表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/19

第19話 これからも

 うん・・・何か身動き取れない・・・

 うう・・・・

 はっ!!


(デジャブ!!)


 床で寝たい派の私の布団はシングル。来客用の布団はベッドにもなるソファを使用していた。

 当然それを昨日説明し、リビングのソファベッドを使っていたはずの彼が今また目の前にいる。


 スンっ・・・とした表情をし、拳を胸へと思いっきり打ち付ける。


「ゴフっ!」

 強制的に起こす。


「げ、げふっ・・・」

「おい。」


「あ、あらしずかさんおはよう。」

 焦って引きつり笑いしてる。


「おはようじゃないよ!シングルだからダメって言ったじゃん!」

「いや、まぁそうなんだけど、ベッドなら諦めてたんだけど、布団から落ちても最悪床だから良いかな~って。」


「床で寝たら体痛くなるでしょう?」

「心配してくれたんだ?大丈夫潜り込んだの明け方だから。」

 ん、まぁ心配したのは確かだが指摘されるとちょっと照れる。


 放っておいて、顔を洗いに洗面台の大きな鏡を見てもっと照れるハメになった。


 昨夜「優しくするから」と言ってしてきたキスは唇だけで済まなかった。


 耳や首筋まで唇の感触が伝わってきて、鎖骨の辺りでいっぱいいっぱいになって止めた。

 心臓の鼓動が伝わってしまうかと思った。


 すごく残念そうで、文句を言ってきたのに首筋辺りに視線を落とし急に満足して止めてくれたのを昨日は不思議にも思わなかったが、きっちり跡が着いていた。


(そういう事か・・・)

 洗面台に手をついて項垂れる。



 見た目爽やかなのに、肉食・・・

 でも付き合ってないんですけど!世の中ってみんなこんななの?!

 今まで付き合った人でもこんな肉食な人いなかった気がするのに!

 一人心で叫んだ。


 と、とりあえず、支度をしてしまおう。


 そして、昨日から少し考えていた事を提案する。




「海の見えるカフェの朝食?」


「うん、朝食二人作れる分の食材ないから。せっかくだし行ってみない?私も一人だったら絶対海の見えるカフェで朝食とかしないから。」

 20分も歩かない距離に海がある。その海沿いに雑誌に良く載っているカフェがある。

「おしゃれだね~。うん行こう。」

 彼も私の提案に乗ってくれた。



 着替えとメイクをし、家を出ようとすると首が隠れている服を着ている私に残念そうな視線を送ってきた。首の詰まったロンTとカウチンニットだから跡は見える隙もない。

 私はそれに気づかないフリをして車へ乗り込む。



 車ではあっという間に着いてしまうが、長くいすぎるとドキドキしすぎてしまうのでちょうど良かった。


 3連休の最終日だがこの3日間すごく濃かった・・・

 半年くらいのイベントを凝縮した気がする。


 色々やったが、肝心な事を聞いていないし、伝えていない。

 ジャケットはとうに納品済だし、これで最後とも思えないが、私は亮さんへ気持ちを伝えようとカフェへ向かう車の中で決心した。



 ********************


「おいしかったな~。また来たい。」

 そう言うと食後のドリンクとして運ばれてきたコーヒーへ彼が手を伸ばす。


「食事するならテーブルの方が良いけど、ドリンクでゆったりするならこっちのソファの方が良いね。」

 そう、今朝は寒すぎず気持ち良い陽気だったのでテーブル席の店内ではなく、ソファ席のテラスで食事をしていた。



「亮さん。」

「ん~?」

 マグカップに口を付け私ではなく海の方を見ながら返事をした。


 深く呼吸をして少しだけドキドキを落ち着かせた。


「私亮さんが好きです。」

「げふっ!!」

 器官に入ってしまった様だ。苦しそう。そんな驚かなくても。


「え?え?本当に?」

 すごく驚いてこちらを見ている。


「嘘付く必要なんかないです。」

「・・・」


「亮さんといるとドキドキしすぎて心臓に悪い時もあるんだけど、気付いたら優しい笑顔が頭から離れなくて・・・私は体型がこれだし・・・亮さんのタイプではないと思うけど、彼女にしてくれますか?」


 どうしよう。すごく不安になってきた。

 彼は前かがみになって頭を抱えてしまっている。

「何勘違いしてんだ。」とか思われてないよね・・・?


 そう思ったら右手が伸びてきて、私の膝の上で硬く握られている左手に添えられた。


「タイプじゃないなんて・・・・・しずかはほんと俺を振り回すよね。実はジャケットを届けに来てくれた日告白しようとして色々用意してたんだ。ごちそうをね。そしたらそれどころじゃなくなっただろう?こっちはめちゃめちゃ我慢してるのに煽ってきたりしてさ。弱っている相手に告白なんかして負い目で返事されたくなくて、もう長期戦の覚悟してたんだよ。そしたらまさか先に言われるなんて・・・」

 握られた手が熱い。


 ぱっと彼を見ると顔が真っ赤だ。

 ボボボっと瞬間自分も赤くなったのがわかった。


「好きだよ。色々先にしちゃったのもあるけど、付き合って下さい。」

「はい・・・」

 ああ、破顔とはこの事なんだろうな。亮さんのこんな表情初めてみた。

 私は彼の表情で泣きそうになった所を何とか堪えた。




 食事を終えて席を立つ時耳元で囁かれた。

「次は添い寝じゃ済まないから。」

 しばらくはこの人にドキドキさせられっぱなしなんだろうな、と思った。






 Fin




しずか視点での物語が終わりました!!最後まで読んで下さってありがとうございました!

初めての小説で、書く前は、「小説なんて難しいの書けないよ。」なんて思ってましたが、書いてみればめちゃめちゃ筆が進みました。 (ワードですけど)

書いてて楽しかったです(*´▽`*)


番外編や後日談を、と思ったのですが、エピソードをいっぱい思いついてしまったので別タイトルにて公開予定です( *´艸`)

二人の今後のお話しですね。甘々になる予感・・・!


その前に!亮さん視点での物語を公開しますので良かったらそちらもご覧になって下さい。

こちらから→ https://ncode.syosetu.com/n7206gi/

(明日20時からの公開です)


しずか編お付き合いありがとうございました!!


二人のその後のお話し始めました。↓

https://ncode.syosetu.com/n9522gj/


※追記

最後まで読んで頂いた方、ぜひ評価をして頂けると嬉しいです(*´▽`*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