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MD採用試験 【 Magic Developer Recruitment Exam】

マリアは、ドアを開けて渦の中へ消えていった。


第一章 迷宮名「死へのいざない」1階

    ~ “Invitation to Death” ~


「いきなり、すごい名前のダンジョンですね•••」

「まあ、大したことないけどね」


「まずは、自分で色々試してみて、銃の使い方だけ教えとこうか、闇なら闇の塊のイメージで、風なら風の刃のイメージを撃ち出す感じで、すべては、イメージだからね」

「イメージか•••」


マリアは、とりあえずネズミの魔物に向かって、銃を向けた。


「イメージ、イメージ•••」

セノンが、肩に優しく手を添えて、

「落ち着いて」

と優しくいった。


「シュッ、シュッ、シュッ」

「あ、当たった!」

マリアの弾はすべて命中していた。


「銃が、得意のようね」

「近接も練習してね!」

「はい!」


「シュパッ、スー、ズン」

「よし、やった」

「お見事!」


「これなら結構行けそうね!魔力の残量に注意してね!」

「スマホでチェックっと、まだ10回くらい戦えそうだ」

「楽しそうね•••」


セノンは、静かに見守っていた。


「セノンさん、おわりました」

「オッケー」

「じゃあ、実績の確認よ」

「はい!」


「えっと、ビッグマウスを10匹と宝箱2個ね中身は、回復ポーションね、お疲れ様」

「まずは、ランク1ー1からだね」

「そうね、頑張って、最低三章まで行かないと実際の任務には付けないからね」

「はい!」


初めてのランク戦は、終了した。


「ああ、楽しかった。魔法ってこんなに楽しいんだね」

「よかった。魔法を好きになってくれて、あと、表の世界では極力魔法は使わないように注意してね」

「まあ、バイクや車は分からないと思うけどね」

「あと、転移するときも周りに注意してね、まだ、魔法を蔑視べっししている人は多いからね」

「はい、ありがとうございます」


「あ、ちなみにスマホは、魔力で動いているから充電要らずよ、あと、車はもこの駐車場に停めれば魔力を充電できるようにしておくからね」

「はい」


マリアは、早速、転移で家に帰った。


次の日、

「マリア、おはよう」

「セノンさん、おはよう」

「早速、デザインもってきたよ」

「あら、見せて、うん、独特ね」

「えへ」

「丸、丸、丸って感じね•••」

「これで、作ってみるわ」

「セノンさん、お願いします」

「あ、色は?」

「ミントグリーンが好きです」

「オッケー」


セノンは、デザインを解読して、何とか形にしていった。

「こんな感じかな?」

セノンは、軽量で全体的に丸いイメージの可愛らしいボディにした。

「色は、ミントグリーンとホワイトのツートンカラーにしてみた」

「まあ、いい感じね」

「あとは、マクロを組んで設定していくだけね」


「マリア、できたわよ。今夜例の場所へきてもらえる?」

「分かりました」


「セノンさん、うわ、めちゃくちゃ可愛いですね。こんな車見たことない」

「結構いいでしょ?」

「はい!」

「運転してみたら?」

「いいんですか?」

「もちろんよ」


マリアは、運転の仕方を教えてもらって、運転してみると、


「すごい、スムーズで静かだし、内装も大好きな感じです。ありがとうございます」

「喜んでもらってよかったわ」


「あれから、ダンジョンへは行って見た?」

「はい、今は【1-30】です」

「おお、頑張ってるね」

「はい!」

「一人の時は、気をつけて、ダメだと思ったらすぐにリタイアしてね」

「分かりました」


セノンは、どうやってMDを募集するかに悩んでいた。

「ルミオ、どうやって、MD集めたらいいかな?」

「そうだね、ネットで募集するのは?もちろん、大々的にはできないから、なんかこう•••」

「暗号ね」

「そう、そんな感じのものを」

「ルミオ、ホームページとか作れたよね?」

「うん、大学で勉強してるからね」

「じゃあ、魔法に興味があって、秘密を守れて、正義感?は違うか•••悪を倒す気持ちを持っている人が応募できるようなホームページ考えて」

「ええ、ハードル高過ぎだね」

「ルミオならできるよ」

「うん、頑張ってみるよ」


ルミオは、大学と仕事の合間に、着々とホームページを作成していった。


まずは、魔法に興味があるか•••

イベントなんかどうかな?

次は、秘密を守れるか?

魔法体験イベントで、ストーリーに秘密を守らないと、ペナルティがあるようなもので、敵を倒すようなものはどうかな?途中で味方を助けるイベントで正義感を試すとか?


一般的には、魔法はタブー視されているが、遊びで魔法を使って見たいと思っている人は少なくない。

賞金も付ければ大人も来るだろう。

人助けを優先するか賞金を優先するかで人柄も分かる。


「よし、これで行こう!これなら、

探偵会社の面白イベントとしてやっても違和感がない」


「セノンどうかな?」

「ルミオ、最高!本当、カッコいいね、頭もいいし、好き!」

「カッコいいは、関係ないよ•••」


ルミオは、早速ホームページを作り上げるとアップロードした。


内容は、

君は、探偵だ。しかも魔法も使える。

ある日、依頼者の彼女が、拐われる事件が起こった。相手は、悪の組織の魔法使いだ。魔法を駆使して、無事彼女を救いだし依頼を達成できるか?

