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沖縄侵略

「ああ……終わった……」 


 そう呟き、女王陛下は椅子にもたれかかる。

核ミサイルの迎撃成功に誰もが安堵していた。


"艦長!!!!"


 航海長が艦内マイク越しに声を張り上げる。普段は冷静で穏やかなあいつが珍しい。


「どうしたってんだ!!?」


「緊急事態ですッ、至急艦橋にお越しください!!」


 切迫感に満ちたその声に急かされ、俺は艦橋へと急ぎ上がった。



―戦艦大和艦橋―


「艦長上がられます!」


 その号令に気付いて航海長が駆けよってくる。


「あ、艦長!!お待ちしておりました」


「状況は?」


「海面上に、巨大なホログラムが出現しました!!」


 急いで見張り台にて確認する。

……確かにあった。人物の立体映像だ。


人物に見覚えがある、あいつは……。


「デウゴスね」

女王陛下に台詞をとられた。


 方舟の首脳陣が続々と艦橋に来た。天皇陛下もいらっしゃる。


 立体映像が喋りだした。


"……よくぞ撃ち落としたな。だが、これで終わると思うな……!"


(何をする気だ……)


"……既に中国は尖閣諸島を奪い返しつつある……"


「「……!!!!」」


 何ということだ。

 デウゴスの話によると……大和が方舟に来た隙を突かれ、人類解放軍が日本に攻めてきやがった。


 日本側は当然皆、驚き、顔をしかめる。方舟側は「何のことだ」という顔つきをしている。


「くそ……!」


「どうかしたの……?艦長」


ミュラ女王が尋ねた。


「実は……」


 大東亜戦争から現在に至るまでの国際情勢、領土問題、政治、憲法9条の問題をかいつまんでお教えした。(嘘は言っていないよ)特に尖閣諸島奪還作戦のところでは熱が入ってしまう。息子を失ったからだ。


……方舟側は唖然として聞いていた。


「……許せんな」


「朝鮮に……中華人民共和国という国……野蛮だ!!」


「日本はよくぞ耐えたものだ」


 意見は一致した。だが……。


「し、しかし」手を挙げたのは航海長だ。


「陽動っていう可能性、ありますよね?大和が日本に戻った途端、方舟はやられるんじゃ……」


「うむ……そうだな……」


考えが煮詰まってしまったその時。


「行きなさい」


「女王陛下……!?」


「行くのよ。貴方たちの大切な国でしょ」


 皆が俺を見る。俺の判断を求めているのだ。


「……大和は、」


俺は決断した。


「……大和はこれより、人民解放軍を駆逐する!!」



日本を奪還せよ

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