ギルド到着
ガラン、ゴロン、ガラン、ゴロン
俺は馬車に乗せてもらっていた。
今、何で馬車に乗っているのかと言うと、ウッド村から出て数時間歩いた後ボルグさんに言われたとうりに北の街道を歩いていたところ、ちょうど同じ町に向かう馬車を見つけて道中襲ってくる魔物から馬車を護衛をする代わりに馬車に乗せてもらったのだ。
「zzz・・」
しかし、俺は寝ていた。俺は馬車の後部で座りながら魔物が襲ってこないか監視しているはずなのだが、俺は居眠り、つまりサボってきたのだ。
「zzz・・」
ガラン、ゴロ、ヒヒーーンブルブルブル
俺は、今まで動いていた馬車が止まったことと、馬の鳴き声で少しずつ目を覚まし始めた。
「う~~~うん?」
そうすると、俺に近づいてくる足音が聞こえた。
「おい、お前さんついたぞ」
と、男の声が聞こえた。この声は俺を馬車に乗せてくれた陽気の良いおっちゃんの声だ。
「ついた?どこに?」
と答える。寝起きだからなんだか記憶がはっきりしない。
「お前さん寝ぼけてるのか?着いたんだよ、ヒューズに」
※
ここは人間国最古の国オルドデシアの王都に続く二番目に大きな都市ヒューズ。
この世界には五つの大陸がある。オルドデシアこの五つの中の北東にある大陸だ、この大陸は緑が豊かで南東には森が広がっていて魔獣や植物の類の魔物が多く生息しているところだ。北には山岳地帯で魔法鉱石が多く取れる豊かな土地だ。
この知識は狼王、シルバーウルフを倒した後の二日間ジェルさんに教えてもらった知識だ。
そして、この町ヒューズは港町の近くにあり、そして、山岳地帯と森の中間辺りあるため、森からの木材などの素材や魔法鉱石の各国交易や大きな商業ギルドが商いをするため、ヒューズ王都に続く大都市に成長したらしい。
そして、俺はそのヒューズにいる。
※
「ここがヒューズか」
俺は馬車に乗せてくれたおっちゃんと別れ、検問所の前にたっていた。俺は、あたりを見渡しほかの人たちがどうやって街に入っていく人を観察してみたが、中に入るためには身分証明書がいるようだ。
「身分証がいるようだな、さてどうしたものかう~~ん」
とぶつぶつ呟いていたら、門番の人が怪しいと思ったのかこちらに近づいてきた。
「あの~どうかせれたのですか?」
俺はとっさに、もしもの時のために、あらかじめ考えておいた設定を話した。
「えっとですね、私はある村から出稼ぎに来たんですけど、魔物の戦闘中に自分の身分証を落としたみたいで困っていたのですよ」
と言いハハハと笑って誤魔化す。
そうすると門番の人が俺の格好を見た後
「その武器あんた、冒険者になりに来たのか?」
と言われ、あることを思い出す
「あの~、これギルドへの推薦状なんですけど身分証の代わりに使えませんか?」
門番の人にボルグさんからの招待状を手渡す。
門番の人は手紙を確認する。
「内容は確認しましたが、本人か確かめるため一様詰所にきてください」
俺は門番さんに連れられ、検問所の隣にある部屋に入った。
「とりあいず、このステータスプレートに手を当ててください。名前だけが表示されるのでご安心ください」
俺は言われたように、プレートに手を当てる。そうするとプレートが青白く光る。門番さんがそれ見て
「名前は確かに確認しました。ですが、犯罪履歴がないか確かめるため、上の服を脱いでください」
俺は上半身の服を脱ぐ、そして門番さんが俺の胸板辺りを見る。
「犯罪者の刻印はないようですね、もういいですよ」
この世界には、犯罪者の刻印と言うものがある。その刻印は、犯罪を犯したものにしるしとして天罰として与えられる。その刻印は色によって犯罪の重みがわかる。軽いものから、水色→藍色→紫色→黒色の四段階で表される。
そかし、その刻印は人助けやボランティアをすることで罪を清算をすることで刻印を消すことができる。
そんな、ウッド村で教わった知識のひとつを思い出していると、門番さんが何かを紙にサラサラと書き、その紙を俺に手渡してきた。
「ハイこれ、君の仮身分証だ、この身分証の期限は三日間だその三日間のうちに身分証を作らないといろいろ面倒な手続きか、最悪、牢獄に入ることになるから気をつけろよ」
門番さんが一息つき
「ようこそ、この大陸一の商業の町ヒューズへ」
※
俺は門番さんにギルドの場所を聞き「街に入ってまっすぐ行ったところ」と言われたのでまっすぐ歩いていた。周りを見てみると、露店や呼び込みの人がたくさんいた。
魔法鉱石や怪しい何かの薬を売っている店もあった。中には、禍々しい妖気を放つ呪いの武器みたいなのもあった。
いろんなものを見ながら歩いているといつの間にか目の前に五階建てぐらいの大きな建造物があった。その建物には看板があって[冒険者ギルド英雄達の酒場]と書いてあった。ここが俺が目的のギルドのようなで入ってってみた。
建物中は武具を身に着けた男達が、昼から酒を飲み宴会のようなものをやっていたが奥の方にカウンターや掲示板があるようなので多分あっていると若干心配に思いながら奥のカウンターに歩いていった。
「あら、見ない方ですね、新規登録の方ですか?」
「一様そうなんですけど、推薦状があってこれをギルドマスターに渡してもらえませんか?」
と、受付嬢にボルグさんからの推薦状を渡す。
「わかりました。ギルドマスターにお渡しするので、少々お待ちください。
と言って受付嬢は階段を上がり、奥に向かった。
しばらくたつと受付嬢が戻ってきて、ギルドマスターの所に案内してくれた。
四階に上がって、応接間らしき場所には入った。受付嬢にここでしばらく待つように言われたので、ソファーに座ってしばらく待っていると、扉から白髪オールバックの身長百八十八センチほどのすらっとした、いかにもジェントルマンみたいな人が入ってきた。そして、俺の向いのソファーに座って喋りだした。
「君かい?あのボルグが招待状を書いた人って言うには?」
「はい、そうですけど」
「そうか」
と言い、俺の顔や体を見る。そして一息つくと
「そういえば名乗っていなかったな、私の名はギルフォード・ミラン、ここ英雄達の酒場のヒューズ支部のギルドマスターをやっている」
そしてまた一息つく、
「で、早速で悪いのだが、私と戦ってくれないか?」
「・・・はい?」