始まった物語
大分期間が空いてしまいました…。
UNK√OWN更新です。ゆっくりと読んでいってくださいね!
始まりは突然に訪れる
全ての出来事は本当に唐突なのだろう。
* * *
アル「こんな…もんか。」
毎朝の日課である素振りを終えて俺は休憩に入る。朝日がまだ眩しく周りの木々から漏れる日差しが何処か心地良さを与えてくれる。
花の匂いに擽られながら草原に腰を掛ける。
アル「(残り2日…まだまだやれることはある筈だ…。守護騎士の専門技術を会得出来てない事が心残りだけど自分を信じるしかない…か。)」
スーもまだまだ習得出来るテクニックはあったのだがなんせ俺を守るという考えから離れてくれないもので自主訓練を強要すると嫌がってまともな戦い方も覚えていないだろう。
種族も不明な為、その族に沿った技能も覚えさせたいのだが謎な点では何もすることが出来ないのだが。
アル「まだまだやることはある…よし。」
重い腰を起こして立ち上がる。
必ず俺は試験に合格する。
いや、しないと駄目なんだ。
この数年間の憎悪と苦痛…そして汗と血に塗れた修練が無駄になる、そんなことはあってはならない。絶対に…
アル「……アルティマ……この復讐心に燃えた焔は消えない……」
* * *
夜も更け辺りが闇に落ちた頃。
外へ出て今の生計を立てているアルタナ狩りを始めようとした時だった。
アル「…ん?」
自宅周辺に違和感。直感的に感じるのだ、そこに何かがあると。
元々家は大通りに接する住宅の1つなのだがやはり何かがおかしい。アルタナの気配のそれを感じるのだ。
地球から移住してきた人類には子孫を残し続けることでこの惑星特有の生物であるアルタナの生息波を感受するという特性が異常遺伝子変異で突然に付与された。
それは第六感とも言える変異の表れで使い勝手は様々だが…明らかに伝わってくるのは1つの生けるアルタナの波長。
アル「クソ…今何時だと思ってるんだよ…こんか街中で暴れられたら…」
俺は付近を全速力で探し始める。
そして数分経過した時に漸く気付く。
今、この街中で無数のアルタナ波長が出ているのだ。異変に気付いた時にはもう遅かった。思考すると同時に爆音が轟く。
かなり離れている筈だが鼓膜が振動されるこの感覚…間違いなく上位アルタナ。
アル「おいおい…マジかよ…ここ主都なんだぞ…」
計画的な犯行と呼ばざるを得ないアルタナの行動。指揮官を叩けば何とかなるかもしれないのだが上位アルタナが出現したとなれば話は別だ。
あっという間だろう。平穏が壊され街はすぐさま業火に飲まれる。
だが俺の中では悲壮何てものは無かった。
この中に親を…恩師を殺した奴がいるかもしれない。
生きるには殺すしかない
殺すしか ない。
思考に煽られ身体が本能で動き始めた頃にはもう遅い。憎悪と復讐で脳が支配されて俺は街中を駆ける。下に向かって走っていく住民に対して横切る様は哀れと言わざるを得ないがこの本能は正しかった。
街中がアルタナに襲撃されているのに壁の外側にアルタナがいないわけがないのにパニックで思考も感覚も鈍ったのか哀れ住民は逃げていく。
そんな考えも置き去りにして走る自分。
アルティマがいるかもしれないという不確定要素に頼った本能はなんとも言えなかった。
そして火に包まれた戦争が始まったのだった。
終わりは突然に訪れる。
如何だったでしょうか?今回の本編は終焉の導入ということでかなり短めとなっております。
次回はすぐに更新出来ると思うので期待せずに待ってて下さいw