小さな探偵と冷徹な探偵
前書きって何を書けばよいのでしょう。
いくつかアイデアはあるけどかくのめんどくさい
都内のボロアパートで氷堂哀須は探偵事務所を営んでいた。金さえ積めばどんな依頼でも引き受ける。年に2,3回依頼を引き受け解決しその報酬で自堕落に暮らす。そんな生活を数年間してきた。彼はできるだけ人と関わらずに生きていたかった。
いつもの様に本を読んでるとチャイムが鳴る。
ちょうど貯金も減ってきた。ちょうど良いタイミングの依頼だ。哀須はそう思いながら玄関を開けた。
「いたずらなら帰れ」
冷たく哀須は言う。
彼の目線には中学生くらいの少年がそこにいた。
「で、弟子にしてください!」
少年は深々と頭を下げた。
「弟子はとらん。依頼じゃないなら帰れ。」
「じゃあ依頼です。」
「ガキでもまけたりしない。10分1000円で聞こう。いいなら入れ。」
少年は小さくうなずき、二人は部屋に入る。本と生活必需品しかない部屋。少年は部屋をキョロキョロ見渡しながら歩いていった。
「コーヒー飲めるか?」
「あ、じゃあお願いします」
哀須は冷蔵庫から缶コーヒーを2本取り出し少年に一つ渡した。
「で、依頼は?」
「弟子にしてください。弟子じゃなくてもいいです!無償無休で働きます。」
「なぜ俺なんだ。他にも探偵はいるだろ?」
「哀須さんはかっこいいです!しかも難事件を次々と解決してる!僕の憧れです。絶海の孤島殺人事件、双子嫉妬殺人事件、ダイアモンド盗難事件…あぁ憧れます」
哀須は一人で行動してきた。普段ならこんなやつを弟子にする気はないが少しだけ興味が湧いていた。
「そうだな。簡単なテストをしよう。」
哀須はそう言いながら黙る。数秒した後左ポケットを漁る。
「こうしよう。今俺の左ポケットにクッキーが一枚入っている。それが割れているか割れていないか言い当ててみろ」
少年は少し考えた後
「制限時間はどれくらいですか?」
「5分」
「わかりました。師匠」
「師匠じゃねーよ。」
哀須は軽く突っ込む。
「5分後には師匠です。一つだけ確認させてください。左ポケットにはクッキーが一枚だけ入っているんですよね?」
「ああ」
「なら、大丈夫です。」
「で、答えは?」
「答えだけで合格にしてくれないでしょ?師匠。まず初めに推理したいのはなぜポケットにクッキーが入っているのか?僕が来てから師匠はポケットになにか入れた様子はなかった。つまり、僕が来る前からポケットにクッキーは入っていた。それなら依頼人などからの貰い物の可能性がありますが飲み終えた缶コーヒーがキッチンにないため今日依頼人が来た可能性は低い。さらに服は普通の人は毎日着替えるので師匠が今日ポケットにクッキーを入れたと考えられます。ずっと家にいたとしたら割れる可能性は低いでしょう。」
「つまり割れていないでいいんか?」
「まだ推理の途中です。これが第一の考察です。しかし、これだと勘で当てれてしまいますし、師匠、僕が割れてないと言ったら取り出すときに割りますよね?師匠。ポケットに手を入れないでください。僕が確認します。」
哀須は少し驚き
「…降参だ。わかった。こき使わしてやる」
「ありがとうございます!これからよろしくおねがいします師匠!」
「その呼び方やめろ。」
「部屋は勝手に使ってくれ。あと、次の依頼はあんたが全部やってみろ。たっぷり稼いでみろいいな?」
「え?僕が全部…?」
「やってみろ。いいな?」
「は、はい!師匠」
弟子は笑顔で答えた。
名前にモデルはあるけど名前だけ