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伝説の魔女の玄孫の私は、この魔法の廃れた世界で 怪盗ウィッチとなって無双する    作者: 吾妻 八雲


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転移遺跡【Metastasizing ruins】

「セノン!大変だ!ガルマス商会が!」

「ガルマスがどうしたの?また、何かやらかしたのね?」

「ガルマス商会が、消えた!」

「えっ、消えた?」


「ああ、文字通り消えたんだ•••」

「壊滅したってこと?ルミオがやったの?」

「いや、昨夜突如としてビルにいた人間が全員消えたらしい•••」


「何言ってるの?」

「ニュース見てみて!」


「昨日の夕刻頃、ガルマス商会のビルで大規模な消失事件が起こりました。突如として、社員全員が消えてしまったというのです。最上階にある、会長室には、美しい鏡が一枚残されていたとのことです。詳細は分かり次第お伝えします」


「鏡って、なんだろう?」

「僕が、今夜鏡を持ってくるよ」

「お願い」


ルミオは、夜中に魔法省察の証拠保管庫に忍び込むと、鏡を持ち出してきた。


「セノン、これが例の鏡だよ」

「お母さん、どう思う?」

「これは、召喚用の道具ね!」


シオンが、鏡を隅々まで調べ始めた。

「裏を見て!」


「我は、求む。星々の知識の海を持つ者を永遠に封じる」


「ああ、封印に鏡から召喚してしまったってことね」

「なるほど、消えた人たちは生け贄ってことか•••」


「なんて、バカなことを•••」

「お母さん、また封印出きるのかな?」

「おそらくね。でも、封印の仕方が分からないと、しかも古代語で書かれているから、普通の封印とは違うかも知れないし•••」


「参ったわね•••」

「何が、召喚されたかも分からないのよね?」

「いや、分かるわよ」

「えっ、何?」

「ドラゴンだね」

「ドラゴンか•••なんで分かるの?」


「ああ、古代語の最後にドラゴンって書いてあるから、名前は、エーテリオアビスかな」


「なんかヤバそうな名前だね」

「星々の知識の海を持つとか言ってたもんね•••」

「エンシェントドラゴンってヤツね」

「強そうだね」


「でも、ドラゴンだったら今頃暴れて町を壊滅とかしててもおかしくないのに?」

「そうだね」

「もしかして、知識派だから暴れるより、徐々に滅ぼしていくタイプなのかも!」

「なるほど」


「今のうちにこの鏡が見つかった古代遺跡を調べて、封印の方法を見つけないと!」

「分かった」


「お母さんは、本部に残って町の様子と会社を見守って、いざというときのために待機しておいてください」

「分かったわ、気をつけてね」

「古代語の翻訳は、スマホでデータを送るので解析お願いします」

「そっちも任せて!」


「ルミオ、ネットの情報では、その鏡は、ドリームゲートエッジというようね、バルカ大森林の奥深くにある遺跡のようね」

「あそこは、今でも手付かずの自然が残る場所でしょ?」

「ああ、早速飛びますか?」

「うん」


ルミオは、スマホでバルカ大森林の場所を調べると、一瞬で移動した。


「ここね、スカイバイクで行きましょ」

「オッケー」


スカイバイクで、森の上を飛んでいると、

「あれかな?」

「たぶん、そうだね」


二人は、遺跡の前に立つと大きな入り口がドラゴンの口のように見えた。


遺跡の奥へ入っていくと、中はそれほど広くなかった。


「案外と、狭い遺跡だね」

「そうね、あそこに台座があるよ」

「ここに鏡が、置いてあったんだね」

「そうみたいね」


古いボロボロの台座があり、鏡を取り除いた部分だけが、色が変わっていた。


「ここに戻して見よう!」

そう言って、ルミオが鏡を元の場所に戻してみた。


鏡を置いた瞬間、鏡を中心に部屋がどんどん綺麗になって金ピカに輝いていった。


「何これ?」

「驚いたな!」


ルミオが、もう一度鏡を取り外すと、元のボロボロに戻っていった。


「うわ、すごいね」

「この鏡が、鍵のようだね」


ルミオが、そう言ってもう一度鏡を戻した。


部屋が、美しく輝いて見えるが、現実なのか幻影なのか分からないぐらい、リアルだった。


「これって、どう見ても本物だよね?」

「そうだね、リアルすぎるね」


「遺跡の外を確認してみよう!」

「うん」


セノンたちは、もと来た道を戻って行くと、その間も綺麗な道が続いていた。


「ここ、どこだよ?」

「あれ、森がない!」


周りにには、木などは一本もなく、神殿の先には長い階段が延びていた。


「ここは、神殿の一番上の部分だったみたいだね!」

「なるほど、だからあんなに狭かったんだね」

