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第2羽 スポーツ万能呪文でしゅら(シナリオ)

■ 法太の部屋


法太「デシュラ、何だよあのラブレターは! 僕は宿題を頼んだんだ!

 先生へのラブレターなんか頼んでないぞ。おかげで大恥かいちゃったよ」

デシュラ「ごめんでしゅら。宿題の呪文は『メアオ レアイ ダクシーユ』

 だったのでしゅ。それを間違えてラブレターの呪文『メアオ レアイ ダクシーイ』

 を唱えてしまったのでしゅら」

法太「ダクシーユにダクシーイか……。まぎらわしいな」

デシュラ「そこが魔法の呪文の難しいとこなのでしゅら」

法太「じゃあ、今日こそは、ちゃんと宿題やる魔法かけてくれよな」

デシュラ「分かったでしゅ。けど……」

法太「分かってるよ、次からはちゃんと自分でやる。でもまだ、デシュラにかけてもらう

 はずだった宿題の魔法をかけてもらってないだろ。今度はできあがりもちゃんとチェッ

 クするからな」

デシュラ「前回も、ちゃんとチェックしとけば良かったのでしゅら」

法太「ぶつぶつ言ってないで、さっさとやる」

デシュラ「分かってるでしゅ! メアオ……」


 デシュラの動きが止まる。


法太「……」


 デシュラ、呪文事典を出して、呪文を確認し始める。


法太「デシュラおまえひょっとして……」

デシュラ「ギク」

法太「呪文忘れたんじゃないの?」

デシュラ「ギクギク」

法太「もしかして図星か? さっきまで言えてたのにもう忘れたの?

