告白して振られた (それぞれの想い)
彼女とは幼馴染だからわかる。
彼女(美以野 愛香)は変わった。
私の存在が彼女をそうさせてしまったのだろうか?
それとも彼と出会ったからだろうか?
今ではわからない、何が正解でどうすれば良かったのか
こんなことは望んでは無かった、、、のに
今までは、愛香は目立ったことはしない
人見知りの大人しいタイプだった。
なのに今、清水の舞台から飛び降りるごとく思い切ったことをしている。
この理由も、よく当たると言われた占い師に今年はいい年ですよ。
なんでも思い切ってやってくださいと、背中を押されたのがきっかけ。
いつもは、占いなんてすぐに忘れるのに‥。
親友の私が、片思いの彼に打ち明けてカップルになったから。
だから?そう、だから愛香もうまくいく‥なんて、勝手に思って後押しして
私もばかみたい。
見事に、ていよく断られた。親友が、パニックでいたたまれなくて
そんな状況みていられなかった。ごめんね。
◇◆〇〇◇◆〇〇◇◆〇〇◇◆〇〇◇◆〇〇
愛香
上手く気持ちを伝えられたのかわからない、だけど断られたことはわかる。恥ずかしくて惨めでどんな顔していたのか、自分がその時なんて言ったのか。まったく思い出せない。
ただ、その場所から彼の前から消えてしまいたい。と全速力で家に向かっていた。涙が溢れてきて、手の甲で拭いながら走っていた。
涙って本当にしょっぱいんだあ、なんて思いながら。
自分の部屋に入るとお気に入りの曲を大音量でかける。
でも、軽快なリズムの曲は余計に悲しくなる。
ちょっと前の自分を思い出すから‥‥。
彼ことリヨポン様と手を繋いで歩くことや、この曲の歌詞のようにちょっとした喧嘩をしながら仲を深めあう。なあ〜んて、幻想無残にくだけちる。
ばっかみたい。うっ、うっ、わあ〰︎ん。今まで溜めていた思いと涙が、これでもかと溢れてくる。こんなことなら、遠くから眺めているだけでよかった。
ニックネームをつけて、学校のどこかでみかけてドキドキ感を味わうだけでよかったのに。うっ、うっ。
「うるせえーよ。」急に声がする方向を向くと弟の陸人が、ドアの前で怒った顔で見ている。
「な、なんであんたがいるのよ」とやっと声を出す。涙と一緒に鼻水まで流れてくる。
姉のぐちゃくちゃな顔をみて一瞬たじろいだようだったが、それでも、視線を外しながら「うるさいからだよ。ヘッドホンなしで聴くな。どうせいつも言ってた、リヨポンとかいうやつに振られたんだろ」と言いたいことだけ言い捨てる。
的中され、近くにあるぬいぐるみを投げつける
「なんで、知ってるのよ」
「しっ、知るかあ。そんなこと。とにかく、お・ん・りょう」と、いいすててドアを乱暴に閉めて行ってしまった。
閉めるなり誰に言うわけでもなく(失恋かあ)とつぶやく。
これからはちょっと姉ちゃんにやさしくしようかな‥‥。