第13話 気付き
ブクマありがとうございます!!ヾ(*´∀`*)ノ
本っ当~に嬉しいです!♡
「あの、しずかさん?」
「はい?」
「怒ってるよね?」
「怒ってません。」
最初はお互い黙って歩いていたが、沈黙に負けたのは亮さんの方だった。
オートロックの解除のついでの様に話をし出したが、私が怒る必要なんてないのだ。
何とも言えない気分なので早く終わらせたい。
家に上がるなり、「仮縫いの調整始めましょう。」と言った。
仮縫いはシーチング、と呼ばれる黄色味の強い白い織物で行われる。
オーダーメイドの場合だとこの素材の後、本番の素材を使った仮縫いがもう一度行われるはずだが、今回はこの後はもう本番の素材で縫い始める予定だ。
「サイズは良さそうですね・・・襟の形は?どうです?」
「特に直して欲しい所は無さそうだな・・・すごいね。個人だからどうなんだろうって依頼時は思ってたけど、ちゃんと出来てる。」
「それはまだ仮縫い段階なので、その感想はまだ早いですよ。でもありがとうございます。」
仕事を褒められたみたいで、少し嬉しくなった。若干口元がほころんでいたかもしれない。
仮縫いのジャケットを脱がせてスーツカバーにしまおうとしていたら亮さんが弁明を始めた。
「あの、さっき駅での事、また迷惑かけてごめんなさい。」
「はい、周りの人達の興味深々な視線が恥ずかしかったです。」
「ほんとにごめん・・・・」
「もう良いですよ。ただ、さっきの彼女だけに説教するのはフェアじゃないんで亮さんにも言いますけど、自分に好意を寄せてる女性と簡単に関係作るべきじゃないですよ。あ、もちろん及川さんとお付き合いを考えた上での行いでしたら説教しませんが。」
「いや、彼女とはそういうつもりは・・・」
「ですよね?見ててわかりました。先ほどの方は私の説教に反論する事なく理解してくれたみたいですけど、普通はああなりません。逆上したり、どうやら仕事のつながりのある方みたいでしたから、もしかしたら何か亮さんに不利になる様な事をされたかもしれません。」
「はい・・・・」
「何より!!彼女を傷つけています!」
「う・・・・」
ちゃんと理解した様だ。ばつが悪そうな顔をしている。
亮さんに背を向けたまま、片付けを進める。
「男性って、本命がいても平気で他の人と関係持ちますよね。私がいるのに・・・!」
「え?!!」
「は?!!」
何言った、私?
自分で何を口走った?
いつの間にか私の隣に来ていた亮さんと見つめあってしまって動けない。
顔がだんだん熱くなってきた気がする・・・!
「じゃ、じゃぁ、仮縫い終わりって事で!また!!」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!
足早に玄関へ向かおうとしたが腕を掴まれて引き寄せられた。
背中から腕が回され、肩を覆った。亮さんの頭が肩に乗っている。
「は~・・・・・」
「あ、あの・・・」
「ずっと不安だったんだ。さっきのは嫉妬だよね?少し期待しても良いのかな。」
ちょっ・・・耳元で言わないで・・・!
先ほどの自分の自意識過剰な発言や今のこの状況に感情の処理が追い付かない。
「帰りたい・・・」
「え・・・・?」
「帰して・・・・」
何故か涙が溢れそうになっている。
どうして?
顔をわずかに亮さんの方へ向ければ、ぎょっとして焦った彼は袖口で涙をぬぐおうとしてくれている。
「ごめん、困らすつもりでは・・・」
「送って行くから、待ってて!」
そう言って、彼は一度リビングへ戻って行った。
やっと胸キュン場面が出てきた(;´∀`)




