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試合の行方【Showdown Saga】

「アクシデントもありましたが、次は第3回戦です。

武士アカツキと拳闘士のバリス!初め!」

「ウォーーーーーー!」

会場は盛り上りを見せている!


「拙者アカツキと申す、お先にごめん!」

アカツキが日本刀を構えたかと思うと素早いダッシュでバリスに斬りかかった。


バリスは盾を使ってうまく交わしているが、かなり圧倒されている感じだった。


「俺は剣闘士だ!そんな細い刀で何ができる!この斧で叩き折ってやるわ!」

そう言ってバリスは盾にバンバン斧を叩きつけた。


「己の武器はもっと大切にされよ!」

アカツキが刀を鞘に納めると、


「おお、やっとあきらめる気になったか?」

「白虎心眼流•爪!」

居合い切りの要領で刀を鞘に滑らせながら高速の刃を二刀浴びせた。


かまいたちのようにバリスの右腕と左足を切り裂いた。

血しぶきが舞うが、バリスは気合いで止血した。


「ほほう、あれを耐えるか!」

「何がほほうだ!」


バリスが盾を構えて突進してきたかと思うと、アカツキの前でクルリと反転しながら斧が襲いかかる。


アカツキは素早くしゃがんでなんとか凌ぐがバリスの攻撃はまだまだ続く!


バリスがそのまま連撃を続け今度はアカツキが圧されていた。


「なかなか、やるでござるな!次で最後でござる!」


「白虎心眼流•奥義•百連牙びゃくれんが!」


見えないスピードの連続した突きがバリスを襲い盾は破壊され、斧は吹き飛ばされた。連撃は続きバリスは血まみれになって立ち尽くしていた。


最後に一発刀のつかで押し出した。

「ウォーーーーーー!」


「男にモテモテだな!」


「ではでは、第4試合は格闘家のミツルと謎の戦士ルミオの対戦です」


「おおっと、ルミオは短剣でしょうか?珍しいですね!」


「きゃーー!ルミオ様もステキ、エルム様と兄弟かしら?」

「ルミオ様!」


セノンは目を閉じて精神統一して心を沈めている。


「セノンさん、お察しします•••」


ミツルが現れてファイティングポーズをとった。


それを見てルミオは、ナイフをクルクルクルと回しながらカッコよくしまった。


「ほほう、俺も舐められたもんだな!武器を使ってもいいんだぜ!」


「いや、これでいく!」

ルミオも攻撃体勢に入った。


ミツルが前に出てラッシュを決める。

「どうした、手もでないか?」


「ふん!」

ルミオが隙を見て一発顔面に入れた。


「利かんな!」

そう言って首を振りながらフラッとした。


「ふん、ふん!」

もう一発もう一度と顔面に打ち込んでいく。


ミツルは堪らず距離をとった。

「アイツ、けっこう攻撃が入ってるはずなのに全然利いてる感じがしない、ここは遠距離に切り替えるか!」


ミツルは腫らした顔のまま、両手を前で組むと集中し始めた。


「なにか来るな!」


そのままマナスを手に集中させると、ルミオ目掛けて一気に解き放った!

「はあーーーーーーーー!」


マナスの塊がルミオに直撃した。


「はあ、はあ、はあ、どうだ!」


煙が晴れるとルミオは無傷で立っていた。


「なんだと!はあ、はあ、ズルズル」

ミツルは、肩で息をしながら鼻水を垂らしている。


「魔力のそんな使い道があるんだ!」

ルミオが見様見真似で、両手を前で組んで集中した。


「バカが!見ただけで真似できる訳ねえだろ!はあ、はあ」


ルミオは集中しながら闇の魔力を流し込んだ。

龍影掌りゅうえいしょう!」

ルミオの掌から漆黒の龍が現れて、ミツルをくわえて場外へ押し出してしまった!