 デシュラ、おまえひょっとして、おバカさん?」

デシュラ「し、し、し、失礼な。ちょっとド忘れしただけでしゅら」

法太「言い訳が前回と同じだよ」

デシュラ「ちょっと待ってるでしゅ……えーと、あった」


 デシュラ、呪文事典をパタンと綴じ、法太の机上の宿題セットに向けてステッキを振る。


デシュラ「メアオ レアイ ダクシーユ!」


 ステッキから光が出て、法太の机上に魔法がかかる。

 鉛筆が自動的に動き出し、ノートに宿題をやり始めた。


法太「(覗き込んで)うんうん、よしよし。今度はちゃんとやっているようだな」

デシュラ「どんなもんでしゅら」

法太「いばる前に、ちゃんと呪文勉強しろよ」

デシュラ「魔法で宿題をやらせるお兄ちゃんに言われたくないでしゅら」

法太「ところでデシュラ、実は頼みがある」

デシュラ「なんでしゅら? 恩返しになることなら、何でもするのでしゅら」

法太「今度、学校で球技大会があるんだ」

デシュラ「きゅーぎたいかい?」

法太「あ……、球技大会分からないか……。

 まあ、要するにさ、僕の運動神経がよくなる魔法をかけてほしいんだけど」

デシュラ「おやすいご用なのら、ちょっと待ってて」


 デシュラ、ぱらぱらと呪文事典をめくる。


法太「例によって呪文覚えてないんだな」

デシュラ「てへへへ……」

法太「お、一応言い訳はしないか」

デシュラ「返す言葉も無いでしゅら」

法太「よしよし、まあ素直なのはいい心がけだ」

デシュラ「ええーと、あ、あった。ふむふむ、よし、覚えたでしゅら」

法太「よし、早速魔法をかけてくれ」

デシュラ「それはだめでしゅら」

法太「何でだよ」

デシュラ「この魔法の効力はそんなに長く続かないでしゅら。せいぜい一時間。だから、

 お兄ちゃんが運動神経をよくする必要がある直前にかけないといけないでしゅら」

法太「じゃあ、どうすんだよ」

デシュラ「わらしが、明日、お兄ちゃんの学校に行くでしゅら」

法太「僕の中学に……。球技大会は家族の参観OKだから、まあ、いいか……」


■ 翌日。法太の通う中学校


 体育館でバスケットボールの試合が行われている。


審判の教師「よし次! 二年生、C組対D組の試合だ。両チーム 入って!」


 入場する選手達の中に、法太。法太、ちらりと上を見る。

 体育館の二階席から応援する参観者の中にデシュラ(この時だけ普通の服装)がいた。


法太「デシュラ、頼むぞ……」


デシュラ「(小声でステッキを振る)クーオイ グーダ」


 ステッキから光が飛んで、法太に魔法がかかる。

 ジャンプボールで、バスケットボールの試合開始。


生徒A「馬飼!」


 生徒Aが、法太にボールをパスする。

 だが、法太は、ボールを受け取ろうとした姿勢のまま、動かない。

 ボールは、法太の横を通り抜けてラインの外へ。

 法太は、あいかわらず、ボールを取ろうとした姿勢のまま。

 C組の生徒達が法太の周りに集まってくる。


生徒A「おい、馬飼どうしたんだよ」

生徒B「何の冗談だ?」

生徒C「何とか言えよ、おい」


 生徒Cが法太を押す。法太は、ボールを取ろうとした姿勢のまま床に倒れる。


生徒A「お、おい、馬飼」

生徒B「一体どうしたんだ?」

生徒C「先生、馬飼が!?」


 上から見ていたデシュラ。


デシュラ「あちゃ~~、どうやら呪文を間違えたでしゅら。あれは、

 動きを遅くする魔法でしゅた。呪文事典は家に置いてきちゃったし……、

 え~~と、何だっけな……。取りあえず、クーオイ ジューバ!」


 デシュラ、再び法太に魔法を放つ。光を浴びた法太、立ち上がる。


生徒A「わ、ま、馬飼!!」

生徒B「だ、大丈夫なのか?」

法太「わ、悪い、悪い。ちょっとうっかりしてて……」

生徒C「うっかりって……、おまえ硬直してたぞ。病気か何かなんじゃないの?」

法太「い、いや、大丈夫だって。さ、がんばっていこうぜ」

生徒達「お、おう……」

法太「(心の声)まったくデシュラのやつ、また呪文間違えたな……。

 体の動きがものすごく遅くなって焦ったぜ。今度は大丈夫なんだろうな」


 法太、ちらりとデシュラを見上げる。苦笑しているデシュラ。試合再開。


生徒B「馬飼!」


 Bから法太にボールがパス。

 ボールを受け取った法太、ものすごい勢いでドリブルしながら敵ゴールへつっこむ。

 ディエンスのD組の生徒たちも蹴散らす。


見ている生徒達「うわ!」

見ている生徒達「馬飼のやつすげえ!」

法太「わ、わ、わ、止まらない~~!!」


 法太、ドリブルしながらそのまま体育館の壁に激突する。

 再び法太の周りに集まる生徒ABC。


生徒A「お、おまえ、マジで今日ヘンだぞ」

生徒B「メンバーチェンジするか?」

法太「(目の周りにクマつくって鼻血出しながら)い、いやあ、すまん。

 今度こそ、本当に大丈夫だから」

デシュラ「あちゃ~~、また間違えちゃったでしゅら。今度は動きを速くする魔法

 だったでしゅ。運動を上手にする魔法は、えーと、えーと、クーオイ ズーナ!」


 デシュラ、みたび、法太に魔法をかける。


法太「(デシュラを睨みつけながら心の声)今度こそ、本当に大丈夫なんだろうな」

デシュラ「(心の声)ごめん、お兄ちゃん、今度こそ大丈夫でしゅ……、多分だけど」


 試合再開。


生徒C「馬飼!」


 Cから、法太にボールがパスされる。法太、ボールをドリブルしながら敵ゴールへ。

 敵のディフェンスを見るや、ドリブルの進行方向を急角度で変更し、キュッと停止。

 そこからスリーポイントシュート。ボールは見事、ゴールにイン。大歓声。


見ている生徒達「すげえ!」

見ている生徒達「あんな遠くから決めたぞ」

見ている生徒達「馬飼って、あんなに運動できたっけ?」


N「その後の試合でも法太は、デシュラの魔法のおかげで大活躍。

 見事、C組は、バスケットボールで優勝できたのであった」


 法太の周りに集まる生徒達。


生徒A「すげえぞ馬飼」

生徒B「おまえが、こんなにバスケが得意とは意外だった」

生徒C「おまえ、バスケ部に入ったらどうだ? きっとスカウトされるぞ」

法太「いやいやいやいや、それほどでも……」


 生徒達に取り囲まれている法太。デシュラがやってくる。


デシュラ「おにい……」


声「馬飼君」

法太「あ、春日さん」

春日弥生「大活躍だったね。かっこよかったよーー」

法太「い、いや~~、それほどでも」


 デレデレの法太。デシュラ、それを遠目に見ている。


デシュラ「(ほっぺをふくらませて)む~~、お兄ちゃんたら。クーオイ グーダ」


 動きがスローになるデシュラの魔法で、法太はでれでれの表情のまま動かなくなる。


法太「(心の声)あ、あれ、体を思うように動かせない。も、もしやこれは……?」


春日弥生「ま、馬飼君、どうしたの?」

生徒達「やっぱり今日の馬飼、ヘンだよな」

法太「(でれでれした表情のまま心の声)デシュラのしわざだな、あいつめ~~」


デシュラ「女の子にもてたい下心から、運動得意になろうとしたから、おしおきでしゅら」

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