注意:ストーリーの途中で賞金獲得イベントが発生します。賞金を選ぶか救出を選ぶかはあなた次第です。


「普通に面白そうなイベントね」

「確かに•••」

「ルミオ、すごいね」

「お兄ちゃん、すごいね」

「そんなに、誉めらると逆にバカにされてるような•••」

「そんなワケないでしょ!」

セノンは、ルミオの胸を軽く叩いた。


セノンは、早速、舞台を整えた。

まず、参加者は、入り口で魔力量測定機に手をかざすように促す。

ここで、実際に魔力があるかも分かる。悪役は、ルミオ自らが演じてくれる。拐われた彼女は、マリアがやってくれる。ストーリーを進めていくと、途中で宝箱が現れて賞金をゲットするとミッションは失敗となり退場となる。


無事、彼女を助けられるとミッションクリアとなり、違う出口に案内される。そこで本来の主旨を説明して同意してもらえる方には、三種の神器をプレゼントする。


参加者は、30名ほどいたが、実際に最後のミッションをクリアしたものは、5名だけだった。


セノンが、すべての説明を終わると5名のうち2名は諸事情によりリタイアするとのことだった。


念のため守秘義務の書類にサインしてもらった。すると、ぼーとして帰っていった。


実は、サインをするとイベントのことはすべて忘れてしまう魔法がかけられていた。


「さあ、残りは3名ね。自己紹介してもらえるかしら?」

「俺は、ザイン、魔法を習得したいので残った」

「私は、ナミナよ、昔悪いやつに騙されたことがあるの、こらしめてやりたいわ」

「僕は、ウーノていうんだ。昔から魔法が好きでこんな機会がないか探してたんだ」


「ありがとう、ザインは、炎属性ね。ナミナは、光と土属性で、ウーノは、水属性ね」

「さっき説明した通り、【level】を上げる時は、バランスに注意してね」

「はい」


「このダンジョンって、本当に死ぬんですか?」

「ええ、死ぬは!だから、無理だけはしないで、ダメだと思ったらすぐにリタイアしてね」

「ういす」


ザインは、バイクをあとの二人は車を選んだ。

武器は、ザインが剣を、ナミナはスタッフで、ウーノは銃を選んだ。


「もう一人、先輩のマリアがいるから、ダンジョンへ行くなら3~4人で行くといいわね」

「はい」

「初めだけ、私が一緒に入るから、そのあとは自己責任でお願いします」


「セノンさん、給料は出るんですか?」

「給料は、もちろん出ます。ダンジョン内で入手したものも自分の物だし、売却もできるわ、すべてスマホで完結できるからチェックしておいてね」


「バックに入れたアイテムは、スマホのストレージにも表示されているからね」


「質問がなければ、早速、ダンジョンへ行ってみましょう」

「はい!」


セノンが、ドアを開けて渦に消えていくと、三人が続いて入っていった。


第一章 迷宮名「死へのいざない」1階

    ~ “Invitation to Death” ~


「ここかダンジョンか」

「まずは、ザインね、炎属性で剣を選んだの正解ね。体術や剣術はルミオに教えてもらいといいわ」


「ウーノは、銃ね。水属性の弾を発射すれば、広範囲に威力のある攻撃ができるは、逆に狙いを絞れば、一撃必殺の攻撃も可能よ」


「ナミナは、光と土だから、合成魔法を使用できるわ。光の弾丸を打ち出せるのだから、この「Feather S7」を使うといいわ。軽くて丈夫よ、アンデッドやゴースト系の魔物に効果的ね。通常は、回復と防御に徹するといいから、スタッフは正解ね」


みんなそれぞれ、しっかり考えているようだ。


「ああ、宝箱がお宝の場合なんだけど、パーティーの場合は、バッグのストレージとは別枠に収納されるから取り合う必要はないからね。独り占めもできないから。帰還後、分配は相談してね」


「さあ、一度戻りましょう」

「はい」


「あとは、自分達で時間を見つけてランクをあげていってね。とりあえず、三章を目指してね」

「分かりました」

「では、解散」


早速、連絡が入ってきた。どうも、ザインが、警察沙汰を起こしたようで、覚えたての魔法も使ったようだ。


表の顧問弁護士に行ってもらって、契約破棄の書類にサインしてもらった。

すると、ぼーとして何がなんだかわからない様子だった。


「やっぱり出たね!」

「うん、先に素行調査しておくべきだったか•••」

「今度から、参加者全員の身辺調査と素行調査を済ませてからイベントに呼ぶよ」

「ちょっと時間かかるけど、それがいいかもね」

「ふーーー」


次回 【Declaration of War】

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