「ウォーーーーーー!」

「きゃーー!ステキ!」

「ルミオ様!」


「ルミオさん、すごい技ですね!」

「真似してみたら出来たよ!」


「エルム頑張れよ!」

「はい!」


「第5試合は、マルシヤス対エルム!美男子対決です!」

「きゃーー!」

「きゃーー!ステキ過ぎ!」

「マルシヤス様!」

「エルム様の方がステキよ!」


アリアも目を閉じていた。

「アリア様、ガンバ!」


「美男子は一人で結構、君には退場願おう!」

マルシヤスが剣を構えた。

エルムも剣を構えると、隙を見て斬りかかった。


マルシヤスは難なく受け流している。


エルムは風のマナスで剣先から鋭い刃をいくつも飛ばした。


マルシヤスは、紙一重で交わしたかに見えたが、右頬が切れて血が垂れた。


「くう、私の高貴な顔にキズを!」

マルシヤスは顔を真っ赤にして怒り狂っている。


エルムは続けて石の塊で攻撃した。

マルシヤスはすべて弾き飛ばして、猛然と突っ込んでくる。


エルムが攻撃を受けきるながら後進していく。


「エルム!後がないぞ!」

ルミオが叫ぶが遅かった。


エルムがそのまま圧しきられてしまった。


「なぜだ!」

「お前の敗因は俺を怒らせたことだ!ふん!」

「ウォーーーーーー!」

「マルシヤス様、結構して!」

「私のものよ!」

「きゃーー!きゃーー!」


「アリア、負けちゃった•••」

「エルム御苦労様!とってもカッコよかったよ!」

アリアは、エルムの頬にキスをした。


「次はルミオさんの番ですね!」


「残すはあと2試合です。今回は大変盛り上がっております。私も非常に興奮しております」


「さて、次はアカツキ対ルミオです」

アカツキが現れると、


「アカツキーーーー!」

 太い声の応援が飛び交う。


ルミオが現れると、

「きゃーー!」

「きゃーー!ステキ!」

「私があなたをゲットします!」

黄色い声援にが飛び交っている。


「おい、おい!」

セノンがキレそうになっている•••

「セノンさん落ち着いてください•••」


ルミオはナイフを構えた。


「お主、そんな短い剣でこの刀が凌げるのか?」


ルミオは闇の魔力を帯びたナイフで素早い攻撃を繰り出した。

「キン、キン、キン」


「素晴らしい動きだ!本気で行こう」

「白虎心眼流•究極奥義•龍虎心眼!」

アカツキがゆっくり刀を回しながらルミオを睨み付けると、


「う、身体が!動かない!」

「もらった!」


描いた円の中心から龍と虎の幻影が現れて、交互に入れ替わりながらルミオに襲いかかってくる。


「チェッ!」

龍虎が通りすぎていった。


「アカツキ、すまん!」

ルミオはアカツキのすぐ後ろに現れたかと思うとナイフの柄で後頭部をこづいて気を失わせた。


「どういうことでしょう!アカツキの攻撃が完全にルミオを捉えたように見えましたが、倒されたのはアカツキの方でした!」


「きゃーー!マジで結婚して!」

「きゃーー、きゃーー!」


セノンはすでに限界を超えていた。

ルミオが、客席のセノンに投げキッスをすると、少しセノンの気も晴れた。


「最終試合は、マルシヤス対ルミオです。これは見物です!この大会でここまで盛り上がったことがかつてあったでしょうか?」


二人が出揃うと、

「では、最終試合、開始!」


「お前、あのエルムとかいう奴の兄弟か?」

「いや、違う!」


「まあ、なんでもいい!同じ顔のよしみで地獄へ送ってやろう!」


「エルムをバカにしたことを後悔させてやる!」

「出来るものならやってみたまえ!」


マルシヤスが剣を構えて攻撃を仕掛けようとすると、


「遅いよ!」

ルミオの声がマルシヤスの耳元で聞こえた。


マルシヤスは倒れてその後ろにルミオが立っていた。


「ウォーーーーーー!!」

会場全体が割れんばかりの大歓声で包み込まれた!!


「一瞬過ぎて、私にも何が起こったのか分かりませんでした!」


「優勝は謎の戦士ルミオ!」

「あの、王国剣士時期団長とも言われたマルシヤスをあっさり倒してしまいました」


歓声はいつまでも収まらなかった。


「セノン!勝っちゃった!」

「まあ、当然だけど!おめでとう!」

セノンは抱きついてキスをした。


「さすがルミオさん、全く見えませんでした」

「エルム、ありがとう!」


「優勝者のルミオには、賞金2,000銅貨が送られます」

「ああ、お金貰っても困るな!」


「逃げちゃおっか!」

セノンが可愛い顔して舌をだした。

「そうだね!」


セノンとアリアとエルムを連れテンシェン様の国へと戻って来てしまった。


「すごく楽しかったです。ルミオさんありがとうございました」

エルムは手を握ってお礼をした。


「私たちは、怒りを抑えるのに必死で試合が全然見れなかった•••」

「ごめんよセノン!」


「悪かったねアリア!」


二人がそれぞれ抱き合って慰めてくれた。まるで天国へ登ってしまいそうな顔でニヤケていた。


次回 【Cyber Chaos】

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