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笑い
幼なじみの英美は、歳の離れた弟のことが大好きだ。
今朝も、おねしょして今でも泣きだしそうな弟の顔が浮かぶと言っていた。
「本人にとっては、深刻かもしれないけれど。とっても、可愛いの」
そして英美の唇の両端がぎゅっと持ち上げられて、少し歯並びの悪い白い歯が現れる。
その左上には、小さい片エクボができる。
本当は、英美の弟の話なんてどうでもいいけど‥。
弟の話をする時の英美の顔は、どれひとつとして同じではない笑顔が溢れているから、みててあきないもの。
弟にやきもちやくほど…。