平凡な顔
林田 平は、目の前の男をみて平凡なこれといって特徴のない顔だと思った。
目が険しいとか、鼻が西洋人みたいに高いとか、耳が大きいだとかこれといって印象に残ることが何もなかった。
ありがちなのが、顔以外の例えば声とか表情や仕草などでもありきたりな印象しかなかった。
そう思いながら渡された履歴書に目を通す。
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三紀 入鹿は、このスーパーのレジのバイトで7度目の面接になる。
大学を卒業して学校からの推薦で申し込んだ会社が、事前キャンセルになってしまったからだ。
正直あせったが正社員を焦って決めて後悔したくないから、とりあえずバイトで食いつなぐことに決めた。週5日ぐらいで仕事経験がない自分でも、1から気楽にできればいいと思っていたし、職種を選ばなければすぐ決まるだろうと思っていたのだが甘い考えだった。しかしなぜ自分だけが人手不足のバイトでさえ入れないのか、流石に5度目の面接ぐらいからは自分にも嫌気がさしていた。
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暫くして、目の前の男に再び目線を戻すと、ああこういう顔だったんだな。
と思うくらいに特徴がないのだ。