあるのは雨が打ちつける砂浜だけ。ザァーザァーと無機質に響く波音は、千鶴を飲み込んでいく。一歩、また一歩と海へと沈んでいく。涙を溜めた目でうっすら笑いながらひとり海へと話し掛ける。
「今から行くからね、晶ぁ、彩葉ぁ、帰郷ぅ。待っててね、今から私も……」
彼女は深淵へと沈んでいく。暗い海の中へ閉じこもっていくように。彼女を引き上げるヒーローはもう、どこにもいない。
『GW中には一区切りつくかもしれない』というフラグを掲げる『駄目な作家』という看板を首から下げる駄目人間ですどうもすいません......
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