すっぱいみかん
ある日、狐は垂れ下がった木の枝に、みかんが一つなっているのを見つけました。
みかんはとてもすっぱそうで、それを食べたくて眺めているうちに狐の口につばが出てきました。
みかんは高い枝になっていて、狐はそれを取るのに飛んだり跳ねたり色々と試してみましたがダメでした。
そこで狐は座り込み、それでもまだみかんを見つめて言いました。「やっぱり高いところにあるからすっぱいんだろうなぁ」
そうこうしていると親切な熊がやってきて「みかんが欲しいならあげよう」と言い、持っていたみかんを渡してくれました。
「やっぱりこのみかんはおいしい」と熊は言いながらみかんを食べていて「すっぱいんだろうな」と思った狐はそのみかんを食べました。
狐は驚いた顔をして言います。「甘いばかりですっぱくないじゃないか」対する熊も驚いた顔で「甘い方がおいしいじゃないか」と返します。
そうしてまた狐は木になっているみかんを取ろう走ったりひっくり返ったりしはじめましたとさ。