拉致被害者奪還作戦
-戦艦大和-
怒濤の飛沫を上げながら大和は迫る。目指すは北朝鮮。
「有効射程圏内まであと3分!!」
「了解!対水上戦闘用意!!」
「たいすいじょ-せんと-よういッ!!」
大和がレールガンで、敵を薙ぎ払ってから、異世界部隊が降下するという作戦だ。既にその部隊は自衛隊輸送機で接近しつつあった。
この前代未聞の大作戦に、戸村艦長は困惑しつつ指揮を執るのであった。
-北朝鮮平壌-
金序運国務委員長は苛立ちを隠せない。
「日本の戦艦だと!?……海軍はどうしたのだ!なぜ出動させん!?」
「偉大なる金序運同志、我らが海軍は既にやられました……」
「なっ……では空軍はどうしたのだ!?」
「空軍基地は……大和主砲にやられました……」
「…………」
金はうなだれる。
「「同志!!ここは危険です!!脱出を!!」」
その時。
"自分だけ逃げ出すというのか?金序運くん?"
「「なっ!?!?」」
口髭をたくわえた金髪の大男が、マントをたなびかせ立ちふさがる。
彼こそが方舟の軍事大臣である。日本国の防衛大臣とは違って、彼自身も、武官たる「大将軍」なのだ。
大臣のバスターソードの剣先が地面に叩きつけられ、火花を散らす。
「ひぃぃ!」
北朝鮮の最高指導者にあられる金序運様は、情けない声をあげてヘナヘナと座り込む。
"その辺にしておいてあげたら?"
「陛下!?」
結局。
北朝鮮高官は異世界の戦士に屈伏するのであった……。




