第7話「紙の戦士、はじめての任務依頼」
仲間がそろったレントたち4人。
ギルドの受付嬢から言われたのは、ひときわ目を引く一枚の依頼書だった。
「これは……新人チーム向けの【初任務認定クエスト】です。これをこなせば、正式な“パーティ”として認定され、今後の依頼幅も広がりますよ」
「へえ! つまり、今までの俺たちは“仮紙”チームってことか」
「“仮紙”じゃなくて“仮組”です。紙関係ないです」
「いや、うちは紙チームだから……」
「“紙チーム”って名前じゃないからね!?」
依頼内容は「山道に巣食う牙熊の討伐」。
Eランクとはいえ、そこそこ強敵。だが、今の彼らなら――
「紙剣、紙盾、紙クナイ、紙バリケード……俺の出番多すぎるなこれ」
「紙のレシピがどんどんバカになっていく……」
「わ、わたし、紙で転んだんですけど……」
いざ現地へ向かうと、現れたのは予想以上に大きな熊型の魔物。
「グルルルルルァッ!!」
「ひ、ひいぃぃっ!? 無理かもぉぉ~っ!!」
「まずは紙バリケードッ!!」
レントのスキルで作った巨大な紙の壁が、突進を受け止める!
「紙で止まった!? マジで!?」
「すげぇ、紙、すげぇぇ!!」
その間にリーナが大剣で斬り込み、カイルが正面でタンク役に徹し、ミーナが後衛で全力ヒール。
「今だっ、紙クナイっ!!」
投げられたこより型の紙クナイが、硬化して牙熊の目に直撃!
「ウオォォオオオオオ!」
「ラスト一撃ぃぃぃ!! 紙ぃぃぃ斬ッッッ!!!」
バッサァァアッ!!(※紙製の剣です)
そして牙熊は、紙の力によって――討伐された。
その夜、焚き火を囲みながら一同は感慨にふける。
「やっと……ちゃんとしたパーティになれた気がするね」
「お、お役に立ててよかったですぅ~……」
「これからが本当の冒険って感じね。レント、あんた……やるじゃない」
「ふふふ……これが、紙革命の始まりよ!」
「うわー、言ったわね、恥ずかしいキャッチコピー言ったわね」
こうして、“紙パーティ”は正式に冒険者パーティとして認定された。
次なる目的地は——もっと広い世界!