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伝説の魔女の玄孫の私は、この魔法の廃れた世界で 怪盗ウィッチとなって無双する    作者: 吾妻 八雲


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古代龍封印【Ancient Dragon Seal】

「セノン、宝玉で未来を確認してみた方がいいかも」

「確かに、でも何を願えば?私たちの未来か、アリアたちの未来か、テンシェン様の未来か?」


「う~ん、自分たちの未来はなんとかすてばいいけど、アリアたちの未来は気になる。でも、ここはテンシェン様の未来をみるべきでは?」


「やっぱりそうよね」

そう言って、宝玉を額にあててテンシェン様のことを思い浮かべた。


「うわーーー」

「どうしたの?セノン•••」


その頃、神殿の大広間では準備が整えられ町の信者たちが、続々と押し寄せていた。


「グリム様、奴らの足止めはうまく行っています」

「よくやった」

「後の手筈もおまかせ下さい」

「頼んだぞ!」


アリアとエルムは、用意を済ませると神官の正装に着替えを済ませて、テンシェン様のほこらへ向かった。


「セノン様たちは?」

「さあ?遅いね!何もなければいいけど•••」


アリアは、テンシェン様の封印を解くと神殿の前へとテンシェン様が現れた。


神殿の中では、信者たちが熱心にお祈りを捧げている。


グリムが、アリアたちが戻ってくる前に、信者たちの前に現れた。


「あれ、今年はアリア様じゃないのか?」

「本当だな•••」

信者たちが、少しザワつき始めた。


グリムが、大きく両手をあげると、信者たちは静まり返った。


そのままなにやらマナスを使用すると、神殿の大広間は全体に結界が施され、誰も出入りできなくなった。


「では、今です!」

グリムが、合図をすると大広間のあちこちから煙が上がり、炎が燃え広がった。


それに気づいた信者たちは、パニックになって外へ出ようとするが結界で阻まれてしまい、阿鼻叫喚の地獄絵図のようだった。


グリムが、大声で、

「テンシェン様、今年は趣向を変えて、生け贄を捧げます。どうぞ、お受け取りください!」


「グリムよ!何という馬鹿なことを!」

「アリアは、どこへ行った?」

「テンシェン様、どうされましたか?」

「グリムの愚行を止めよ!」


「ああ、神殿が燃えてる!」

「でも、どうすれば?私たちのマナスでは、もう手遅れです」


「アリア、テルミットでセノン様たちに助けを!」

「ああ、セノン、セノン!」


「アリア、どうしたの?」

「今どこですか!」

「グリムの手下に足止めを食らってるのよ!」

「そんな、神殿が火事で私たちじゃどうしようもないのです!」

「なんですって!」


「ルミオ、神殿が火事になって信者たちが大変なことになっているって•••」

「でも、こいつらが邪魔で!」


ルミオは、何時間も忍者たちの相手をしていた。


「セノン、さっきの予知は?」

「ああ、テンシェン様がすごい怖い顔で、人間たちを襲っていたの!」


「まさか、人間に失望して!」

「もう、遅いかも!」


「もっと早く宝玉を使うべきだった」

「今さらだよ!それより、ここを早く抜けなきゃ!」


「グリム!許さんぞ!」

テンシェン様が、人間の愚行に失望して怒りと悲しみで、鬼のような顔になって周りの人間たちを襲い始めた。


テンシェン様の前に、グリムが笑いながら両手を上げて崇めている。


テンシェン様は、前足を大きく上げると軽く凪払って、グリムがグチャグチャになって飛ばされた。


「ああーーーーーーー」

アリアが、大きな声で叫ぶと、


「アリア!」

「セノン様!」

「ごめんなさい、間に合わなかった!」

「エルム、すまない!」

ルミオが、エルムの肩に手を乗せて項垂れた。


