侵略はじめました。
「ぐぬぬ、ここのステージは終わらすつもりであったがもう着いてしまったか...」
僕はスマホをポケットに押し込み満員電車から死に物狂いで降車した。
「ランキングのボーダーが気になるが、まぁこの順位なら多少放置しても大丈夫だろう」
まぁこの数時間後、大方の予想通りランキング報酬をとれずに死ぬんですがね。だから常に(ボーダーは生き物だ。着地点を決めた奴から喰われていくんだ。)を胸に刻んでおけと...
まったく、地球人の言葉は偉大だなあ。
僕の生まれは地球から遠く離れたところにある星。簡単に言えば宇宙人。
まあどこの星の出身かはまだ明かせない。だって人間はすぐ星の名前からなんちゃら星人って呼ぶからね。
しかし僕の星は生命の繁栄に文明が追い付かなくなっていき新たな星への移住を余儀なくされた。そこで星の有識者たちが日夜会議をおこないある1つの答えにたどり着いた。
【歴代の宇宙人を見習って我々も地球を侵略しよう!】
地球人は非力だし、自然もあるし、資源だってまだあるし!宇宙人の先輩たちは幾度となく地球を侵略しようとしてたし!!
という訳でまずは地球の調査を兼ねて僕ら数人の星の精鋭たちは送り込まれたのであった。
キーンコーンカーンコーン
駅を出て数分、学校の門をくぐると同時にチャイムが鳴った。
「僕は誰に長々と語ってたのだろう」
隙あらば自分語りというのは本当怖いなあ。そんな事を思いながら足早に教室に入ると
「あー進藤くん。チャイム鳴ってましたよ。遅刻とは関心しませんねぇ。」
透き通るような声が僕の鼓膜をくすぐった。しかし、すかさず、
「遅刻者を優しく注意する。くぅーー弓村ちゃんは本当に女神のようなお人だなぁ」
こっちは耳障りの声が僕の鼓膜に響いた。ったく僕の耳にノイズキャンセラーが付いてれば...
透き通る声で話しかけてきたのは弓村涼華さん。
おしとやかに低姿勢。頭も良く黒髪ロングという前世でどれだけ得を積めばこんな高スペックになるのやら。
「なーなーアスカー。今日の宿題やってるかー??ちょーーとだけ見せてほしいんだけど。ほんとちょっとだけ!さきっちょだけだから!!」
朝から気持ち悪い発言してるのは甲斐斗真。
ぴーちくぱーちくうるさい奴。以下略。
この二人とは色々あり教室では良く話す仲となっていた。
もちろん僕の正体は知らないけどね。
「甲斐くん。宿題は私が見せてあげますから、朝からそのような発言は...」
「あーーごめんごめん。弓村ちゃん!どうもアスカと話してると下の方にいってしまうんだよな!」
おいやめろよ。弓村さんに変な印象持たれるだろうが。
そんなやり取りをしてるうちに担任が教室に入ってきたので僕も自分の席へと座った。
さてさて今日も僕の学校生活が始まる。
それと同時に
「さぁ今日も侵略の作戦を練ろうかね」
一番後ろの席で碇ゲン◯ウスタイルで不気味に笑う僕に誰も気づくことはなかった...
「...なんかまた進藤くん笑ってるよ」
「オタクってやっぱり急に笑うんだね」
ヒソヒソとクラスの女子に言われてるとは知らずに。
この時点で若干迷走気味です。