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快適か自由か

作者: 行世長旅

鳥籠の中は安全だった。

外敵から教われることもないし、エサだって定期的に与えられる。

ここは楽園のような場所だった。


ただ、1つだけ不満があった。

それは、空を自由に飛べないことだ。 

自由に羽ばたくことも出来ない小さな鳥籠の中では、せっかくの羽も宝の持ち腐れだった。


ご主人様には感謝しているし、生活は快適そのものだ。

だけど僕は、以前のように大空を羽ばたきたかった。

自然の中で飛び回っていたあの頃が、とても恋しい。


そんなことを考えていると、不意にチャンスが訪れました。

ご主人様が籠の開閉口を開け放したまま居なくなったのです。

鳥は必死に思い悩みます。


ここから出られる。僕は空を飛べる。だけど安全な暮らしを捨てることになる。ここに戻ってこれる保証も無い。


悩んでいる間にもご主人様が戻ってきてしまうかもしれない。

その焦りも思考に加わります。


そして鳥は、籠から出ることを決意しました。


出口から身体を出して羽を広げ、飛び立つイメージを思い起こします。


ありがとう。だけど僕は、やっぱり鳥でいたい。


感謝の言葉を残して鳥は飛び立っていきました。


久しぶりの大空を羽ばたき、鳥は自身が鳥であると再確認します。

飼い慣らされた快適な暮らしよりも、自分らしく自由に生きることを望みました。

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