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完全なる妄想と趣味で出来ているので小難しい設定などは脳内で捕捉してください!笑
誤字脱字あればご指摘頂けると幸いです…
目の前には可愛らしい顔の男の子。
そして何故か周りには中世の騎士の様な格好の人たちが6名。
その後ろには如何にも魔法使いといった容貌の人が1人。
その更に奥にこれまた如何にも中世の貴族のような服装の偉そうな人が2名。
偉そうな人が前に出てきて嬉しそうに話しかけて来たが、何を言っているのか全くと言っていいほどわからない。
ここ、どこ?
なんでこんな事に?
私は何故ここにいるのか全く分からず唖然と目の前の光景を眺める事しかできない。
隣に同じように座り込んでいた男の子は彼らの言葉が分かるようで、怯えながらも流暢な言葉で会話し始めた。
私の方をみて困った様に話しかけられたが、何を言っているかわからない。
男の子は私と同じ日本人に見えるがその子にすら私の言葉は通じなかった。
私はパニックになり過ぎて頭が真っ白になりそして何と、失神した。
自分でも失神する何て思わなかったが、固い大理石の様な床に頭を打ちつける前に誰かが私を受け止めてくれたのはわかった。
アイスブルーの瞳を目視したのを最後に私の意識はブラックアウトしたのであった。
さて、まず何故この様な事態になったのか一から説明しよう。
私は今日、最近ハマった腐ったゲームの推しの薄い本を買ってとても上機嫌に帰路についていた。
それはもう、スキップ一歩手前くらいで。
そうして歩いていると迎えから、物凄く可愛い顔の男の子が歩いてくるのが見えた。
そう、物凄く可愛いのだ。
女の子に間違えてしまうくらい中性的な男の子で、私は見惚れてしまった。
男の子が急にハッとした顔で当たりを見回したので、私の嫌らしい目つきに気付いてしまったのかと思い弁明しようと一歩近づいた所でそれは起きた。
男の子が光出したのだ!
いや、私の目が腐ってるから光って見えるとかではなく本当に物理的に光出した。
ここは人通りが少なく、今ここには私とこの男の子しかいない。
大丈夫!?と声をかけようとした矢先に男の子は何と地面に呑み込まれていく。
これはヤバいと思ってその子の手を咄嗟に掴んだが引っ張られる力の方が強かった様で、私共々仲良く地面の中に吸い込まれていった。
2人のいなくなった地面には私の薄い本と私が放ったどんな液状化現象〜!?という声にならない声の余韻だけが残された。
こうして冒頭に戻る訳である。
失神した私はベッドに寝かされた様で背に伝わる柔らかな感触からそれを理解した。
静かに目を開けるとそこは自分の部屋、な訳はなく見知らぬ天井が広がっている。
ゆっくりと体を起こして当たりを見回すが、どこを見ても高そうなヴィクトリアン調の家具が並んでいた。
ここは何処なの…?
不安になりベッドから静かに降り立った私は窓の外を覗いてみた。
そこにはこれまた見事な庭園が広がっており、映画やテレビでしか見た事のないザ・お城の様だった。
もう夕方になっていた様で、窓からは西日が柔らかに私を照らしている。
おいおいおい、そろそろ帰らないと本当にまずい。
今日は友人と夜から大事な約束があるのだ。
せめて連絡だけでも出来ないかと思案するが、そもそもここが何処なのかすら分かっていないのが現状である。
誘拐の線も考えたが、こんないい部屋に寝かされた上見張りすらもいない。
もしかしたらガチガチに施錠されているのかもしれないけど、手荒な事はされていないのでひとまず大丈夫だろう。
そこまで考えてふとこんな場所日本にあっただろうかと考える。
いや、ない。
あったとしても私の地元には絶対にない。
窓から見える景色だけでも広大な敷地上にこの建物があるのが窺える。
ありえない。
あー、まずい。
これは本当にまずい奴だ。
先程の男の子は大丈夫だろうか?
彼は言葉が通じている様だったので、私よりは現状確認が出来ているはず。
まずは彼に会いたい。
あの子も困惑している様だったので、関係者だとは考えずらいし何より私がかなり不安だった。
ベッドの端で呆然と考えているとドアが静かに開く音がした。
ハッと振り向くといわゆるメイド服の女性と騎士のような男性がビックリした様子でこちらを見ていた。
「@/&/###!?$€€€$°1°!!」
メイド姿の女性が騎士姿の男性に向かって何かを告げると騎士姿の男性は慌てた様子で部屋を出ていってしまった。
その後メイド姿の女性は私に向かって頭を下げて何かを告げたのだが何を言っているのかわからない。
「ごめんなさい、あの、何をおっしゃているのかわかりません…ドゥーユーアンダースターン???!!!」
私もテンパって英語を織り交ぜて伝えてみたが、困った顔をするばかりで全くもって伝わらない。
そもそも英語すら怪しい私では英語でも会話はできない。
どちらにせよ絶望的だ。
彼女は私の服を指さすと彼女の手に持っていたドレスを前にだした。
これに着替えろと言う事…だろうか…?
ひとまず言う事を聞くことにした私は彼女のドレスを受け取ろうとしたが、彼女は驚いたようにドレスを引っ込めて私の服を脱がそうとする。
う、動くなって事かな?
もし私が誘拐されたとするならば、おかしな行動をさせない為に彼女が着させるのかもしれない。
そう思い、緊張の面持ちでバンザイすると彼女は器用に私のヨレヨレのTシャツワンピを脱がし用意した服を着せた。
着せられた服は私に似合うのか分からないくらい可愛らしいデザインのドレスで黒色なのだけが救いだ。
ふんわりとした裾にはキラキラとした石が散りばめられているのだが、これは宝石という奴なのでは…?
もし誘拐犯が選んだのだとすれば絶対にイカれている。
そんな事を考えている間にも彼女は私を鏡台の前に座らせ、髪を整えている。
鏡に映る私はいつもの私なのだけれど日本人特有の黒髪は綺麗に編み上げられ、うっすらと化粧を施してくれた。
こんなに綺麗にされて私は何処へ連れて行かれるのか。
もしや、誘拐犯にあれやこれやされてしまうの??
まともに彼氏すら出来た事がない私だが、薄い本のおかげで知識だけは人一倍豊富だ。
嫌な想像ばかりが頭に浮かんでは消える。
そんな私の引き攣った顔をみて彼女は何か思ったのか、私の手を持って励ましてくれている様だった。
そんな憐れみの目で見られるくらい酷い目にあうの…?
ねえ、私どうなるの!?
主人公は頭良さそうに見せかけてバカです。
読んでいただきありがとうございます(:з」 ㄴ)




