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伝説の魔女の玄孫の私は、この魔法の廃れた世界で 怪盗ウィッチとなって無双する    作者: 吾妻 八雲


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古龍復活【Resurrection of the Ancient Dragon】

第五章 迷宮名「大海大戦」1階

    ~“ Great Sea Battle”~


「海って初めて見ました」

「俺もだ!」

「風が気持ちいいわ」


「さて、移動は乗り物で良いとしても、問題は、水性モンスターが多いということだ」

「このパーティーには、雷鳴魔法を使える人がいないからね•••」


「俺は、炎系だからあまり役に立てそうもないしな•••物理攻撃くらいか」

「使えそうなのは、ボスコンとナミナの土魔法くらいか•••」

「あと風が効くかもね」


「その辺でやってみよう」

「はい!」


早速、メガシャークの群れが現れた。

周りを回遊しながら隙を狙っている。


一匹のメガシャークが、飛び上がって襲いかかってきた。

それを皮切りに、あちらこちらからメガシャークが飛び上がってきた。


「これは、厳しいだろ!」

「よし、全員脱出だ!」

「はい!」

「リタイア!」


一時撤退して戻ってきた。


「リタイアがなかったら、死んでたかも•••」

「そうだな•••」

「とりあえず、【5-1】か」


「あら、お帰りなさい」

「ああ、セノンさん•••」

「どうしたの?元気ないわね?」


「今、メガシャークに殺られそうになってリタイアしてきたんです」

「なるほど」

「雷鳴魔法が、使えないと水性モンスターは、厳しいですよ•••」


「あら、本当にそうかしら?」

「えっ?」

「それだけ、水と風がいれば楽勝じゃないかしら?」


「土じゃなくて?」

「もちろん、土は防御で役に立つけど、本命は水かな?」


「どういうことですか?」

「それは、自分で考えてね!」

「そんな•••」


「じゃあ、少しヒントを水は何に変化する?」

「ああ、」

「じゃあ、頑張ってね」

「ああ、あと複数属性持ちだと陥りやすいけど、合成魔法に頼りすぎずにね、基本属性だけでも極めれば十分に強いからね!」

そう言って、セノンは行ってしまった。


「ウーノ、何かに気がついたの?」

「うん、分かった気がする」


「じゃあ、早速リベンジ行くか!」

「はい!」


第五章 迷宮名「大海大戦」1階

    ~“ Great Sea Battle”~


「じゃあ、もう一度メガシャーク行ってみるか?」

「はい、ちょっと試したいことがあるので一匹だけ釣ってもらえますか?」

「オッケー!」


バルクーイが、スカイバイクで飛び出すと、一匹メガシャークを連れて戻ってきた。


「ウーノ、来たぞ!」

「了解です」

メガシャークが、勢いよく飛びあがった瞬間、ウーノが呪文を唱えた。

「グレイシャルヴェール!」


メガシャークの周りの海が、氷河のように大きな氷で覆われた。

メガシャークが、氷の上でピチピチ跳ねていると、

「アイシクルインペイル!」


無数の尖った氷が、メガシャークを貫いた。


「おお、ウーノやるな!」

「なるほど、氷ですね!」


「おそらく、土でもインペイルは使えますが、周りが水なので適していません」

「そう言うことか•••」


「じゃあ、風は?」

「風なら、ウィンドブレードテンペストなんかで切り刻んでしまうとか?」

「おお、いいなそれ!」


「あとは、飛び上がる前にサイクロンアセンドなんかで真上に放り出すと当てやすいかもしれません」

「なるほどね」


「討ち漏らしたヤツは、土魔法の防御で守れば良いですしね」

「分かりました」


「その方法なら、全員が役割を果たせそうだね!」

「よし、行くぞ!」

「おお!」


ウーノの作戦は、大当たりでバルクーイとマリアは、風魔法の連携で、ウーノとボスコンは、氷魔法の連携で、ナミナは、土魔法の防御と回復に徹した。


「面白いように狩れるな!」

「ウーノすごい!」

「へへ」

ちょっと照れている様子だった。


「もう【5-30】まで来たな!」

「そろそろ戻りましょう」

「オッケー」

「リタイア!」


みんなは清々しい顔をしていた。

