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第3話 採寸 ~私が思うイケメン~

『10:58着の電車で向かいます。』

 片山さ・・・亮さんにメールをし、乗車した。

 片山さん、と呼んでいたら「下の名前で呼んで下さい。」と押し切られてしまった。


 始めは訝しんでいたが、良く考えたらモテモテで女子に困ってなさそうな風貌の亮さんは、わざわざ私みたいなぽっちゃり系には手を出さないだろう。女子アナ風の女の子が隣に並ぶ画がすごい浮かぶ。


 ジャケット作成はほんとの話だし、採寸も昼間にしてもらったから、怪しい雰囲気になる事もないだろう・・・きっと。


 まぁ、大人ですし?、相手がいないので、もしそういう雰囲気になっても困らない様身嗜みはしてきたが。自意識過剰と思われるかもしれないが、それはお互い様だ。

 危なそうなら入り口をキープしてダッシュで逃げる!


 そんな心づもりで待ち合わせの駅、改札に出たらもう亮さんが待っていた。

 (お~、イケメンはちゃんと時間守るんだな~)


 そう、待ち合わせの時間を守る人はイケメン。顔じゃなくて中身が。私の亮さんに対する株が少し上がった。


 何年も付き合いのある友人同士なら多少の時間の変更はともかく、付き合いが浅い場合、時間厳守が出来ない人を私は信用しない。


 それが向こうから誘ってきた初デートなら猶更。「仕事が終わらなくて・・・10分遅れます!ごめんなさい。」なんて連絡をもらっても10分で来た人はほとんどいない。むしろ倍くらい後にやってくる。

 そもそも今日デートする事わかってんだから前もって仕事終わる様にしとけよ!そんな計画も立てられない様なルーズな人間なの?それともまじで仕事が出来ない人なの?

 仕事もプライベートも時間の考え方ってそんな変わらないと思うんだけどな。大事な取引先に遅れて行ったりしないでしょ。


 と思うので、遅れてきた人と楽しくデートなんて出来ない。大事にされそうにもないので初デートで終わらせる事がほとんど。と、少々鬱屈しているので、最近は無理に彼氏を作ろうとしていない。



 しかし・・・昼間に見る彼はやっぱり爽やかだなー

「こんにちは!お迎えありがとうございます。」

「え?いや、当たり前ですよ。それよりわざわざスミマセン。遠かったですよね?」


 そう、私の家から亮さんの家は遠い。

 亮さん山手線の恵比寿駅、私湘南。1時間ちょっとはかかる。

 都内に住んでいると思われていて最寄り駅を伝えたら驚かれた。そして採寸を亮さん()にした事を謝られた。思ったより悪い人ではないのかもしれない。


「大丈夫です、職場も都内なので。」

「職場はどこですか?」

「原宿です。」

「ああ、恵比寿からは2コ隣ですね、そしたら仕事終わりに会えますね。」

「え?」

 ちょっと身構えた。

「デザインの話とか生地の話とかしますよね?」

「あ~!」


 うわー恥ずかしい!!飲みの誘いかと思った!

 思ったより意識しちゃってたのかな~、『なんだこの女』とか思われたらハズ!


「忘れてたの?結構天然だね」

 そんなクスクスせんでも。

「天然じゃないです。」

「天然はそう言うよね。」

「もー!良いです、何でも!早く行きましょうよ。」

「はいはい、こっちです。」

 ご機嫌ですね・・・・・



 *************************

 え・・・・ココ?

 駅から10分もしない内に着いたマンションは低層階ではあるものの、オートロック付きでホールもあって、なんだか豪華に見える。

 山手線徒歩圏内ってだけでもすごいのに、これは・・・



 3階の亮さんの自宅にお邪魔したら思ったより広くはなかった。これなら私の家の方が広いかもしれない。まぁ、都内じゃないし、築年数も古いから。わざわざ張り合う必要はないもないので言うつもりもない。


 40㎡弱の1LDKかな?きれいに整頓されていてグレーを基調とした落ち着いたお部屋だ。

「なんか、家具とかインテリアおしゃれ~」

「ありがとう。」

 イケメンスマイルが眩しいが、タメ口決定ですか?私のは独り言ですけど。


「何か飲む?」

「じゃぁお茶かお水を」

「水?」

「お水飲みません?」

「飲むけど・・・じゃぁ紅茶用意するから少しだけ座って待ってて。」


 テーブルを促され、着席し、少し見渡す。人ん()のインテリアって気になるよね!


「何かテーブルとか照明とか高そう・・・」

 思わず零れた言葉に目線を向けずに亮さんが答えた内容は意外だった。

「中古で買ってたりするからそうでもないよ。元は高いけどね。」

「へ~堅実。」

「通勤にあまり時間かけたくなくて物件選んでるから家賃は仕方ないにしても、内装にお金をかける必要ないからね。」

「ちょっと意外です。」

「え?」


「いや、スーツをオーダーする様な人だし、山手線の駅からすぐ着いたし建物立派だしどこの御曹司かと思ったけど、締める所は締めてるから。」

「御曹司はもっと良い部屋住んでるでしょ。」


「御曹司知らないからわかりません。」

「むしろ御曹司と比べられたくないから知らなくてありがたいよ。」

 亮さんは苦笑いした。


 だがしかし、仕事は何してる人なんだ?

 まぁ、プライベートは詮索しない様にしよ。興味持たれてると思われたくないし。私の仕事はジャケットを作る事!


亮さんは商社マンです~

あと副収入アリ

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