ある少年達の日常
「…おぉっ、やってるやってる」
カツンカツンと木剣を打ち合う若者達の姿を見つけ少年は嬉しそうな声を上げる。
そこでは、村の青年団が、武術というより護身術に近い武器の扱いを学んで居るところだ。
開けた場所で行われるから、ダラダラと歩いてくる少年の姿は向こうからもよく見える。
少女と打ち合いをしていた金髪の少年が、その手を止めて少年の行く手に立ちふさがる。
「なんだ。今さら来ても終わりだぞ」
「いいよ。グランちょっとだけ相手してくれない?」
「さん付けしろよ。年下だろ」
不機嫌を隠そうせず、一々エルクにつっかかってくる少年を間に挟んで、奥にいた一際体格のいい青年に話しかける。
「お前遅れて来てんだからもめるなよ。アレックスの言う通り、時間ないんだからハシッコいくぞ」
「邪魔したかな?」
「構いやしないが、いろいろあるからな」
クイッと顎をしゃくり察しろと語りかけてくる。
「ちょっと、待ってくださいグランさん」
「じゃあ、オレがアレックスもらってくわ」
「えぇっ!?ハングスさん僕は今それどころじゃなくて」
グランと打たせ合い。もう一度一度言うが、手合わせではなく、打たせ合いをしてた固太りの青年が、アレックスを広場の反対側に引っ張っていく。
「おい、アレックスいる時にきてっけど大丈夫か?」
「相手してないし大丈夫だよ。てかグラン重たい」
アレックス達が離れた所で、グランが肩にのし掛かりながら話しかけてきた。
「あっちは、目の敵にしてるみてぇだぞ」
「オレ、何回かしか会った事ないんだけど、なんで毛嫌いされてんだろな?」
「そりゃ女だろ」
グランの言葉に、アレックスの方に振り返ると、ハングスに打ち込みをしながらギリッと奥歯を鳴らす勢いで睨んでいた。
その後ろには、三人の美少女が心配そうに見つめている。アレックスも彼女らも、村に越してきて数年たっているが、その頃からエルクは村で大事な役割が出来ていたし、彼らは新参者同士で集まり遊んでいたので少年期にあまり接点がなかったのだ。
それこそ、接点がないと言うのに、何故か向こうから酷く毛嫌いされている。
数少ない美少女を、三人確保していたリア充電型野郎と交わす言葉など持ち合わせていないのだが、意味のわからない敵愾心は気にくわない。
整った顔をしているが、熱心に訓練に通い詰める癇癪持h…いやさ、エルクは血気盛んなあの少年が嫌いなのである。
「エル嬢に避けらられてんのは、お前が有ること無いこと言いふらしてるのが原因なんだってよ」
「いやそれ無理だもんよ?」
髪の毛瞳何一つ変わらないご本人様である。
部外者以外は知ってる事だが、古くからある村には、余所者に対してこうした隠し事の一つや二つあるものだ。
ただ、村人ははぐらかしたりするのが下手なので、以外にすぐばれてしまうので、村の命運にかかわる事は、厳めしい老人会くらいしかしならいから漏れる事もない。
「本当に時間少ないから始めるか」
「それくらい、わかってるよ。ちょっと“遊んでもらいたいだけ”なんだし構わないでしょ」
「麦が育つのも大分先の話だしな」
広場には、三十人位の若者が集まっているのだが、自警団が気休め程度の集まりでしかないと知っていて、青年達の中にも暇潰しや適度な運動のつもりで参加している者も多い。
「なっ、お前遊びだなんていい加減な気持ちで!?」
「だから、なんでお前はエルクの近くにいきたがるんだ。だいたい、エルは居残り組だしその辺りはいいんだ」
「そうだな。最近見てなかったくらいだし息抜き程度になら相手してても誰も怒らねぇだろ」
ンハングスの言葉に、他の皆が同意するのを見て、ますますアレックスの顔色が変わるのを見て「アレックスはオレらと遊ぼうな」
と複数の青年に取り囲まれながら連れさられていった。
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