第23話「ギルドマスターは豪快男! 封印地への第一歩」
「自己紹介がまだだったなッ! オレの名はバルド=グラント! このフィーレント王国冒険者ギルドの総本部で、ギルドマスターやってるッ!!」
自信満々のガハハ笑い。破壊された床の上で、女将さんが泣きながらハンマーの修理代を計算している。
「ご、ごうかいすぎる……!」
「ていうか何しに来たんですか、ギルドマスターさん……」
「見てたぞ、あの黒い紙。あれは間違いなく“封印魔術”に関係してる。お前ら、狙われてるぞッ!」
「え、今さら!?」
「だから言ったのに……国外とか危ないって……む、無理かも……!」
レントたちは、昨夜襲撃してきた魔物と、残された黒い紙について説明する。バルドは真剣な顔でうなずいた。
「その紙、“魔王教団”の仕業かもしれん」
「ま、魔王教団!?」
「かつて封印された魔王を信仰する、ちょっと頭のネジが外れた連中だ。今も西の“封印地”を拠点にして、何やら動いているって噂だ」
どうやら、封印地に向かうレントたちの情報が漏れ、教団にマークされているらしい。
「本来なら止めるところだが……オレは“お前らに賭けてみたくなった”」
バルドは笑いながら、分厚い封筒をテーブルに置く。
「これは封印地の地図と、調査隊の記録だ。ほとんどの連中が行方不明になってる。正直、お勧めはしないが――」
「行きます。俺、紙で頑張りますから!」
「うん、言葉の説得力がゼロ」
「行きます。私たち、みんなで!」
リーナ、カイル、ミーナも並んで立つ。ティナは黙ってうなずいた。
「よし! じゃあお前らに一つアドバイスだ。封印地には“紙が効かない敵”もいるかもしれん。工夫して、活路を見出せ!」
「えええっ!? 紙、万能じゃないの!?」
「そんなわけあるか!!」
そして翌朝――
「行こうぜ、みんな! 封印の謎を解き明かしに!」
黒い紙の脅威、教団の影、そして魔王復活の気配――
それら全てが集まる地へ、紙の勇者が今、歩を進める。




