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超能力者のいる平和なき世界で  作者: 天条零夜
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1話 高校生

2156年、超能力者と呼ばれるものが発見された。発見のきっかけはテレビの企画で天才と呼ばれる子供を検査したことだった。


そして、各国で超能力者が発見されるようになった。そうなれば必然と戦争が起こった。それは、力を持ったものたちが生まれたためだ。領土を増やす。力を示す。いろいろな思想のなか超能力者たちは戦争にまきこまれていった。


戦争が始まって20年くらいはたったころ、終戦を迎えた。結果は、各国が超能力者を多く失うだけだった。領土が増えるでも力を示せるでもないのだ。過去の知恵を持った一般兵たちが超能力者を止めたお陰で世界は不安の渦から解放された。


戦争の次に日本がとった措置が、貴族制度の復活。超能力を持った家系に国への貢献度、国が定めたランクに応じた権力が与えられるようになったのだ。戦闘系の能力者は第一階能が最高権力。生産系の能力者は第四階能で第一階能と同じ権力が与えられた。


また、学校も超能力の為の学校が作られ始めている。








桜が誇らしげに咲いている。散っていく筈の花びらがまるで散らないのではないのではないかと、思えるくらいに美しく。


これは俺の初めての学生生活を応援してくれているのだろうか?いいスタートが切れそうなのは嬉しいのたが。


考え事をしていると声をかけられた。


「綺麗な桜ですね。」


俺は声がした方向を向く。そこには女の人が立っていた。


「そうですね。入学式にはピッタリの状態ですよね。」


俺の言葉に相手は笑った。


「ごめんなさい。本当にその通りですね。」


それから相手はこう続けた。


「私は、翔星高校の新入生総代をつとめるんです。ですから、早くきたのですが貴方は?」


「俺は何となく早くきたんです。総代、頑張って下さい。」


同じ一年生だとわかり俺は少しだけホッとした。


話を少し、していたら彼女は時間がきたらしく、体育館の方へ行ってしまった。


彼女がいなくなったのを確認したあと、俺は木の裏にいる人に声をかける。


「誰だ、出てこいよ。警戒しなくていいぜ。攻撃はしない。」


そういうと、木の裏から女子が出てきた。


「すみません、確かめるような事をしました。私は軍からあなたの側に行き、強くなってこい、と言われてきました。天原桜花(あまはらおうか)です。お願いします。紅羽(くれは)さん。」


「そうか、俺は許可した覚えがないんだがな。まぁ、どうせ命令だろ。分かったよ。時間があったらなんかしてやる。あとは、自分で努力しろ。」


「はい、分かりました。お世話になるので家では家事等はやりますので。」


「おい、ちょっと待て。家では?お前、もしかして一緒に住むのか。」


俺は聞き間違いであることを信じて聞く。だが、答えは。


「はい、一緒に住みます。自分よりも強い人なので何をされても問題はありません。それと、私はお前ではなく桜花です。」


「分かったよ。桜花、まぁ、広い家に独り暮らしもつまらないからな。変なことはするなよ。」


これには、安堵したようにしたように、桜花はホッとしていた。


「有難うございます。紅羽さん。お陰で野宿しなくてすみます。」


野宿って冗談だよな。変な子でなければいいのだけれど。



それからは俺が別行動を望んだため、一人になることが出来た。


俺はここにきて、超能力者の義務から少しの間解放されるつもりだったのに。


面倒なことになってしまったな。



その後、俺は高内を散歩しに行った。今日は入学式の後、校長と話をしなければならないため、散歩が出来ないのだ。



少し、歩いているとちらほら人を見るようになった。時計を見ると入学式まで、後30分になっていた。


しかし、俺は5分前くらいに行けばいいだろうと思っているため体育館には向かわない。


そんな俺に声をかける人がいた。


「君は新入生だろう?早く体育館に行ってくれ。誰が来ているか確認したいのでな。」


男である。後ろには女もいる。二人とも腕には風紀委員と書かれている。


「分かりました。ありがとうございます。」


予定は狂ったがしょうがないので俺は体育館に行く。


(驚いたな、能力者にこんな直ぐに会うとは思わなかった。)


上級生の能力者(階能者)に会えるとは思っていなかったのでこの出会いは何かの縁だろうなと思っておくことにする。



体育館に着くと生徒たちは自由に座っていた。


前の方に桜花がいた。桜花は俺がいるのに気が付いたのか、隣に来ますか?という目で俺を見てきたが俺はその場から離れることで違う場所にすると伝える。


皆が始まるのを待っていると、きれた男の声が聞こえてきた。


「おい、お前。俺は第三階能なんだぞ。口の聞き方を考えろ!」


俺は愕然としてしまった。さすが、表の階能者だ。裏にそんな事を考える者はいないだろう。


因みに表とは軍により、成長が見込めないとして、訓練を途中で終わらせた人達のことである。ほとんどの人が早く軍部からでたほうが優秀と思っているのだか、そうではないのだ。


このことを知らない人々が結構いる。まぁ、そのように勘違いするように仕向けられているのだが。


裏は訓練を行わせられる、15歳(中学校課程終了)まで行い表よりも高難易度の階能者試験を受ける人達をさす。


これは、国外に強力な能力者の情報を漏らさないようにするためのやり方だ。


今の俺は戦統系の第四階能としてこの場にいる(本当は裏の戦闘系第一階能)。


どうしたもんか、と考えていると先程俺を体育館に向かわさせた風紀委員の男の声がした。


「学校の敷地内で権力をかざす行為は禁止されている。幾ら新入生であろうと、第三階能であろうと関係はない。」


声をかけられたときに確認したが風紀委員のこの男は表の第二階能だった。


第何階能かは胸元にあるバッジが示している。これは法律で能力者がつけるように義務づけられている。



まぁ、今回は風紀委員の先輩のお陰で何も起きずにすみそうだ。権力も先輩のほうが上なのだから。


実際、何も問題なくこの場はおさまった。


その後、直ぐに入学式が始まった。内容は覚えていない。だが、総代の挨拶は大成功らしい。反応がとても良かったのだ。


入学式も終わり、俺たちは各々の教室へ行くことになった。楽しい学生生活になることを祈りながら俺は教室に行くのだった。

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