第11話「紙の実力、証明される!」
村を守り、無事に魔物の襲撃を退けたレントたち。村人たちから感謝され、短い休息を取った後、再びギルドへと戻った。
「どうだった? こっちの仕事に慣れてきたか?」
ギルドマスター代理サリナが、無愛想に問いかける。
「うん、何とか魔物を倒せたよ。でも、あのシャドウベアにはかなり苦戦した。やっぱり紙の盾だけでは限界があるんじゃないかって」
「それが、冒険者というものだよ。どんな魔物が相手でも、無力のままでいるわけにはいかない」
「でも、紙のスキルは確かに役立ったよな! 俺、紙の力をもっと強くしたい!」
「それが一番大事なことだ。何事も実践を重ねてこそ、強くなる。次の依頼は……」
サリナは一枚の掲示板に貼られた依頼内容を指さす。
「次は、王都近くの山に住む巨人族の討伐だ。お前らのスキルがどれだけ通用するか、試してみる価値があるな」
「巨人族!?」
「いやいや、紙があんなデカい敵にどう立ち向かうのよ!」
「でも、いけると思う。紙なら大きな盾が作れるし、攻撃力だって……」
しばらくして、レントたちは依頼を受け、王都近くの山へ向かう。
山中に入り、霧の中を歩くと、不気味な音が響いてきた。地面が揺れ、森の木々が揺らぐ。近づいてくるその足音に、仲間たちの表情が引き締まる。
「こ、これは……!」
目の前に現れたのは、巨大な巨人族。身長は十メートルを超えるほどの大きさで、岩のような肌と、鉄のように硬い武器を持っている。
「まさか、あんなのを倒さなきゃならないなんて……」
「でも、諦めてたら何も変わらない。俺たち、行くぞ!」
レントはすぐに紙を広げ、硬化させて大盾を作り出す。
「紙、硬化! よし、これで防げる!」
「よし、攻撃しろ! 巨人は遅いから隙を突ける!」
戦闘が始まり、レントたちは協力して巨人族に立ち向かう。
最初は巨人の強力な攻撃に紙の盾が簡単に砕かれる。しかし、レントはすぐに次の盾を作り直し、何度でも立ち上がる。
「これで終わらせる! 紙の剣!」
大きな紙の剣を作り、巨人族に向かって突進する。
「うおおおお!!」
見事に一閃! 巨人族の足元を切り裂くことに成功する。
「やったぞ! 足を引きずってる!」
「よし、今がチャンスだ!」
リーナが大剣で巨人の膝を狙い、カイルが槍で攻撃を加える。ミーナは回復魔法で仲間たちを支え、最終的に巨人族を倒すことができた。
「やったぁ! 倒した! 本当に倒せた!」
「やっぱり、紙ってすごいんだな……!」
サリナが後ろで静かに見守っていたが、満足げに頷く。
「よくやった。あんな巨人を倒せるなんて、やはりお前たちの成長は目覚ましい。だが、まだまだだ。これからが本番だ」
「本番って……?」
「次は、さらに強力な魔物が待っている。お前たちの力で、この地を守れるか、試してみなさい」
レントは、仲間たちと顔を合わせる。
「もっと強くなる! もっと紙の力を高めるんだ!」
その言葉に、リーナ、カイル、ミーナも力強く頷いた。