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怪盗と探偵事務所【PSW Detective Agency】

PSW 魔法開発局編

【The Phantom Shadow & Witch】 


魔法、それは、大きく炎、水、風、土、光、闇に分類される。

この世界では、魔素と魔力によって魔法が発動されると信じられていた。


だが、この魔法の廃れた世界では、魔力を感じることさえ難しくなってしまった。


私は、セノン。


伝説の魔女、シオンの玄孫やしゃごで、今は怪盗ファントムウィッチとして、闇の組織と戦っている。


今の伝説の魔女シオンは、私のお母さんなんだけど私の師匠でもある。


表向きは、

「PSW Detective Agency」

という、探偵会社を経営している。

会長は、お母さんのシオンで、私と婚約者のルミオが、取締役を務めている。


他にも、何人かの幹部と一般社員が大勢いる。


大きなビルを借り上げた会社なのだが、それなりに経営は順調そうだ。


ただ、本来の仕事は、闇の組織をぶっ潰すことである。


以前、私のフィアンセのルミオの家族に手を出した。「ソーサリーエレメント」という組織があったんだけど、魔法を身につけた私が、一人で無双してやった。


その後、組織は壊滅したにも関わらず、別の二大組織が台頭してきて、結局、悪ははびこるばかり•••


私たちは、闇の組織を一掃すべく、魔法を身につけて手伝いをしてくれる人材を発掘する組織「魔法開発局」を設立した。


もちろん、裏の組織なので一般には知られていない。それを隠すための表の顔が、探偵会社なのだった。


「マリアちゃん、事務のお仕事は慣れたかしら?」

「ああ、セノンさん、もうなれました。ありがとうございます」

「いいえ、マリアちゃんに手伝ってもらって本当に助かるわ」

セノンが、嬉しそうに言った。


「セノンさん、魔法開発局の方はどうですか?」

マリアが、小声で聞くと、

「まだ、始まったばかりだから、これからね」

「そうなんだ•••」

「セノンさん、私も入局を希望出していいですか?」

「あら、興味があるの?」

「はい!」

「でも、お兄さんと家族にしっかり説明して、許可を得てからね」

「はい!」

マリアは、セノンに敬礼のようなポーズをとった。


「ルミオ、マリアちゃんが、入局したいって言ってたけど、大丈夫かな?」

「ああ、問題ないよ。両親も了解してるからね」

「結構、ドライな感じなのね」

相変わらず、イケメンだ。


私のフィアンセ、ルミオは、とにかくカッコいい。

今は、私と一緒に魔法を身につけて、怪盗ファントムシャドウとして、私と悪の殲滅に貢献してくれている。

でもって、イケメンだ。


「じゃあ、今夜マリアちゃんに会えるかな?」

「うん、伝えておくよ!」


私は、待ち合わせの時間0時に駐車場へ出向いた。


「ああ、セノンさん」

「マリアちゃん、お待たせ!」


「家族の許可も得られたようだから、改めて試験をするわね」

「はい!」


「試験と言っても、魔力を測定するだけだから、緊張しないで!」

「はい!」


「ルミオの妹さんだから、魔力は持っていると思うけど、属性も調べなくちゃね」

「はい!」


「じゃあ、この機械に手をかざして」

マリアは、機械に両手を置いた。


「さてと、」

これは、私が作った魔力測定機で、魔力を数値化できると共に、属性値も測定できる。


「マリアちゃんは、魔力【35,000】ね、そして属性値は、闇と風が高いみたい」

「【35,000】ってどのくらいなんですか?」

「何も習得してない状態では、多い方かな!」

「ちなみにセノンさんは?」

「私とお兄さんは、二人とも

 【8,000万】くらいだよ」

「は?ケタがおかしくないですか•••」

「まあ、そんな感じ」

「ええ•••」


「測って見せた方が、分かりやすいかも」

そう言って、セノンは測定機に両手を置いた。


セノンの魔力量は【8,500万】で、属性値は、全属性【level10】だった。


「通常は、この【level】の数値が全属性5で平均化されて、さらに主属性にはプラス5される。つまり全属性値の合計は35になるようになっているの、この35をどのように振り分けるかによって得意不得意の属性が決まるの」

