主人公は死にたい
一応一区切り的な......?
最近死にすぎな気がするけど、まあ、いっか!
評価の方お願いします!評価次第で拡大リメイクを行うかが決まってきます!あの事故に至る一年以上前から遡って6人の異常性について掘り下げつつ、ちゃんとラブコメさせる物語を予定してます!
是非皆さんの清き一票を!
首元から鮮やかな彼岸花を咲かせた桔梗は、濁りつつある瞳で上に跨る人を刺す。死に損ないは、喉を鳴らしながらも確かにこう言った。
「貴方もこれで、同類だ」と。
その意味を理解したのか、側から見ただけでは分からないが、武者震いの名残りを残した晶は絶句する。その視線は、机の上にあった一つの写真立てに吸い込まれていた。
あんな彼女にも親愛を向け合う相手がいて、それを踏み躙った自分も彼女と同じく、罪を犯した者だと。そんな自覚が身体中を駆け巡る。
「あぁ......うっ、嘘だ、これは夢だ。そうだ、これは現実なんかじゃ、無いんだ」
足元を満たす液体が伝える冷たさと、妙に興奮して熱くなった体が現実だと伝えてしまう。嘔吐いた晶は、思わず桔梗の上へしてしまう。刺激臭と血肉の匂いが入り混じる空間から抜け出そうと壁にもたれながら力無く立ち上がる。足を引き摺りながら千鶴のいる部屋を目指す虚な瞳は、最悪な物を見つけてしまった。
ー千鶴の部屋ー
トラウマを植え付けられた彼女は、部屋の外から聞こえる足音を恐れて頭を抱え部屋の隅で縮こまっていた。純白を穢された彼女は凌辱への諦めはついたが、痛い事への恐怖心だけは拭い切れない様だった。しかし彼女は想像を裏切る絶望を覚えることとなる。
ゆっくりとドアを開けて部屋に入って来たのは、小脇に段ボールを抱えた晶だった。膝から下を赤と緑黄色に濡らして傷一つない手には血が。ひっ、と喉を鳴らして後退りする汚れた千鶴を見て破顔する。そして、ゆっくりと近づいて来て一言。
「間に合ったぁ、もう大丈夫だよ」
さっき迄とは打って変わって軟化した態度に、嫌な感じを感じとる千鶴。晶が段ボールから取り出した物を見て、驚愕隠せない。
「れ、煉炭。何でそんな物を?」
「そんなの決まってるだろう。僕と一緒に死んでくれるだろう。僕の事が好きなら」
そう言いながら嫌がる千鶴をベッドの上にあげ、煉炭の用意を始める。その様子に千鶴は混乱しながらも意思疎通を図る。
「どうして今更私に優しくするの」
「......」
「どうして一緒に死のうなんて言うの」
「......」
「何でそんなに汚れてるの」
「......」
「晶の彼女を殺したのは私なんでしょ。どうして私を許したの」
「......」
「何で反応してくれないの!酷いよぉ」
俯いてしまった千鶴を見て困り果てた晶は仕方なく答える。
「だから彩葉を落としたのは桔梗だったじゃないか。だから君じゃなかったんでしょ。ほんとごめん。あやまっても許されないと思ったから、だから、一緒に死のう。彩葉や桔梗だって待ってるから」
桔梗を殺したと言った晶の言動に驚き言葉を失う。煉炭に火が灯される。それを見て晶は弱々しい手で千鶴を包み込み耳元で囁く。
「一緒に死んでくれてありがとう」
その言葉は千鶴の心を大きく揺さぶる。一緒に死ねればどれだけ楽になれるだろうか。そんな事を考えながらも、死への畏怖だけは捨てきれ無かった。
後に大きな別れ道となったこの瞬間。
死を渇望し、享受しようとした男と死を畏怖し、拒もうとした女の矛盾は、煉炭の煙に撒かれて夢幻の如く闇へと消えていった。
皆さんの評価次第で拡大リメイクを執筆するかが決まってきます!
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