第1話 結締姫乃の物語
あるところに、結締姫乃という少女がいた。
その少女は、特に目立つところのない普通の少女だ。
小学生である姫乃は、その日いつものように学校に通うが、校内にいたところ異世界に召喚されてしまう。
召喚された世界の名前はマギクス。
姫乃が生活していた世界とは違い、魔法の存在する世界だ。
マギクスは、滅びの危機に瀕していたため、その世界に住む人たちはみな、暗い顔をしながら生きている。
姫乃は、そんな世界で生きる人々のために、何かできる事はないか探す事にした。
異世界から召喚された姫乃は、マギクスの人たちに助けられる。
暗い世界であっても、姫乃に手を差し伸べる者達はいたからだ。
だから姫乃は、調合の知識や、魔法の力を習得し、彼らの力になろうと努力し続けた。
やがて、姫乃がお世話になってたいた地域にも、滅びの影響が出始めた。
姫乃は、その影響を受けた人々を元気づけたが、どうしても限界がある。
マギクスに住む人々の心は次第に病んでいった。
自分1人にできる事には限界があると悩んだ姫乃。
自分の力の足りなさに絶望する事もあった。
だが、そんな姫乃に奇跡が起きた。
それは、救世主としての力。
滅びに瀕したマギクスを救う、聖なる力が宿ったのだ。
聖なる力を手にした姫乃は、その力で多くの人を救っていく。
自分の体に鞭を打つことになろうとも、かまわずに。
やがて、たくさんの人々を救い、滅びの危機すらも消滅させた姫乃は、とうとう力を使い果たす。
姫乃は短い生涯を終えるが、それでも彼女には後悔などなかった。