表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第3話 魔法と森の王

更新しました!次の更新がいつになるか自分でも分からないな(遠い目)

木生活・3日目


暖かな日差しが青葉に降り注ぐ快晴の朝。

不幸なことにも木に転生してしまって多分3日目の今日この頃。

俺が現在何をしているかと言うと


―― 爽快なまでに弾けていた。


無論、精神的な方ではなくスキルの過使用による副作用で幹や枝などの体が物理的な意味で弾けている。

予め言っておくが決して自傷で快感を得るとかの趣味などではない。


え、じゃ何故こんなことをしてるかって? 百聞は一見にしかず、説明の前に俺のステータスを見せるとしよう。 



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


名前:


種族:インテリジェンス・ヤングツリー


レベル:1 / 5


HP:4/15

MP:23/20(魔力過剰・小)


筋力:1

防力:4

魔力:3

抗力:1

速力;0

巧力:2


《スキル》


『植物連鎖』 『吸収Lv3』 『光合成Lv3』『魔力視覚Lv4』『魔力操作Lv2』

『再生Lv2』

《称号》


〖転生者〗 〖知性ある若木〗


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



―― まあ、見ての通りスキルレベル上げ兼、自己鍛錬だ。


詳しくどうやってるのかと言うとまず『光合成』、『吸収』の順で使用し『植物連鎖』で『吸収』が強化され例の如く自壊、後は『吸収』単体でHPを回復と『魔力視覚』で過剰に溜まったMPを消費して振り出しに戻り、って作業を繰り返した。


その甲斐あって『光合成』、『吸収』はレベル3に『魔力視覚』はレベル4になり、『植物連鎖』を利用した『吸収』の異常な回復が原因なのか『再生』が、『魔力視覚』使いまくってた時に何となく自分を中心に俯瞰したら体内に魔素と思われるものを感じ取り意識を向けると動かせそうなので動かすと『魔力操作』を習得した。


因みにスキル習得や上昇時にはシステムメッセージみたいな物が視界の端っこに表れるみたいだ。


〈『再生Lv2』が『再生Lv3』に上昇しました。〉


こんな風に。


能力値が増えたのは単純に俺の体が成長したからだろうと思う。

その証拠に昨日まではなかった目新しい若葉が生えて心なしか幹も少し伸びた気がする。

最初は幾ら何でも成長が早過ぎて勘違いかと思ったが、多分〖知性ある若木〗と『植物連鎖』の上昇効果のお陰だろうと当たりを付けて一応納得した。

これなら平均的な大きさの木になるまでそれほど時間は掛からないだろう。


スキルレベルは3までは結構簡単に上がるがそれ以降はぱっと速度が落ちたので次のレベルに上がるまではそれなりの時間を要すると思われる。

『魔力視覚』が4なのはこの方法を思い付いた時から寝る(気絶)時以外は絶え間なく使い続けているからだろう。

魔力過剰は自壊では漏れず少しは持つみたいなので、その有り余ったMPを消費しようとした結果だ。


……逆に言えばそこまでしないと一日で1から4まで上げられないって事でもあるが。


もし俺が人間だったらこんなペースでスキルレベル上げ無理だったろうな、こればかりをなる訳にも行かなっただろうし人間の体も再生しまくれる構造じゃない……この世界の人間を見てないから絶対ではないが……じゃないと今までの苦労が報われないのでそうあって欲しい。


……しっかし暇だな。これも始めた頃には面白かったがそろそろ飽きてきた~他に何かないかな~……。


―― 俺の願い叶ったのか目まぐるしい『魔力視覚』の内に遂に初の生物を発見出来た。




♢  ♦  ♢




俺を基点にして北方向、第一村人ならぬ第一狼を見つけて数時間そこに十数匹の群れが集まっていた。

『魔力視覚』の範囲ぎりぎりに住処であるらしくそれで今まで見つけられなかったようだ。

さっきから様子を窺っているが狩ってきた獲物を平らげた後、交代制で見張り番をしている。


しっかしでかいな……俺が知ってる狼より一回りくらいはデカイ。特にボスっぽいのは更にデカイ上に凶悪なまでに長く太く伸びた大牙、しかもよく見ると牙の内側に返しの様な突起が並んでいる。


あれ、絶対にモンスターの類だよなあの牙とかに噛まれた逃げるのは無理そうだないやそもそも動けないんだった。


なんで寄りにも寄ってこんな魔物の巣近くに植えられちまったんだろうか……。でもこんな実もない若木に興味だろうし当分はそこまで心配しなくいいと思う……けど、やっぱりなんか対策いるよな……。

あいつらが何となしに通りすがった際に踏まれてぽっきり、なーんてこともあるかもだし。対策つっても俺は木だ。自力で動くことも出来ない……とすれば残った手段は一つ、魔法だ。MPってのがあるし多分魔力の素っぽいのも実際に感じ取れるからあるべきだと見ていいだろ。


後は使い方なんだが……うん、分からん。

だった魔法なんて使ったことないんだもの……聞ける人もないし、てか居ても俺喋れない……。

むむむ、どうすれば………。


…………………………………


だーッ!! 考えても分からんなら『魔力操作』で手当たり次第で集めるなり放つなりして試す。


もう自棄クソとばかりに兎に角体内に感じる魔力と思しきものを集めて前方に放つように操作する!

