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トンチキ異世界の短編集

異世界でも偏頭痛が天気予報

偏頭痛持ちの私。

特に天気が崩れる前日はズッキンズッキンして体もダル重い。鎮痛剤と漢方は常に必需品。


その日も頭痛とダル重い身体を引きずるように帰宅し、薬を飲んでさっさと寝ようとしたら、絶妙にベッドの端に足を引っ掛けて転倒。




気づいた時には石畳の広場だった。



「召喚は成功した!」

「聖女様だ!」


「いや待って、誰が聖女よ…」


そう言おうとした瞬間、こめかみがズキンと痛む。あ、これ絶対雨来るやつじゃん。嫌だなぁ。


「もうすぐ雨降るよ…頭に響くからあまり騒がないで欲しいです…本当に」


と消え入るような声で言うと周囲は「神託だ!」「天候を予知された!」と大騒ぎ。

いやただの偏頭痛だし。騒ぐなって言ったじゃんまじでさあ。


数時間後、本当に土砂降り。

歓声。「奇跡だ!」


それからも私のズキズキに合わせて種まきや遠征の日程が決まり、私は「天気の聖女様」として祭り上げられた。


王までが「戦の日取りを占ってほしい」とか言ってくる。

いや、痛くなったら雨ってだけだから。鎮痛剤もないからツラいだけ。


「あまり過信しないで欲しいです。

絶対に晴れる日なんて私にはわからない。私はただ今から雨が降るってことがわかるだけです」


そう言うと、王は

「なるほど…正直なところがまた信頼できる。其方はまさに天候の聖女であるな」


玉座の横でこめかみを押さえながら、私は小声でつぶやいた。


「……私、天気予報かよ」


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