「下は、すごく大きいね!」


「お前ら!そこで何をしている!神聖な場所だぞ!(古代語)」

「ああ、なんかすごく怒ってるみたい」

「さっさと、移動しましょ!」


ルミオは、セノンの手を握ると、少し離れ建物の影に移動した。


「あれ、あそこにいた奴らどこへ行った?(古代語)」

「いや、見てないぞ?(古代語)」

「あそこに何か居たような(古代語)」

「大丈夫か?(古代語)」

衛兵たちは、首をかしげていた。


「あれって、古代語?」

「そうみたいね、なんとなくしか分からなかったけど」


「古代語が、分からないと不便だね、しかもこの格好は目立ちすぎる!」

「確かに•••」


セノンたちが、しばらくその辺りを散策してみると、


ここは、古代の神殿を祭るための都市のようで、人は少ないがそれなりの地位の人が住んでいるようだった。


「シャドウライトシュラウド!」

セノンは、自分に姿を消す魔法を唱えた。

「ルミオは、隠蔽スキルがあるから安心だね」

「うん」


「とりあえず、服を拝借しよう」

「了解」


セノンたちは、手分けしてその辺の家で使えそうな服などを拝借した。


「とりあえず、格好はこれでいいかな?」

「たぶんね•••」


少し町を歩いてみると、みんながジロジロこちらを見てくる。


「何かおかしいのかな?」

「うん、なんだろう?」


「あのこたちは、どこから来たんだろうね?(古代語)」

「この辺の人じゃないね、すごく美しいからね(古代語)」

「天使様かなんかかね?(古代語)」

「そうかも知れね!(古代語)」


町の人たちは、二人のあまりの美しさに見惚れていただけだった。


「とりあえず、言葉をどうにかしないとね•••」

「これもちょっと拝借してきたんだけど?」

「イヤーカフス?」

「うん、綺麗だったから•••」

「あ、それ使えるかも!」


セノンは、イヤーカフスを手にするとなにやら、設定をし始めた。


「よし、これでいいかな」

「ルミオ、着けてみて!」

うん、カッコいい!


「ルミオ、私にも着けてくれる?」

「うん、いいよ」

か、可愛すぎる!


「これって、どういう効果があるのかな?」

「周りの話している内容を、記憶して分析する。さらに、自分たちの話した言葉と内容を照らし合わせて、自動で古代語に翻訳してくれるのよ」


「ええ、そんなことできるの?」

「ううん、たぶんね」

「とりあえず、たくさんの会話を聞いたり話したりして、サンプルを集めないとね」

「オッケー、市場へ行ってみよう!」


セノンたちは、市場を一回りして少しその辺りの人に話しかけてみた。


「はい、いらっしゃい(古代語)」

「ああ、分かるよ(古代語)」

「何が、分かるんだい?(古代語)」

「ああ、すいません、こっちのことです(古代語)」


「そうかい?あんたたち、どこから来たんだい?

この辺りの人じゃないだろ?(古代語)」

「え、何でですか?(古代語)」

「いや、何でってこの辺りにあんたらみたいに美しい顔立ちの人いないだろ?(古代語)」


「そりゃ、ルミオはカッコいいけど、私なんか•••(古代語)」

「あんたも女神様かと思ったよ(古代語)」

「いや、お姉さん誉めすぎですよ(古代語)」

セノンは、顔を赤くした。


【ここからは、古代語です】


「あんたら、なんか買っていくかい?」

「いや、実はお金がないんですよ」

「お金ってなんだい?品物同士を交換するんだよ?」


「まさかの物々交換だった•••」

「ちなみに、どんなものが取引できるんですか?」

「そうさね、うちの品だと例えば、この茶碗なら木の実一袋とかかね」

「なるほど」


「じゃあ、この耳飾りは?」

「そんな、高価なものここにある品物全部でも足りないよ!」

「ああ、お姉さんありがとう」


セノンは、足早にルミオを押してその場を立ち去った。

「まずいよ、このイヤーカフスってメチャクチャ高いんじゃない?」

「ヤバいかも•••」


「早いところ、移動しよう」

「そうね」


「一度、現代に戻ってお母さんに相談してみましょう」

「分かった」

ルミオは、一瞬で元の祭壇へ移動した。


「嘘だ!」

「えっ!」

二人は、フリーズしてしまった。


「鏡が•••」

「鏡がない•••」

「これって、帰れないってこと?」

「どこにいった?」

アルクは、焦ってそこらじゅうを探しまくった。


「どこにもない•••」

「イヤーーー」

セノンは、大声で叫んで塞ぎこんでしまった。


つづく

「玄孫無双」

古代龍編

【The AncientDragon】

をよろしくお願いいたします。

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