千年迷宮を無双する! 【Conquering the Millennium Labyrinth !】
セノンたちは、例の山へ一瞬で移動した。
さらに、ルミオがセノンの手を握って洞窟の奥へサッと移動した。
「ありがとう」
「うん」
「セノン、その本をあの台座に置くんだ!」
「こうかな?」
すると、赤い魔方陣が広がりみんなは狭い四角い部屋へ飛ばされた。
「あれ、ここは?」
「ダンジョンの始まりだよ!」
「とりあえず、外に出ないとね」
「セノン、ここにスイッチがあるよ
押してもいいかな?」
「いや、まず間違えなく罠ね」
「そっか」
本をみると新たに白紙の地図が現れた。ちなみに、魔法陣はそのまま残っていた。
「あ、この小さい穴ね•••」
「ルミオ、何か細い棒みたいなのある?」
「えっとね、この杖はどう?」
「バッチしね」
第一章 迷宮名「死への誘い」100階
~ “Invitation to Death” ~
「さて、さて、無双するわよ!」
「オッケー」
「雑魚はすべて無視で、スキャンした宝箱にピンポイントでルミオが、飛んで開けていく」
「これで、一章は楽勝ね」
「いきなり、命の石をゲット!」
「よし、次行ってみよう!」
「なんだ、この攻略の仕方は?」
「ちょっと迷宮がかわいそう•••」
モックンとユキナが、ビックリしてヒソヒソ話している。
モックンとユキナは、シオンたちが千年迷宮を攻略した時の階層ボスで仲間にした精霊だった。
第二章 迷宮名「暴食の森林」100階
~“Gluttony Forest” ~
「次は、森だね!」
「なんか、迷宮内なのに日の光もあって清々しいね」
爽やかイケメンだ。
「ああ、ルミオは早速、宝箱お願いね」
「よっし、頑張るぞ!」
「終わり次第、食事にしましょう」
そう言って、家を出した。
「すご、家も入ってるの?」
「そうみたい•••」
ルミオは、一瞬でお宝を集めてきた。
「セノンの手料理か、楽しみだな!」
「ルミオ、なんか変な匂いしない?」
ノアールが、クンクンしながら言った。
「あれ、く、臭い•••」
「さあ、ルミオできたわよ」
セノンが、手料理を持ってきた。
そこには、ドス緑色の怪しげなシチューらしき物体があった。
「うっぷ•••」
ルミオは凍った。
フランが、ルミオの手にそっと触って目を閉じて首をゆっくり縦に振った。
「さあ、召し上がれ」
「せ、セノンさん、お料理の方は得意なんでしょうか?」
「全然したことないよ!」
でしょうね•••
「その辺の市販の材料で作ってみた」
市販の材料を使って、なぜこうなる•••
「さあ、食べてみて」
セノンは無邪気に笑って、料理?をすすめてきた。
か、可愛い!でも、この可愛さに騙されてはいけない•••
「い、いただきます•••」
な、なぜこうなった?僕は生きて帰れるのか?このままだと、セノンに料理で無双されるかも•••
「では、いただきます」
ルミオは、覚悟を決めた!
「あーん、モグモグ、ゴックん」
「どう?」
うん?見た目によらず以外に味は大丈夫そうだ。
さすが市販のルーだ。
メーカーさん、ありがとう•••
「うん、お、美味しいよ」
「なんで、たどたどしいの?」
「どれどれ、私も食べてみよ」
「あああ」
ルミオが、止めようとしたが口に入れてしまった。
「うん、まあまあね!このルー」
いや、ルーのせいではないかと•••
メーカーさん、ごめんなさい•••
「あ、セノン、僕さ喫茶店でバイトしてたときに、食事も担当してたんだよ。よかったら僕が食事の用意しようか?」
「いや、私が作るよ。悪いし」
「ガーーーン」
ルミオは凍った。
「セノン、察しろ!」
ノアールが、セノンの手をトントンと叩いた。
「ああ、じゃあ、ルミオにお願いしようかな~」
うん?何を察したのかな?
