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とある世界の日常

はじめまして、お初にお目にかかりますユーリ・エクスヴァーニャと申します。


私の家はここヒナク帝国で小さいながらも、道具屋を営んでおります。

道具屋といっても皆さんのご想像するような、工作で使うような道具などを取り扱っているわけではございません。ここ、ヒナク帝国に滞在、または立ち寄った冒険者の方に役立つような、ポーションや投擲用の小物を取り扱っております。

そんな道具屋に住むエクスヴァーニャ家の娘である私の日常の一コマをご紹介したいと思います。


「よう、嬢ちゃん元気にしとるか?」


いつもこうやって気さくに話しかけてくださるのは、この小さな道具屋のお得意様であるエドガー・ガリアスさんです。

何でも彼はこの世界でトップレベルの冒険者で、彼を目指し冒険者になる方も多いそうです。


「はい、いつもありがとうございます。今日もハイポーションでよろしいでしょうか?」

「おう、ここのポーションは他に比べて安いし、よく効くからなあ。重宝させてもらってるぜ。ガハハハ!」

「お母さ~ん!ハイポーション10個注文入りました!」


そう。この道具屋で最大の売りが彼のいうハイポーションです。

私のお母さんが作るポーション類は他で売られているものより効果が大きいということで、一部の冒険者に知られています。

でも、一部でとどまってしまっているのは、効果が大きい反面、保存性が低く注文してから作るため、手に入れるのに時間がかかるところが、敬遠されているからかもしれません。

その待ち時間に私はここに訪れた冒険者の方の話を聞かせてもらっています。

今日は遥か北にある雪国のロイシャス王国周辺の雪原の主『アイスウルフ』を討伐した話を伺いました。


「アイスウルフはなあ、俊敏性が高くて、その爪や牙はかなり鋭い。どれだけ堅い奴でも、もし一撃でも食らったらひとたまりもねー奴だ。この俺でも一人でいけば、30秒もてばいいとこだ。だが、俺には仲間がいる。だからそんな強い奴でも勝てるんだ。嬢ちゃんも仲間ができたら、そのつながりを大切にしろよ!ガハハハ!!」


そんな風に語るエドガーさんの嬉しそうな姿についつい私も聞き入ってしまい、いつもお母さんを呆れさせてしまうのです。

そんな私も実は冒険者になるために、魔法を独学ながらも勉強しています。エドガーさんの様に強くなるのが今の夢なのです。


少し話がずれてしまいましたが、呆れた様子のお母さんが完成したハイポーションを手渡してお母さんと私がエドガーさんに一言ずつ言い、エドガーさんはそれに答えて「ガハハハ!」と豪快に笑いながら去って行きます。


その夜、昼に聞いた話を日記に書き留め、自分が活躍するのをイメージしながら魔法の練習をしてから眠る。そんな繰り返しが私の日常なのです。


またいつか、お話できる機会がありましたら、つまらない話ですが、ご清聴いただけたらなと思っています。


これからもどうか、道具屋『星の導き』をご贔屓にお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 私的には悪くないと思うのになぜ伸びないのか・・・疑問ですね もっと読みたいとくすぐられました。後はもうちょっと文量が欲しいって思いました。 そして私の勝手な思いで申し訳ありませんがお客様一人…
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