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伝説の魔女の玄孫の私は、この魔法の廃れた世界で 怪盗ウィッチとなって無双する    作者: 吾妻 八雲


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20/22

サイバーカオス【Cyber Chaos】

その頃、現代では大変な事件が起こっていた。


「セノンたち、なんで帰ってこないのかしら」

シオンは、一人でヤキモキしていた。


「連絡も取れないし、どうしたらいいのか•••」


セノンたちが消息を絶って、一週間ほどが過ぎたころ現代では、ネットが大混乱を起こしていた。


エンシェントドラゴンであるエーテリオアビスは、召喚されてまもなくネットの世界へ身を隠していた。


ネットの情報で、過去から現在までの人間の悪行の数々を垣間見てしまったエーテリオアビスは、人間そのものに失望してしまい、人間を滅ぼそうと考えた。


しかし、昔に比べて増えすぎてしまった人間を滅ぼすのも一苦労と考えた彼は、まずはネットの世界から混乱させれば、自ずと自滅していくであろうと考えた。


まずは、金融市場を混乱させると世界経済はあっという間にストップしてしまい、物流もストップして食料を手に入れることもままならない状況へと陥っていった。


ネットに頼りきっていたこの世界では、たったこれだけの事で混乱し、金と食料を求めて至るところで争いが絶えなかった。


「シオンさん、世界がメチャクチャになってしまいます」

「セノンたちもいないのに、私一人でどうしろというの•••」

伝説の魔女と呼ばれたシオンでさえもこの状況を打破する手立ては考えつかなかった。


ただ、人間もバカではない。

初めのうちは、混乱こそしたが世界の国々でいろいろな対策が取られて、それなりに混乱は収まりつつあった。


「人間もバカではないか•••」

エーテリオアビスは、次の手を打つことにした。


次は、ネットと自分のマナを利用し、いわゆるゲートを開くことによって、以前存在していた魔物を召喚するというものだった。


ネットのいわゆる巨大サーバーと呼ばれる施設付近にゲートができやすく、世界中で魔物が蔓延るようになっていた。


魔物は、無差別に人間を襲い、食らう。人間の兵器でも殺すことはできなくはないが、魔物の再生力は強くなかなか殲滅できずにいた。


「シオンさん、今度は魔物が現れました」

「次から次へとやってくれるわね」

「でも、魔物ならダンジョンで戦いなれているので対処できます」

「分かった、各ゲート付近に転移できるようにテルミットをセットしたからお願いね、でも、無理はしないで!」

「分かりました!」


バルクーイたちハイランク組は、直ちに現場へ向かった。


「ボスコン、調子はどうだ?」

「ああ、バッチリ」

「マリアたちも、準備はいいか?」

「はい!」


バルクーイたちは、五人パーティーで千年迷宮では、第八章まで攻略していた。


五人であれば、属性の相性もあるが、ドラゴンクラスの魔物も倒せるようになっていた。


「よし、ここは雑魚ばっかりだ。各自掃討していってくれ!」

「了解」


「アイシクル•スピアーズ!」

ウーノは、広範囲で魔物を動けなくすると、みんなが銃や剣で確実に倒していった。


「バルクーイ、こっちに大物がおるで!」

ボスコンが叫ぶと、大きなゴリラのような魔物が、ビルの影から現れた。


バルキリーコングは、巨体なのに天使のような翼を持っていて空中に浮いている。


「あの巨体でなんで飛べるの?」

ナミナが呟いた。


「ウホォーーー!」

ドスンドスンと、すごい音でドラミングしながら宙を舞っている。


「ウーノ、とりあえずあの翼をどうにかして引きずり下ろしてくれ!」

「分かりました」


「グレイシャル•チェーンズ!」

二本の太い氷の鎖が地面から発射されると、バルキリーコングの翼目掛けて一直線に突き刺さった。


徐々に翼が凍りついて、地面に大きな穴があくほどのすごい勢いで落ちてきた。


「ウホォーホォーーー!」

雄叫びをあげながら突進してくる。


「ボスコン!」

「あいよ!」


「テクトニック•シールド!」

ボスコンは、巨体な土壁を地面からせりあげた。


バルキリーコングは、土壁に突っ込んで、尻餅をつくと目を回している。


「今だ!」

バルクーイの号令で、一気に攻撃を仕掛けた。


「百式•鎌鼬かまいたち•紅蓮!」


バルクーイの新武器は、「神器:百式•烈火れっか焔心えんしん」という両手鎌で炎属性の攻撃に特化している。


紅蓮の炎でできた無数のカマイタチが、バルキリーコングを幾度も貫いた。


「いつ見ても、そのカマイタチすごいですね!」

「百式シリーズは、威力だけは凄まじいからな!」

「自分にもダメージを食らうのがちょっと使いづらいがな•••」


すかさず、ナミナがバルクーイの回復をしてくれた。


バルキリーコングは、粉々になって燃えていた。


「この辺りは、こいつで終いのようだな、次へと向かうぞ!」

「了解!」


ゲートは、ネットを介しているためサーバーを破壊するか、回線を切ればゲートを閉じることができる。


しかし、後々のことを考えるとサーバーは無傷で残しておきたい。


そこで、シオンが魔力マナを封じ込める魔道具を作ってくれて、それを設置し外部からは、干渉できないように封印も施した。


こんな具合で、ゲートを一つ一つつぶして行った。


他のMD(Magic Developer)たちも溢れ出てきた小物たちの討伐に貢献していた。


次回 【Conspiracy Crusader】

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