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番外編~日本国政府の対応~

―首相官邸前―


「「蛮族共をを皇国から叩き出せッ!!」」

「「戦争反対!憲法守れ!!」」

「「戦艦大和はどうした!?」」

「「総理は何をやっている!?」」


 ……騒がしい。こちらの都合も考えてくれてもいいだろうに。

機動隊が懸命にデモ隊を押し留めてくれている。本当に感謝である。


 そう車内で思いつつ、私は車を急がせた。



―首相官邸国家安全保障会議(緊急事態大臣会合)―


「お見えですッ!!」


「「総理!!」」


 閣僚たちが一斉に私に対して立ち上がった。


「……座ってくれ」

 そう言うと同時に、手で座るように促す。


 内閣総理大臣の私は、国家安全保障会議を招集した。


 私はまず国土交通大臣に状況を問う。国土交通省が海上保安庁を管轄しているからだ。


「状況は防衛大臣から大体聞いたが……確認の意味で、もう一度整理する。国土交通大臣、海上保安庁はどうなっている!?」


「はい、中国海警の大型船複数隻が尖閣諸島、沖縄の周辺海域に現れ……巡視船の警告や放水を無視して、領海に侵入!!」


(何ということだ……)


 すると海上幕僚長が挙手する。

「よろしいですか総理!!」

かなり切迫した様子だ。


 割り込んで発言することはマナー違反だが、そんなこと気にしていられない。見逃そう。


「ああ……?どうした?」


「尖閣諸島周辺海域には、中国の強襲揚陸艦が向かっていると警戒機からの報告がありました!!」


「「……何だと!!」」


 一気に場がどよめく。


「総理。こればっかりは戦艦大和がいないとどうしようもないですぜ」

 べらんめえ口調で発言したのは副総理兼財務大臣だ。この場では最年長の閣僚で、色々と頼りになる方だ。ネット掲示板では絶大な支持を得ているらしい。


「そうですね、副総理……」


 副総理の言うことは正しい。が、肝心の大和が異世界にいるために通信ができない。


(一体どうすれば良いのだ…………)


「総理!!」


「どうした?統合参謀長」

 国連日本陸海空軍の長たる統合参謀長が慌てた様子で入室してきた。もっとも、最高指揮官は内閣総理大臣たる私だが。


「……戦艦大和が、帰還しましたッ!!!!」



そう告げられた途端、室内に大きな歓声が響いた。


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