おぬしを呼んだ理由
「ここは何所だ」
俺はそういいながらあたりを見渡した。俺の目に映った世界は、神秘的で漫画やゲームで出てくる神々が住まう場所、アスガルドのようだった。
あくびをしながら考えていると、
「来たようじゃの」
背後から声をかけられた、振り向くとそこには、白髪、白髭を生やした身長百六十五センチぐらいのどこかで魔法学校の校長先生をやっていそうなじいさんがいた。
「じいさんは誰だ」
「ワシか?ワシは異世界の神様のをやっているものだ。そして、おぬしをここに呼んだものでもある」
「あんたが神様で俺をここに呼んだ?そんなことあるわけ無いだろ。これは夢だ。さっきまで読んでた小説の影響でこんな夢を見てるんだ。」
そんなことを言っているとじいさんが近くに来て、何所からか杖を取り出し、俺を殴ってきた。
「痛っ~~」
「夢じゃないじゃろ」
「それを確かめるためにこんなに強く殴るか普通」
殴られた頭をさすりながら怒り気味の声で言うと、
「すまん、すまん」
と笑いながら謝る。
「まあ、あんたが神様であることは認めておこう。でも何で俺を呼んだ。」
神様が少し深刻な顔をして、俺を呼んだ理由も話し始める。
そして、神様は話した。自分がやったことを、自分が犯した失敗を。
俺を呼んだ理由は、世界を変えてほしいということだ。
「でも何で俺が呼ばれたんだ?俺以外にもいくらでもいるだろ。」
「いくつか理由はあるが、その中のひとつでは、おぬしが魔法の素質があることと、おぬしの潜在スキルが優れていることだ。」
神様は、少しにこやかな顔をすると話し始めた。
「そして、一番の理由は、おぬしが優しく自分の正義を貫き通す。鉄の心があったからだ。」
「何でそんなことが一番なんだ」
俺がそう言うと、もっと深刻な顔をして話し始める。
「それはだな、ワシの世界では種族同士の戦争や差別をするやつがたくさんいる」
「それがどうした」
「ワシは世界を見ている時にたまに変な感覚が襲ってくる。その感覚で世界の未来が予測できる。それで、差別などで世界が滅ぶと分かった。」
「分かっているならあんたが神託でもやって、止めればいいだろう」
「それはできない。神は創った世界の生物に触ったり声をかけるなどの肉体的な干渉はできない。
その言葉に俺は疑問を持つ。
「それはおかしいだろ。それが本当だったらなぜ、俺はここに居る」
「それはだな、肉体的干渉ができなくても、間接的な干渉ができる。」
「間接的な干渉?」
「間接的な干渉とは、たとえばワシが創造神の力でわしのに世界の魔方陣を生み出し設置しておく。その世界の人物がその魔方陣を発動させる。これが間接的の干渉じゃ。」
と、かなりざっくりとした、説明でなんとなく、俺を呼んだ方法は分かったが、
「それと肉体的干渉ができないのは作った世界の中であって神の世界は関係ない」
と笑いながら言った後
「ワシはの、この天界から、おぬしを見つけた瞬間おぬしがワシの世界に居れば何かが変わると思ったのじゃ」
神様は、そしてまた大きな笑みを浮かべた