「テンシェン様を止めないと、町がメチャクチャになってしまう!」

「アリア、鏡は?」

「ここにあります•••」


「アリア、ごめんね!もう、これしかないの!」

「セノン様、何を?」

「封印よ!」

「テンシェン様を?」

「そうよ!」


「でも、封印してしまったらこの国は?」

「おそらく滅んでしまうわ、でも、このままでも滅んでしまう•••」


「そんな•••」

「だから、ごめんなさい•••」


セノンは、鏡の裏の言葉に古代文字で言葉を付け加えた。


「我、求む、永遠の、星々、知識、海、持つもの、願い、封印、エーテリオアビス」


セノンとルミオは、テンシェン様の前に瞬間移動すると、


「我は求む、永遠の星々の知識の海を持つものの封印を願う。エーテリオアビス」


テンシェン様が、すごい形相でセノンたちを前足で凪払おうとすると、


周りが薄暗くなり、鏡の中に深い深い渦が現れて、すごい勢いでテンシェン様を吸い込んだ!


「なぜ、我の本当の名を•••」

シュポん!


鏡の中に吸い込まれてしまうと、一瞬で周りが明るくなった。


「セノン•••」

「アリア様•••」


アリアは、そのまま倒れ込んで気絶してしまった。


その頃には、神殿も完全に焼け落ちてなかにいた信者たちも皆焼け死んでいた。


ルミオは、三人を抱えて町外れの被害のなかった家に運び入れると、アリアをエルムに預けた。


エルムは、アリアをベッドへ寝かせると、セノンたちにお辞儀をした。


その頃、現代の戦況はというと、MDたちの活躍で被害はそれほど広がらずに済んではいたが、一度混乱した経済や流通は、そう簡単には回復していなかった。


「シオンさん、こっちは片付きました」

「ご苦労様、バルクーイ」

「みんなも、ご苦労様!」


「シオンさん、テレビを見て!」

「どうしたの、マリア!」


ニュースでは、急にネットの混乱が解消し、魔物たちの発生も全てなくなり、ゲートも全て消滅したと確認されたようだった。


「もしかして、セノンたちがエンシェントドラゴンを封印したのかも?」


アリアは、まだ気を失ったままだったが、エルムに経緯いきさつを説明して祭壇へ向かった。


「これで帰れるはず!」


セノンが、鏡を祭壇へ置くと、金色に光っていた祭壇が、古びた色へと除去に変わって行った。


セノンが、再び鏡を手に取ると森の中の小さな遺跡に戻っていた。


「やっと、戻ってこれたのね?」

「多分•••」


ルミオは、セノンの手を優しく握ると、次の瞬間、シオンの前にいた。


「お母さん!」

「セノン、ルミオ、良かった。無事だったのね!」


「お兄ちゃん!」

「マリア!」


二人は、それぞれ抱き合ったまましばらく動けずにいた。


「ルミオさん、こちらも大変立ったんですよ!」

バルクーイがそういうと、

「バルクーイ、よくやった!」

ルミオは、バルクーイの肩をしっかり持って称えた。


「セノン!何があったの?」


セノンは、みんなに古代へ行った話と、エンシェントドラゴンを封印した経緯を詳しく話した。


「そうだったの、あなたたちも大変だったのね•••」

「まさか、ネットを占拠するとは、テンシェン様もハイテクなのね!」

「ハハハ」


「テンシェン様は、人間に失望して滅ぼそうとしていたみたいだけど、その気持ちもよく分かるわ、本当にクズはどの時代にも必ずいるみたいだからね!」


その後、セノンたちはMDたちの育成に専念する。


時折現れる謎の次元の裂け目より現れる魔物の討伐や裏の世界に蔓延る悪の存在を粛清して行くのであった。


おわり

お読みいただきありがとうございました。

新作「リバースサーフェス

ーこの魔法の廃れた世界で

転生薬剤師さんが

魔導王マグスロードを目指します!ー」

をよろしくお願いいたします。

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