「いや、いや、おかしいですよね。セノンさん合計値60ですけど?」

「ああ、私は全属性持ちでちょっと特殊なの」

「ああ、なるほど」

「例えば、マリアちゃんの場合、2属性持ちだから、闇と風は、努力次第で10までいける、後の20を4属性で最大値7までの間で振り分けることになる」


「つまりいくつ適正の属性があるかによって最大値が変化するんですね」

「そう言うこと」

「だから、40の場合、【10.10.7.7.3.3】でも、【7.7.7.7.6.6】なんかもできるよ、普通は、【10.10.5.5.5.5】かな」


「全体に振り分けると、器用貧乏に成りかねないから、注意してね」

「なるほど、よく考えます」

「ちなみにこの数値は、私が勝手に数値化しただけだから、実際はもっと曖昧な感じのものだけどね」

「分かりました。ありがとうございます」


「あと、2属性以上あると、合成魔法も使えるから、そういう意味でも主属性は、10まであげた方がいいよ」

「闇と風だと?」

「闇と風の合成魔法は、霧ね」

「霧ですか?」

「霧は、便利よ。目眩ましはもちろん、幻覚や幻影を出したり、自分の分身も作れる」

「なんか、忍者みたいですね」


「まさに、忍者向きの属性ね」

「分かりました」


「あと、MD(Magic Developer)には、ランク付けがあるの」

「さっきの【level】とは違うんですか?」

「あれは、潜在能力だけど、ランクは、実績が反映されるの」

「実績?」


「細かいことは、また説明するけど、私は、千年迷宮っていうダンジョンを管理しているの」

「ひえー、なんか凄そう」


「その迷宮をカスタマイズして、MDの訓練施設にしたのよ」

「なるほど」


「迷宮は、十章あって一章が100階の全部で1000階あるダンジョンなの」

「ええ、1000階?」

「本来の仕様では、1000階を死なずに踏破しないといけないんだけど、厳しすぎるので、どこでもリタイアできるようにしたの、その到達地点がランクになるの」

「ということは、例えば三章の20階なら、【3ー20】とかですか?」

「その通りよ」

「ただ、元々のダンジョンは、100階から始まるんだけど、ランクに、分かりやすいように、1階から始まるように改良してあるの」

「なるほど」


「マリアなら、三章くらいまではいけると思うけど、中でもし死んだら•••」

「死んだら?」

「ダンジョンの自浄作用で、きれいさっぱり存在が消えるは•••」

「だから、絶対に無理はしないで! 瀕死でも生きていればこちらで治療はできるからね」

「分かりました」

「リタイアしたいときは、「リタイア」と言うか、どこかを3回タップするだけでいいからね」

「はい!」


「さあ、ここからが本題よ」

「はい!」


「MDには、三種の神器が、配給されます」

「三種の神器ですか!」

「そうよ、まずはこのバイク」

「なんか、スカイバイクに似てますね」

「うん、魔力を燃料に走るバイクで、動力もないからすごく軽いの」

「あのー」

「バイクしかないですか?」

「うん?」

「私は、車の方がいいんですが?」

「なるほど、それもそうね、自分がバイクしか乗らないから、車は思い付かなかったわ」

「できるわよ、設計図かデザインをくれればね」

「ええ、セノンさんが作ってるんですか?」

「そうよ」

「何でもできちゃうんですね!」


「デザインは、あとで届けます」

「分かったわ」


「スマホを貸して」

「はい」

「このシールを貼ってあげるね」

セノンは、PSWをデザインしたカッコいいシールを裏面に貼り付けた。

「これは?」

「これで、決まった場所ならすぐに転移できるようになったわ」

「あと、このアプリで個人の情報が見れるから、魔力量や属性値と今のランクも自動で反映されるわ」

「転移ってワープ?」


「まあ、やってみた方が早いわね、あなたの家とここの駐車場が登録されているから、ナビで自宅を調べてタッチしてみて」


「あ、家だーーーーー」

「マリア、なに騒いでるの?」

「ああ、ごめんなさい、寝ます」

「お休み、ああーあ」


マリアは、駐車場をタップした。

「あ、戻った!」

「なにこれ、スゴすぎなんですが?」


「まあ、決まったところしか行けないいうに制限をかけてるけどね」

「それでもスゴいです」


「あと、最後はカバンね」

「カバン?」

「一応、女性はポシェットにしたんだけど、これも自分ですきなデザインの方がいいかもね?」

「いや、このポシェット可愛い!」

「よかった、気にいってくれて」


「このポシェットには、10個までなら、何でも入るわ」

「何でも?」

「文字通り何でもよ、例えばそのバイクを入れてみて!」

「いや、こんなところに入るわけ•••って入っちゃったよ」

「出すのも自由だし、家とかでも入るよ、これも10個までと制限をかけてるけどね」


「ランクが、上がっていけば制限の数も増えるようになってるから、頑張ってね」

「はい!」


「千年迷宮へは、どうやって行くんですか?」

「そこのゲートを通って行くのよ」


セノンが、扉を開けると怪しい渦が見えた。

「分かりました」

「基本的な説明は、以上ね」

「ありがとうございました」


「ああ、ちなみにダンジョンへは、必ずしも一人で行く必要はないわよ」

「そうなんですか?それじゃ、強い人と行けばすぐにランクが上がっちゃうんじゃ?」


「いいえ、ランクが離れすぎていると進んでもランクが上がらないようになっているの、つまり、私と行っても全くランクは上がらないってことね、少し上の人くらいと行くと効率的ね」

「なるほど」


「とりあえず、セノンさんと行ってみていいですか?ランクは上がらなくてもいいので•••」

「もちろん、そのつもりよ、ちゃんとランクも上がるように設定するから、手は貸さないけどね」

「ありがとうございます」


「その前に、武器を選んで」

「武器ですか?」

「丸腰で行くつもり?」

「ああ、そうですよね」

「ダンジョン内にも、お宝を用意してあるけど初めのうちは、ポーションかクズ武器くらいだからね」

「はい•••」

「何がいいかな?闇と風だから、ナイフか、銃もいいわね」


「銃ならこれね「Wing N9」かな」

「すごく軽い」

「銃弾も弾倉も必要ないからね、魔力で弾を撃ち出すからね」

「なるほど」


「あと、ナイフなら闇属性だから、「この「カオスナイフ」なんてどうかな?」

「うわ、強そう」


「とりあえず、それで行ってみましょう」

「はい!」

次回 【 Magic Developer Recruitment Exam】

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