……が、なんも起こらなかった、要はするに失敗だ。

いや、一瞬だけ放った箇所がより鮮明に見えるようになったが今必要なのは視力ではなく攻撃力、どの道失敗である。

まあ、失敗は予想の内というか今の魔力じゃどう足掻いても碌な結果にならないと分かってたので重要なのは最初の失敗からの究明やら検証等の方だ。


第一に何故視界が突如として鮮明になったのか?、言うまでもなく放った魔力の素……魔素の影響だろ。

ってことは想定してた通り『魔力操作』で魔力を放つのは可能だということ。 

が、これでは魔法として認められない。よってスキル習得もない。若しくはこれが魔法でも練度が足りないからスキルにならない、ということなのだろう。


だったらどうすれば魔法って認識なんだろ?

ベタに詠唱とか?もしこれなら詰むな。

それ以外だとさっき言ったように練度不足、それとも出力不足って所かな。


それなら――


『光合成』、『吸収』の順で連続使用。『植物連鎖』で『吸収』を強化、MPを魔力過剰限界まで集める。

その後は『魔力操作』で時間を掛けてゆっくりと全魔力を練っていく。

そして集中し、イメージを明確なものとする。

『魔力操作』でこれを怠ると一気に制御が乱れるのでここが一番神経を使う。

……前のは自棄になってがむしゃらにだったので結構乱れてた。何気にこれが失敗の主な原因なのでは、と思われる。


なので今度はより明確に、強く、そして確実にイメージを固め――放つ。


すると視界に薄緑色の塊(多分魔力)が放たれ全方の草を押しのけてながら1メートル辺で霧散した。



〈『無属性魔法Lv1』を習得しました。〉


お、おお! 成功だ!!

習得だけでも数日は試行錯誤を覚悟してたが意外とあっさりだったな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

> 無属性魔法


全ての魔法の基礎となる魔法。

様々なことが可能だが消費MPが増大する。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


説明もあっさりしてるな……。


それにしても魔法の基礎、か……そりゃそうかめちゃショボい魔力弾ぽいのを撃っただけだもんな……。

やっとスタートラインってことだな……習得は運良く簡単に出来たがこれから大変そうだ。

だって今度も説明が雑なんだよ! なにさ様々なことって俺が知りたいのは様々の内容だっての!

MPもそんなに無いってのに消費量が増えるって……何時になったら実戦レベルになるんだこれ。

少なくともさっきのショボい威力じゃ虫も殺せない。


更に遠のいた気がする道筋に途方に暮れていると凶悪な大牙生やした狼、仮称ボス狼がこっちへ悠々と歩いてきていた。


って、ヤバイヤバイッ!、今あんなのに攻撃されたらひとたまりもない!!

どうすればいい、マジでどうすれば……ええい、仕方ないこうなりゃ一か八かありったけ魔力弾をぶつけてやる!


俺が必死に練った魔力弾はボス狼の鼻っ面に命中し――くしゃみを起こした。

ちっとも効いてない……当たり前だけど、付け焼刃の魔法じゃこんなもんだとは思ってけど……ぐぐぅ。

もう打つ手なし、ならやることは一つ! 全力で……祈る!


何もありせんように、何もありせんように……っとこの間まで怒りをぶつけた神に祈っているとボス狼が俺の前でピッタリと止まった。


え、本当に祈りが通じた……んな訳ないよな、どういうつもりコイツ……。

俺の周辺は特に何もない、強いて言えば他の木と少し離れた空き地になっていて日差しがいいくらいだ。


そのまま注意深くボス狼を観察しているといきなり俺に体の側面を向けたかと思うと片足立ちなり……ってこのワンコロ! ちょ、それマジでやめろ、いやご勘弁、ぎゃああああ――!?










(暫く川のイメージ映像でも流してください。……いえ、滝ですかね?)















………………………何にがあったか? それは話せん、が兎に角もう一つの目標が出来た。


――あのワンコロ、いつか絶対にしばく!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