伍長閣下目線、9章5話
この世界の地球は本当の地球ではございません。並行世界上の別の地球です
「じゃぁ、行くぞ」
アドレフが並行世界タイムマシンの操作パネルをいじりながら聞く。
私はというと、固定された椅子に座り込み安全場にしがみついていた。
「タイムセット!」
『タイムをセットしました、第13並行世界にタイムスリップします。指定時刻現在、場所、オーストリア・ウィーン郊外、搭乗者2名、強制期間モード始動、帰還指定場所、フェルトワン第1』
合成音声が聞こえたと同時に画面にカウントダウンが表示される。
30秒?
それが表示したのを確認したアドレフが自分の座席に急ぎ足で戻り、安全バーを下げ私と同じようにしがみついていた。
17秒…。
「おい、口はしっかりと閉じておけよ。舌組むからな…」
「マジか…」
「マジだ」
10秒…9…8…7…6…5…4…3…2…1…0…。
カウントダウンが遂に零になり、次の瞬間体が浮く感覚がしたような感じがした瞬間、上空から落下する感覚に襲われた。
機体は揺れに揺れまくれ目を開けていられるのが奇跡だった。
「ウゴゴゴゴ」
振動によりどうしてもそのような声を出してしまう。
うっ…やばい、気持ち悪い…
『逆噴射を開始します、3…2…1…』
「うお!」
衝撃が和らいだと思ったら、とてつもないGが体にかかる。
Gといっても、黒くててらてら光っていて、暗くて狭くて湿ったところが好きなわりに嫌われている生き物ではないが…
窓の外をかすかに見てみたら、そこには見知れた光景が広がっていた…が…
「何かが違う?」
その答えはすぐに分かった。
ここは、確かにオーストリアのウィーンだ、だがちらりと見えた国旗が今までのものと違う。
赤と…白と緑?
「気が付いたか?」
「どういう事だ?オーストリアの国旗って赤白赤の横線型じゃないのか?!」
「…私が避難する数年前だ。私はここで過ごしていたのだが、ある日、新国家が独立した。前も行ったことがあるだろう。ヴェレツィン連合公国…」
「なっ!」
何故驚いたかは知らないが、なんとなく驚いてみた。
「他国はこの国をほぼ放置していたのだがな…ヴェレツィン連合公国は周辺の国家を占領、併合した。さすがにこのことはまずいと、国際社会から非難の声が上がったが、そんなことを気にせず遂にヨーロッパすべてを占領、自国領にしてしまったのだよ」
「ヨーロッパ全土って、フランスやソビエト、北欧をもか?!」
「ソビエト…?あぁ、ロシアの事か…。そうだ、イギリスもな…」
私の顔は今驚愕と絶句の両方が出ているだろう。
実際そうだったが、核兵器を所有していた英仏露独までもが飲み込まれたというのか?!
「そして、今度はアフリカ諸国や、アジアの極東まで手を出し始めた。私が最後に知っている状態だと、アフリカ諸国はアメリカの支援もあってなんとか全国家無事だが、アジアはロシア・シベリア、中東、中央アジアまでは占領、自治領となっている」
「な!!」
もう、何も言うまい。
絶句しながら私はそう心に誓った。
久しぶりに過去の作品を見てたけど、獣人がいたこと忘れてたわ…




