表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力者のいる平和なき世界で  作者: 天条零夜
2/6

2話 能力者

教室に入る。そこにはたくさんの机とクラスメート達がいた。


ざっと見回すと桜花がいた。一瞬だけ目があったが、お互いに干渉はしない。


俺が席に座り、あとから来た人たちも席に座ると、教室に入ってきた、担任が挨拶を始めた。


「皆、揃ったかな。私は月夜葵。君たちの担任になったからよろしくね。因みに、先生は第二階能です。」


月夜先生の挨拶にはどよめきが起こった。階能者が担任なことに対してだ。


能力者ならば、能力を持つ人たちに優遇する確率がとても高いのだ。


生まれた頃から特別扱いをされてきた人種のため、彼らは自分達が特別な存在と思っていることがよくあるらしい。


だが、俺が驚いたのは月夜家の人間が担任のことだ。


月夜家は三家月(みかづき)と呼ばれる日本屈指の実力者たちがいる家系であり、俺も関係のある家系であるのだ。


そんな人間が担任なのが意外でしょうがなかったのだ。


担任は俺の方をみて敬意を示してきた(軍で習った独自の示し方で)。


これで、どういうことか分かった気がした。いつまでも俺は監視の対象ということが。



初めての学生生活に夢をみていた俺がショックを受けている間にもホームルームは進んでいった。今は、自己紹介を各々がしているところだ。


聞いている感じ、能力者は半分程度いることが分かった。そのうち三人(桜花を含めて)は顔を知っている。


考えごとをしていると俺の番がやってくる。


「俺は駒野紅羽。よろしく。」


内容は普通。正直な話、これ以外に話せることがないのだ。


パチパチパチパチ


俺自己紹介を終えると拍手をしてくれた。なんだか、すごく嬉しい。


そのあと、自己紹介も終わり、明日の連絡を聞いて今日はお開きになった。



俺は、皆が直ぐに家に帰ると思ったのだが、皆は先生がいなくなると仲良く会話を始めた。


友達作りが始まったのである。だが、俺には友達作りをした経験がなく、何をしているのかさえわからなかった。


そんな俺に、桜花が話しかけてくる。


「えっと、駒野紅羽君ですよね。」


桜花は笑顔で声をかけてくる。もちろん、初対面のふりをして。俺も、便乗して返す。


「うん、そうだよ。天野桜花さんだよね。よろしく。」


「はい、こちらこそ。よろしくお願いします。」


そこからは簡単でクラスの人と軽く会話をして仲良くなる。


これが何になるのかは家で聞けばいいと思いながら。


時間が少したってしまったが、俺は約束があるので校長室に行く。



トントントン 「はい、どうぞ。」 「失礼します。」


ノックをして俺は校長室に入った。


「おぉ、来てくれたか、紅羽君。君を呼んだのは、君について知りたいからだ。答えれる範囲で教えてくれないか?」


「はい、いいですよ。」


「そうか、まずは、かけてくれ。」


言われるままに俺は腰かける。


「では、まず君の本当の力を教えてくれるかい?」


「最初から、核心的な質問ですね。」


でも、その前に俺は能力を使う。


次の瞬間、校長室を一つの障壁が覆った。


「外に聞かれるわけにはいかないので、すいません。俺の能力は……する能力で、第一階能者で、月影家の人間です。」


「そうかい。ありがとう。では、もうひとつだけいいかな?」


「はい。」


「なぜ、この学校を選んだのかだ。」


「あぁ、それは家から近いからです。もちろん本家とは違いますよ。それに、ここは能力者も受け入れてくれると聞いたので。」



この質問を答えているときにひとつだけ、俺は自分の失敗に気がついた。そう、桜花に家の鍵を渡していないのだ。家の場所は知っているような口ぶりだったから問題ないだろいが、いくら、4月といっても外に長い時間いたら寒いことだってある。悪いことをしたと思う。


まぁ、この後は質問もなく直ぐに解放されたので俺は急いで家に帰ったのだが。


遅かったらしい。桜花はすごく怒っていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