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7話

「なんか腹減ってきたな……そう言えば、昨日から何も食ってねぇや。どうしたもんか、このままじゃ飢え死にだ」


 いよいよ俺自身も危機感が生まれてきた。

 この状況のままだと俺はそこらへんに生えている雑草か運が良ければキノコが食べられるくらいのもんだろう。それじゃあ腹の足しにならねぇ

んだよ。どうすんだよ、このまま飢え死になんて未来はみとめれれねぇぞ。そうか、狩りをすればいいのか。幸い俺には健康な体がある。この体

を存分に使うことができればもちろん狩りくらいは余裕なもんだ。生死がかかった今の状況で俺の力は何倍にも増幅されていく。今現在ですら、

通常時の三倍程度の力を発揮できることは間違いないだろう。今の俺にかかれば、例え熊が出てきたとしても余裕で熊鍋だ。それくらいレベルの

違いがあるんだよ。俺の強さは熊程度じゃ相手にもならないからな。せめて、ライオンとかトラとか呼んでくれねぇとな。退屈しのぎにもなりゃ

しねぇ。でも欲を言えば、美味しい牛さんとかが出てきてくれりゃあそれが一番だけど、日本で野生の牛なんて話は聞いたこともねぇな。何かの

間違いで牛が現れねぇもんかな。

 でも、料理のしようがないな。調理道具なんてもちろん持ってきてねぇし、火を起こそうにも道具が一切ない。俺レベルにもなると、石さえあ

れば火を起こすことは可能だけど、めんどくさいことには変わりねぇ。こう言うとのために、どこかに出かけるときにはライターを持っておくべ

きだな。もし山で遭難してもライターさえあれば火を確保することができる。それだけでも生存確率は大幅に上がるだろうな。いや、俺は別にこ

んなところで死ぬなんて微塵も思ってねぇよ。これは、あくまでも一般的なやつのことを話してるだけだからな。俺には、関係ねぇことだ。一切

関係ない。俺には飢え死になんてありえねぇし、そもそもまだ森で遭難してるわけじゃないから。散歩してる途中なだけだからな。別に迷ってる

わけでもねぇし、ただただ散歩してて小腹が空いたって言うはなしをしてただけだ。


「あーあ、ちょっと腹が減ったなぁ。もうそこら辺の雑草でも食べてやろうか」


 雑草でも、美味しく食べることができる自身がある。俺はそう、草食系男子なんだ。俺ならば、雑草でも美味しいと思えるはずだ。実際、そこ

ら辺の雑草の中にでも食べられるものは混ざっているはずだ。全部が全部食べられないわけじゃない。もちろん、そんな草の目利きができるわけ

じゃないけど、何となく雰囲気でこれは食べられそうだってことくらいわかるだろう。俺の勘に間違いはない。どれだけいびつでグロイ見た目で

も俺の勘が食べれると言ってればそれは食べられる草なんだ。俺は自分の目よりも勘を信頼しているからな。そこははっきりしてる。

 しっかし、草を探してそのまま食べるって言うのも微妙な感じだな。やっぱり一狩り行くしかねぇか。俺の力にものを言わせて獲物を仕留めて

やるか。それが一番美味いもんが食えるよな。でも、キノコ探しで松茸を大量に見つけることができりゃあそれが最強かもしれない。俺のキノコ

センサーに引っかかってくれれば話は早いんだけどなぁ。キノコってのも案外ありかもしれない。肉とキノコと草。こう比べると間違いなく草は

ないな。それ以外から選んで行こうか。まずは、肉だけど、さっきも考えた通り調理器具がないってのが結構痛いよな。食べることができる状態

にするまでの労力が半端ない。それに比べてキノコは拾ってきて、水で洗えばそのまま食べられる。生で食べていいのか知らねぇけど、知らねぇ

しらってことは特に問題ないってことだ。つまり、キノコなら見つけさえすればすぐに食べられるって言うわけだ。


「まじかぁ、肉も捨てがたいんだけどなぁ。でも、準備するのが流石に面倒だよなぁ」


 こういう時に限って決めきることができない。

 いつもだったら俺はすぐに決めて即行動することができるんだけど、今の森という特殊な条件下で俺の判断力も鈍らされてるんだろうな。家と

かだったら、調理器具もあるし、狩り一択なんだけど。ここは森だからそうもいかねぇんだよな。めんどくせぇ。こんなに悩むくらいだったら食

わないってのが一番らくでいいんじゃないか? もうダイエットだと思って、食わねぇで我慢するか。少し腹が減ってる程度なら我慢したところ

で支障はないだろうし、これもダイエットだ。俺は体脂肪率1パーセントを目指してるからな。絶対に1パーセントまで落としてやるぜ。俺の根

気と行動力を舐めるなよ。どれだけ時間がかかろうが決めたことを絶対に達成するのが俺だ。というか、俺だからそんなに時間がかかるって言う

ことはないんだろうけど、俺にしては時間がかかるという意味だ。かれこれ、数週間くらいはこの目標を掲げて頑張っているような気がする。そ

れでも、いまだに1パーセントには至ってないんだよな。近いラインまでは来ているはずなんだけど、最後のラストスパートはどうも気配が違う

んだよなぁ。早く、夢の1パーセント代まで落としてやりてぇぜ。

 よっしゃ、気を取り直して森を散歩するぞ!!


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