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「『流るるままに』に」
『流るるままに』に
魅入られた獅子、在るが儘に
木を突きだし、ママに縋り泣き
それを見たキツツキは見知らぬ儘に
知らん顔ばかり
おぅい、雨よ
私の「汚い」を洗い流してくれる雨よぉ
そのまま忘れさせる気かよぉ
雨の方こそ思い出してよ
私の汚かったあの衝動を取り戻させてよ
雨に濡れて綺麗になるのはまだ早いの
私はまだまだ流るるままに
俗物に塗れ、在るが儘に
情けない故に、縋り泣くように連ねて
日々の痕跡を、汚くても残したいの
この傷に名前をつけましょう
『流るるままに』と名付けましょう
やがて私が忘れられても
『流るるままに』に
魅入られた獅子、在るが儘に
木を突きだし、ママに縋り泣き
それを見たキツツキは見知らぬ儘に
知らん顔ばかり
おぅい、雨よ
私の「汚い」を洗い流してくれる雨よぉ
この世界の汚さは忘れられないぞぉ




