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その7 気まぐれテラマアサのお勧め妄想モード

~~~~~~

33人の女の子が公園で円陣を組んでいる。

エスパー部隊は全員来た。

そして今、友美と芽衣はライブ会場の中に居る。


円陣の中央でエスパー部隊のリーダーの佐藤柏は手に二つのスイッチを持っていた。

艶女スイッチとヤンデレスイッチ。


エスパー部隊の右副長の宮崎那卯がそっとヤンデレスイッチを柏から受け取り、感慨深くつぶやく。

「友美様は、そうとう私達を信頼しているのね。まさかヤンデレスイッチを預ける相手に私達を選ぶなんて。」


柏は手を握り締めて叫んだ。

「不肖柏は、今猛烈に感動しています。スイッチはどれほどの犠牲を払ってでも手に入れる価値のある存在。そのスイッチを私達に預けるという事は、真に信頼している証。まさに真の仲間と認められているという事です。」


そこで左副リーダーの江戸川園子が言う。

「だけど、最後にVさんが言った『ヤンデレスイッチは預かっている間に好きに使って良い。』って言い残したのが気になるわね。何を企んでいるのかしら」


そう、Vはエスパー部隊に自由使用権を認めたのだ。

友美は少し不安そうだったが、それでもエスパー部隊にスイッチを預けた。


柏はそこで手を上げる。

「そこで、使うか使わないかは別にしても、ヤンデレスイッチが何が出来るか調べないといけないと思います。」

全員がその言葉にうなずいた。


そこで柏は艶女スイッチに問いかける。

「ウズオズメちゃん、ヤンデレスイッチに話しかけても返事が無いから代わりに聞いてくれませんか、ヤンデレスイッチの力について。」


『聞いてみますね。なんかテラマアサちゃんは今ちょっと欝モードみたいだから、どれくらい詳しく聞けるか分からないですが。』

「ありがとう、宜しくお願いします!」


宮崎那卯は驚いた顔でつぶやいた。

「5次元人も欝とかあるのね・・・。」


待っていると、ほどなくして艶女スイッチから返事が変えてきた。

『柏ちゃん、思ったとおりあんまり詳しく教えてくれなかったんですけど、ヤンデレスイッチは過去に類を見ないほどの万能スイッチらしいですよ。とにかく「好き」って気持ちを叶える為に、偶然の演出、思考麻痺、記憶の改ざん等、なんでも行えるらしいです。でもすべては持続時間は数十分から数時間らしいですから、タイミングは大事らしいです。」


「どの面を合わせると、何の効果がでるかとかは分かりますか?。」

『あ、それが大事ですよね、ちょっと待ってて、いま聞いてくるから。』


そして数秒待つとすぐに返事が返ってきた。


『なんかね、

赤色はどんな妄想ストーリでも一人を中心に絶対的に巻き込めるで。

紺が愛のアドバイス。

蛍光黄色が広範囲の人に無差別妄想巻き込みモードで。

紫が気まぐれテラマアサのお勧め妄想モード。

灰色が気持ちの深いところに素直な妄想がくりひろげられるモードで、

白がキャンセルだって。』


「ありがとうございます。なかなか複雑なモードですね。特に紫面とか灰色面は、限りなく博打にちかいですね」

『スイッチは、中に居る5次元人の性質に影響されますからね。イケメンスイッチみたいにシンプルで強力なスイッチのほうが、実は珍しいんですよ。』


「なるほど、わかりました。ありがとうございます。」

『お願い聞いてあげたんだから、私のお願いも聞いてください。』


「え、なんですか?」

『またスイッチの中に遊びに来てください。できたらすぐに』

「あ、今は友美様の大事なお役目中ですので、このお役目が終わったら後日にでも願いします」

『やったあ。じゃあ友美ちゃんもお呼びしましょう。楽しみです。』


そして皆でスイッチを眺めた。


「使い方はわかりました。それでは、友美様に悪いですが。。。。不肖佐藤柏は、このヤンデレスイッチを使う気満々です。しかもですね、ここは一つ、思い切って紫面の『気まぐれテラマアサのお勧め妄想モード』を試そうと思います。私たちは自分の欲望も大事ですが、友美様のためにこのスイッチの機能の探求も大事だと思うのです。」


みんなうなずく。


そして、柏は数分かけて紫面をそろえた。


するとそろえた面からスイッチがでてきて、そのスイッチには「気まぐれテラマアサのお勧め妄想モード」と書いてあった。


「では押します!」


カチン


そしたら、テクテクとVと友美と芽衣が歩いてきた。


柏は慌てて話かける。

「あれ、時間よりも早かったですね。」


友美は走って近寄る。

「だって、なかは気持ち悪いおじさんたちがギュウギュウなんだもん。我慢できなくなってでてきちゃった。それよりもスイッチは使ってみた?」


柏は申し訳なさそうに言う。

「はい、紫面を試してみました。」


「気まぐれをつかったの?それで何が起きたの?。」

「あはは、友美様とVさんと芽衣が歩いてきました。」


友美は大笑いをした。

「あはははは、そしたらこんな地味なことになったのね。もっと赤面とかやればよかったのに。」

「いえ、自分達は友美様が一番試さなそうなスイッチを使ってみようという話になりましたので。」


「・・・みんな。こんなところでまで私のために・・・・ありがとう。」


柏から友美にヤンデレスイッチが返されたが、友美にはそのスイッチが思ったよりも重く感じた。

~~~~~~

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