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第18話 お泊り

「あれ・・・?もしかして(うち)より広くないか?」

 自宅へ上がった亮さんが言った。


「どうだろ。廊下の分広いかもね。」

 間取りは亮さんと同じ1LDKだが、無駄に廊下がある為敷地面積は私の家の方が広いかもしれない。


「へ~・・・・・意外。きれいにしてるのは意外じゃなかったけど、カーテンとかピンクかと思った。」

 リビングを見渡しそう呟く。

 ピンクのイメージって良く言われるのよね、そう言えば。


「テーマはおしゃれイケメンの部屋だから。」

 カーテンはサックスブルーだし、ライトやTVボード等の家具はブルックリンスタイルで良く使われる様な木目とブラックを基調とした、恰好良いタイプの物だ。マクラメのパーテーションやその他小物も含めると全体的に見れば西海岸風だとは思うけど。


「うん、イケメン住んでそうだわ。」

「でしょ~?」

 インテリア褒められてる?よね。嬉しいな。


「あ、でもかわいらしい物発見。テディベアか。」

「あそれね、」

 そう言ってテディベアの背中のマジックテープをベリベリして中身を取り出す。


「え、ホラー?」

「これ繰り返し温められるホッカイロなの。これレンチンしてお腹に戻して、今日みたいな時とか抱えてテレビ見たりするんだよ。」

「その図は何だかかわいいわ。」

 ふふっ、と彼は笑った。



 ソファに座ってくつろいでもらう様促したが、切り花の手入れをしたりお湯の準備をしている間もずっと見られている気がする・・・・


「ずっと見られると落ち着かないんですが・・・」

「ん~?ちゃんと生活してて、良いな、って思って。」

 当たり前では??


 スタバで購入した豆で淹れたコーヒーを渡した。

 詳しい事はわからないが、ドリップ?三角のペーパーフィルターに挽いた豆を入れてお湯と落としていく本格的なタイプだ。


「おいしい・・・ありがとう。」

「ううん、こちらこそ昨日からお世話になりっぱなしで。色々助けてくれてありがとう。」

「家まで上げてくれたんだから、お世話のし甲斐があったかな。」

 何かニマニマしてる・・・



「しかし、ここ居心地良い部屋だな~ 俺も泊まってっちゃおうかな?」

「・・・・・いいよ。」

「えっ!!!?」

 いたずらっぽい顔をしていたのに、急に真面目な顔になった。


「良いの?!」

「その代わりほんとに何も出来ないよ。まだ生理中だし、お布団も亮さん()と違ってシングルだから一緒になんて寝られないからね。」

「あああ・・・そうだった・・・」

 項垂れていてかわいそうだが、そこまでは容認していない。


 襲われる可能性もなくはないが、生理中の女性に何かしてこようなんて人ではないだろう。

 ほんとはちょっとだけ・・・残念だけど・・・

 はっ!残念って!残念って?!



 ********************


「私は具合悪いので夕飯を作りたくありません!」

 と言っても嫌がられなかった。

「全然構わないよ。そしたらどうしようか。食べ行く?出前?コンビニ近くにあったよね?」

 良かった。具合悪い人に家事やらせる人じゃなくて。


「もう外出たくないから出前にしよ。」

 基本自炊だから自宅に出前が来るのは新鮮だ。


「何食べようか?」

 スマホで出前の料理をお互い調べ始めた。

 あ、これ良さそう。ソファに座っていた亮さんの隣に行って画面を見せる。

「これは~?」

 こうしてると何だか一緒に住んでるみたいで楽しい♪




「お風呂先入って~。」

 出前を食べ終え少し経ったのでお風呂の案内をした。

「あー着替え、なんてないよね?」


 ふむ・・・・あれならある。ちょっと待ってと隣室から大き目のTシャツを取り出し渡した。


「半袖だけど、暖房入れるから。」

「ありが・・・・ねぇ、これサイン入ってるけど良いの?」

 イベントでゲットしたラグビー選手のサイン入りTシャツだ。


「男物それしかない。あ、サイン入ってるけどちゃんと新品だよ。イベントでもらったの。油性で書いてもらってるから気にしないで。」

「うん・・・これしかない事に逆に安心した。」

 安心?




「シャンプーとか3種類くらいあるから好きなの使って。タオルここ置いておくね。」

「そんなあるのか。」

「うん、用途によって使い分けてる。」

「そっか、色々やってるから髪きれいなんだね。」

 !!急に褒められた。

「あ、ありがと。」




 亮さんと入れ替わりでお風呂に入った。


 リビングに戻ると彼はスマホで時間を潰している様子だ。

「良かった、テレビ見てなくて。」

「なんで?」

 ブオーーーーーーーー!!

 ソファに座って髪を乾かすのが私のスタイルだ。ドライヤーもリビングに置きっぱなしにしている。

 亮さんを見ると一瞬びっくりしてたが、すぐになるほどと納得した表情をした。


「それさっき貸してくれたやつより良さげなドライヤーだね。」

 亮さんには前使っていたドライヤーを貸していた。それも良いドライヤーだが、

「うん~これ私専用。温度調節が20℃毎に出来るの。お高いので誰にも貸しません!」

「なんだそれ。」

 お互いほほ笑み合った。あれ、何か今幸せかも。


 髪を乾かし、梳かす為、すぐ隣の寝室にブラシを取り行ったりで亮さんの目の前をウロウロしていたら、

「良い匂いがする。」

 と言われた。良い匂いするって言われるのすごく嬉しいな。


「シャンプーとかボディオイルのにおいだと思うよ。でも、」

 亮さんの近くへ座り肩の辺りのにおいを嗅ぐ。


「亮さんも同じにおいだね。」

 うふふ。ちょっと嬉しいな。


「全く、このコは・・・」

「ん?」

 あら?呆れられた?何故?


「キスしたい。」

「ぴゃっ!!」


 そ、そんな展開だった?今。


「りょ、亮さんキス激しそうだから嫌。」

「どんなイメージなんだよ。優しくするから・・・」


 真剣な表情で見つめられたら拒めない。

 私の返事を待たず彼の唇は私へと触れてきた。


デレ始めたしずかさん

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