幼馴染は問いたい3
昨日は投稿出来ずにすみません......
今日は二、三本挙げたいっすね〜
桔梗家の前にて
玄関先のチャイムを鳴らそうと千鶴の手が伸びる。その手は緊張で震え、地面に写った影を揺らす。
「おーい、桔梗いるか?邪魔するぞ」
と言ってズケズケと桔梗の家に入り込んで行く誠。すると、玄関の扉が重い音を出しながら開いて桔梗が出てきて言った。
「それは無作法ですよ誠さん。待たせてすみません。ではどうぞお入りください」
手招きされるままに桔梗の家に入って行く誠と千鶴。何処か緊張感を孕んだ空気が生み出され、場を支配して行く。敵地へ乗り込んだ千鶴は額に汗を滲ませる。
異様に暗い室内はじめっとしており、今にも何かが出てきそうだった。まるでお化け屋敷の様だ、と千鶴は思った。
桔梗が千鶴へ尋ねる。
「今日は晶君に会いにきたんですよね、私の」
何処かが致命的に間違っている様な事を言う桔梗に、千鶴は動揺を隠しきれなかった。
「ど、どうしてそう思うんです?」
さっきまでの威勢は何処へやら、借りてきた猫の様に大人しくなった千鶴を見た桔梗がはにかみ続ける。
「貴女がここに来る理由がそれくらいしか思いつかなかったので。まぁ、一度くらい会わせてあげますよ、彼に。私も悪鬼羅刹の類いでは無いので。彼は2階の奥の部屋に居ます。どうぞいってらっしゃい。」
そう言って二階へ上がる階段へ手を向ける。二階へ上がるだけなのに先の見えない階段は、地獄へ転げ落ちるための下り階段に思えた。
覚悟を決めた千鶴は唾を飲み込み二階への階段を登って行く、一段一段を踏みしめる様に。その様子を見ていた誠がやっとの事で口を開く。
「桔梗、あれで良いのか?このままだと『良いんですよ、これで。』
誠の言葉を遮る様に桔梗は怪しげな笑みを浮かべながら言う。
「これでようやく私の願いは叶う。貴方はもう良いわ」
妖艶な笑顔は誠を竦ませるには十分であったが、誠は歯を食いしばり、とある提案をした。
「俺は事に顛末をこの目で見る為に来たんだ。だからせめて、千鶴が帰って来るまではいていいか?その間の事は何も無かった事にするから」
桔梗は口角を少し吊り上げる。そして惚けながら言う。
「何の事だか分からないけど、良いわ。邪魔だけはしないでね」
と釘を刺して、千鶴の後を追う様に二階へ上がっていった。後ろ姿を眺めていた誠が1人呟く。
「ようやく、ここまで来た」と。
今日中にもう二、三本あげますよ!
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