表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/43

16話

「そう焦るんじゃない。まだおぬしとわしの会話は終わってないじゃろうが。勝手に逃げようなんて虫のいいことは許さんぞい。おぬしは徹底的に言い負かしておかんといかん気がするんじゃ。ということじゃから、まだまだつづけるんじゃ。おぬしが根を上げてもう無理じゃと叫び散らかして泣きわめいて許しをこうまで終わるつもりはないんじゃからな。おぬしも喧嘩を売る相手はしっかり選んでからにすることじゃな。今日、その大事さを身を持って思い知らせてやるからの。これもすべておぬしが悪いんじゃからな。間違ってもわしのことを恨むんじゃないぞい」


 このくそじじいぃ、マジかよ。自分が転生させる権限を持ってるからって調子に乗りすぎじゃないか? どういう神経してたら神がただの人間にこんな嫌がらせしてくるんだよ。どっか、このじじいよりも高位の神様が見てないのかよ。ここに調子に乗りすぎてるばかな神がいます。どうか助けてください。

 マジでどうすりゃいいんだよ。このままじゃ、このじじいの気分次第では一生このまま俺は転生もできずに、ずっとじじいと言い争うことになっちまうぞ。もちろん、さすがに一生ってことはないんだろうけどさ。それにしても大人げないとはこのことだよな。ぶん殴ってやりたいのを我慢するので精一杯だ。間違っても、これから神にはこんなわけのわからねぇじじいみたいにはなってほしくないな。神ってやつはもっと人間に優しくて俺たちのことを助けてくれるもんだと信じていたんだがな。これじゃあ、神だのみしてるやつらが全員可愛そうになってくるな。神頼みしても実際に聞いてるのはこんなくそじじいだぞっとみんなに教えてやりたい。なんとか届けたい思いも今や、このじじいの裁量次第だもんな。


「いいぞ、俺もまだ決着がついていないって思ってたんだ。じいさんこそ、俺に言い負かされて俺を異世界に転生させて逃げるなんてなしだぜ? そこら辺はよろしく頼むぞ」


「そんな無様な真似はせんわい。むしろ、おぬしは自分の心配をしたほうがいいじゃろうな。言い負かされるだけですめば良いがの。わしも勢い余って手がでらんとは約束できんからの。そういう点にも気を付けておくんじゃぞ。わしは恋に手を出したりはせんが、これでも心というものはあるんじゃ。どうしても無意識に手が出てしまうことくらいはあるのでの。わしとしても、もちろん手を出すつもりはないぞ。でももしもということはあるからの。先におぬしにも警告しておかんとな。気を付けるんじゃぞ」


「ふざけんなよ。そんなこと言ってる時点で手を出す気満々じゃねぇか。そんなこと言うなら俺だってもしもキレちまったら手が出るかもしれないからな。俺の方はなんてったって人間だからな。人間は過ちを犯す生き物なんだよ。俺の方で意識して自制していたとしてもそれは完璧じゃないからな。万が一にも無意識で手が出てしまう可能性は捨てきれない。俺だって注意はしとくぜ? でも、じいさんと同じでもしもってことがあるからな。そこらへんは気を付けておいてくれよ」


「はははっ。面白いことを言うではないか。おぬしごときが手を出したところでわしにはなんのダメージもないから心配せんでもよい。存分に手を出してみるがいい。もちろん、わしも反撃はさせてもらうぞい、こぶしで」


 神だからって自分に俺の攻撃が通用するはずがないって思ってやがるな。悔しいが、実際のところの力量差なんて俺にはわからねぇからな。本当にじじいの言う通り俺の力ではまったくもって通用しないって言うんだったら完全に俺は詰みなんだよな。これ以上何をしようが、じじいの言いなりになるしかない。でも、俺の力がじじいにも通用するって言うんだったら話は別だ。俺がこいつをぶちのめして言うことを聞かせてやる。こんな茶番はすぐに終わりにして、俺の目の前で土下座させてから堂々と異世界に転生してやるよ。そうなったらこのじじいからの命令なんて聞く必要もねぇし、魔王と一緒に世界征服でもしてやろうかな。どうせ、俺はこの世界の住人でもないわけだし、どうなろうが知ったことじゃない。それなら楽しそうなほうを選んだほうが良いに決まってる。俺は、断然強いやつと手を組んで世界征服するほうが楽しそうだ。魔王と戦って世界を救うって言うのもなかなか捨てがたいが、世界征服には勝てないだろうな。世界中を自分たちの領土にしてしまったときの達成感はどれくらいのもんになるのか想像もできない。そうなれば、異世界はすべて俺のものというわけだ。魔王は俺の一番目の子分にしてやるか。俺の方が強かったらそうなるかもしれないけど、実力が拮抗してたりしたら面倒だな。そうなると互いに対等な関係になっちまうからどちらが上とか争うこともできない。はぁ、早く異世界に行きてぇ。こんなくそじじいと無駄に話してる暇なんてないんだよな。このじじいも早く諦めてくれよ。なんで、無駄に引っ張ってくるんだ? もしかして、俺と話すのが楽しくてしょうがないからとかか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