でも、ノアール、ナイスフォロー。
「うん、がんばります」
ノアール、ありがとう。
ルミオは、ノアールを抱き上げて頬擦りをした。
「急にどうしたの、変なの?」
こうして、ノアールの機転によって、セノンの料理無双は阻止された。
「ルミオ、この料理美味しい」
とても嬉しそうに、ご飯を口一杯にほう張りながら言った。
それ、セノンが使った市販のルーをそのまま暖めただけだけどね•••
とは、口が裂けても言えなかった•••
「よかった、どんどん食べてね」
「ハハハ•••」
食事が済んだら、魔法の練習を始めた。
攻撃魔法は、ノアールが担当で
フランは、防御、回復、補助魔法を教えてくれた。
ルミオは、主に攻撃魔法を鍛えて、
セノンは、回復系を鍛えていった。
「さすが、シオンとアルクの子孫だね。飲み込みが早い」
「そうね、これならすぐにでも三章へいけそうね」
「ありがとうございました」
セノンたちは、ノアールたちにお礼をいって、首もとを撫でてあげると、グルグルいってとても愛くるしかった。
第三章 迷宮名「恐慌山脈」100階
~ “Great Depression” ~
「ああ、ここが山脈ね」
「ここは、スカイバイクでいけそうだね」
「うん、どうも空は飛べないみたいだけど、地面に沿っていけば乗れるみたいね」
「うん」
セノンは、颯爽とバイクにまたがり移動しようとした。
「我らの出番が•••」
「あらまあ、残念•••」
ウルンとカミナが口惜しそうに言った。
ウルンとカミナは、シオンの父である神様だったハーベルが試練の塔で仲間にした召喚獣だった。
「セノン、ここはバイクじゃなくてウルンたちにお願いしてみたら」
「そうね、狼にも乗ってみたかったしね•••」
「おお、我らにお任せを」
ウルンたちは、嬉しそうに言った。
ルミオは、ウルンにまたがると首もとを優しく撫でた。
「カミナ、よろしくね」
「はい」
セノンも、首もとに抱きついて言った。
お宝を回収後一気に1階まで進んでいった。
「シャドウも仲間になっているし、ここも終了かな」
「もう、終わりですか?」
「ちょっと、寂しい•••」
第四章 迷宮名「永遠の草原」100階
~“Eternal Meadow” ~
「四章も、ウルンたち、お願いできるかな?」
「ありがたき、幸せ」
とても嬉しそうだった。
「この辺りから、魔物も強くなってくるから気をつけて」
「そうみたいね」
ルミオは、早速、お宝を集めてきた。
「じゃあ、ここは広いし、いっちょ無双しますか?」
「行きますか?」
二人は、そう言って魔物の群れを一掃していった。
「まあ、こんなもんかな」
「まだまだ余裕だね」
手を払いながら言った。
「命の石は、見つかった?」
「いや、まだないみたいだね」
「でも、いろんな武器や防具があったよ。
こんな道具も!」
「へえ、どんなのがあるの?」
「えっとね、いい感じの指輪があるんだ」
「え、どれどれ」
「この、インフィニティーシャインとエターナルダークネスかな」
「わあ、すごく綺麗な指輪ね」
「セノンにはめてもいいかな?」
「うん」
ルミオは、優しくセノンの左手の薬指にインフィニティーシャインをはめてあげた。
「なんか、結婚式みたいね」
すると身体中から光が溢れだして、ゆっくりと指輪へと光が集束されていった。
「じゃあ、私もはめてあげるね」
同じく、左手の薬指にエターナルダークネスをはめてあげた。
「ああ、ルミオその指輪呪われてる」
「えっ、なんともないよ?」
「でも、説明では闇の奥深く深淵へと導かれ堕ちていくってなってるけど」
「大丈夫だね」
「ああ、それはセノンのせいよ」
フランが、ゆったりと言った。
「セノンの指輪が、呪いを打ち消しているの」
「なるほど」
すると、二人の魔力が急激に上昇していった。
「本来なら、魔力の急激な上昇との引き換えに、闇堕ちしてしまう呪いの指輪だけど、セノンと魔力を共有しているお陰で助かったみたいね」
二人は、緑の果てしない草原で、夕日に照らされながら美しく輝いていた。
「今日は、次の階までいきましょ」
「よっし、魔法もいろいろ試したいね」
「うん」
「そういえば、ドラゴンがいるってシオンがいってたよね」
「そうだったね」
「ちょっと呼び出してみようか」
セノンは、バルトロスを
ルミオは、シャドウを召喚した。
「我を呼び出すのが遅すぎる!」
「ああ、ごめんね。バルちゃん」
「ば、バルちゃん?•••」
「う、まあ、許そう•••」
「すごく小さいのね。でも、カッコいいね」
「そうであろう、我のカッコよさに気づくとはみる目があるのう」
「それにしても、お主の魔力は心地よいのう、ハーベルみたいだ」
「ハーベルお爺ちゃんの召喚獣なんだよね」
「ああ、ハーベルは強かった」
「おお、この魔力とそのみる目を認めて、お主の守護龍となろう」
「守護龍?」
「お主たちの言う、守護霊みたいなものか」
「なるほど」
「目には見えぬが常に我が守っている、もちろん、ドラゴンの力も使えるようになるぞ」
「スゴいんだね」
「そう、我はスゴいんだ」
クスクス笑っている。
「コホン、まあいい、では」
「なにすればいいの?」
「なにもしなくていい、そのままで」
バルトロスが、もとの大きさに戻ったかと思うと、
セノンの身体に吸い込まれていった。
セノンの魔力がさらに上昇したかと思うと、右手の甲に太陽のような紋章が現れた。
「ルミオ様、私はシャドウ。あなたとも契約がしたい。いいだろうか?」
「お願いします」
シャドウが、ドラゴンの形に戻るとルミオの影に入っていった。
すると、右手の甲に月の紋章が浮かび上がってきた。
「ルミオも契約できたんだね」
「うん」
「実際になにができるんだろう?」
「空が飛べたりして•••」
「ああ、羽が生えて空を飛んでる!」
「不思議だね•••」
「攻撃力も、防御力も格段に上がっておるぞ」
「ルミオ様、私がいれば闇堕ちする心配もなくなります。呪いや毒、麻痺など弱体化は、すべて無効化されます」
「ますます、人間じゃなくなってきたね」
ノアールが、首を横にふってお手上げの状態で言った。
次回 【Stop Flirting !】