「みんな、お疲れ様、どうだったかしら?」

「セノンさん、大成功です」

「それは、よかった」

「合成魔法だけじゃないんですね•••」

「バルクーイ、分かったかな?」

「はい、セノンさん」


「基本属性の魔法をまず極めることが重要よ、合成魔法は、その後でも遅くないし、かえって後の方が威力や制度も上がるからね!」

「はい!」

みんないい顔をしていた。


その頃、ガルマス商会では、ゴンドーズファミリーの壊滅の知らせを受けて焦っていた。


「ガルマス様、いかがしましょう?」

「あいつらどうにかしないと」


「そういえば、古代の遺跡から見つかった遺物があっただろ!」

「ああ、明日オークションに出す予定ですが?」

「出品は取り止めだ!今すぐ持ってこい!」

「いや、無茶言わないで下さいよ。ボス•••」

「いいから、持ってこい!」

「分かりました。ボス•••」


「これです•••」

「何だ?これは鏡か?」


それは、錆びまみれの丸っぽい板のようなもので、真ん中付近がうっすら輝いているように見える。


よく周りを見てみると、何やら文字のようなものが彫られている。


「なんて書いてあるのか分かるヤツはいないのか?」

「ボス、そんなこと言われても•••」


「ああ、何とかっていう古代文字を研究していたヤツがいただろ?」

「ああ、モルゲン博士ですか?」

「おお、モルゲン、モルゲン、そいつを呼んでこい!」

「今からですか?無茶ですよ•••」

「いいから、連れてこい!」


手下は、なんとかモルゲン博士と連絡をとって来てもらえることになった。


「ああ、モルゲン博士」

「いったい何事ですか?」

「実は、この鏡何だが?」

「こ、これは?」

「おお、何か分かるのか?」

「いや、全く分かりません•••」

「はあ?」


「ただ、これはすごい発見かもしれませんよ?」

「おお、そうか!」

「これは、何かの儀式に使用する鏡のようです」

「ほお、それで?」


「この周りの文字は、古代文字です」

「何と書いてある?」

「ええと、」

「我、求む、永遠の、星々、知識、海、持つもの、復活」

「どういう意味だ?」


「我は、求む。永遠の星々の知識の海を持つ者の復活を!」

「うん?何も起こらないぞ!」


すると、鏡が強く光ったかと思うと、燦然と輝く美しい鏡に変わっていった。鏡が、熱を帯びてくると博士は落としてしまった。


「こら、何してる?」

「ああ、熱くなってつい•••」


床に落ちた鏡の周りの文字が七色に輝いたかと思うと、二重、三重と魔法陣が展開された。


「ああ、これは召喚魔法だ!」

「おお、何が出てくるんだ!」


魔法陣の中央から、大きな爪が付いている巨大な手がゆっくり出てきた。


「あれは、ドラゴンの手では?」

「おお、ドラゴンか!仲間にすればあいつらなんぞ訳もないな!」

「バカな!ドラゴンを手なずけれる分けないでしょ!」

「バカだと!」


手が出て来そうになるが、大きすぎて引っ掛かっているようだ。

小さくなりながらも、部屋いっぱいの大きさのしわくちゃのドラゴンが、現れた。


「ああ、古代のドラゴンです」

「おお、ドラゴン!言うことを聞け!」


「我を呼び出したのは貴様か?(古代語)」

「なんだと?」

「まあいい、贄となれ!(古代語)」

「はあ?」


ドラゴンは、おもむろにガルマスに手を伸ばすと鷲掴みにして口まで運んだ。


「あわわ、わわ•••」

もう片方の手で博士を捕まえると、

「この世界の知識はどうやって学ぶのだ?(古代語)」

「あわわ、ああ、あれ、あれ•••」


博士は、PCを指差した。

「いただきます(古代語)」

博士も食べてしまった。


ドラゴンは、PCに爪を当てると、何やら目をつむって考えているようだった。


「これが、今の世界か!どうやら、魔法は廃れてしまったようだの•••」

一瞬で、現代までの知識を吸収してしまったようだった。


「まだまだ、贄が足らんな!このビルとやらにたくさん人間がおるようだ」

ドラゴンは、体から光を発すると、ガルマス商会のビル全体を包み込んだ。


「ごちそうさま」

商会のビルには、もう誰一人として居なかった。


次回 【Metastasizing ruins】

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